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声で伝わる!ナレーションの読み方で知っておきたいこと


番組や映画などの映像表現は、映像と音声の2つの要素で成り立っています。
このうち、音声は、セリフ、ナレーション、現場音、インタビュー、音楽、SE(サウンドエフェクト)などの要素が組み合わさって、一つの音になります。
このうちナレーションは、特に情報を伝える番組などでは、極めて重要な役割を果たします。
ナレーションの書き方については、別の記事で記しましたが、今回は実際に声に出して読む時に知っておきたい基本を紹介します。


声による表現を構成する4つの要素

ナレーションの読みに限らず、声に出して何かを伝えることは、日常的に必要になる人も多いでしょう。
ここでは、人に伝わりやすい音声表現をするために考えるべき3つの段階をご紹介します。
プロのアナウンサーのように完璧な音声表現を目指すためには、この3つともがきちんとできていることが求められます。

➀滑舌(一つ一つの音節、子音と母音)
➁アクセント(単語内の音の高低)
③イントネーションとプロミネンス(文章内の高低や強弱)

➀滑舌

滑舌は、文字通りとれば、発音する時の「舌の滑らかさ」を表す言葉です。
ここでは、一つ一つの音(拍・モーラ)を正しく発音することを「滑舌が良い」と表します。
一つの音は、概ね母音一つ、もしくは子音と母音の組み合わせでできています。一つの子音、一つの母音を音素と言います。
良い滑舌のためには、子音と母音の両方がきれいに発音できなくてはいけません。
普段仲間内とだけで話している人は、母音の発音が曖昧になっていることが多いものです。
友だち同士のお喋りは、あまりはっきり発音し過ぎると、よそよそしく感じたり強すぎると感じたりするようです。
多少、口ごもったり、曖昧に濁したりすることで、気づかいや遠慮を表現して、人間関係を円滑にしようという意識が働くのでしょう。
それが定着してしまうと、いざという時にクリアな母音で発音することができません。
母音をクリアに発音する一般的なトレーニングは、「アエイウエオアオ」と口の形をやや大げさに作って、ゆっくりと大きな声で発声練習することです。
それを十回程度繰り返してから、ナレーション原稿を読むと、5つの母音が明確に発音し分けられているように感じられます。
子音は、人によって苦手な子音が異なります。
どの子音も、口の中で舌や歯茎、唇の位置を変えて、息の出し方を変化させることで作られます。
例えば歯茎に舌をあてて、破裂させるように発音すると、「t」の子音が作られます。
この音に母音を組み合わせることで、「た」や「と」などの音(一つの拍)になるわけです。
そのため、苦手な子音の口の中の形や息の出し方を学んでそれを意識することで、子音の発音は改善します。
詳しくは別記事で紹介したいと思います。

➁アクセント

日本語のアクセントとは、一つの単語を構成するそれぞれの拍の音の高低を言います。
例えば、「りんご」は「低高高」、「みかん」は「高低低」といった具合です。
平仮名で書けば同じ音であるはずの単語が、音の高低(アクセント)を変えることで違う意味を表します。
例えば「あめ」は「高低」と発音すれば「雨」を表し、「低高」なら「飴」を指します。
これをアクセントの弁別機能と言います。
そのため、正しいアクセントで発声しなければ、意味が変わってしまうこともあり得ます。
共通語のアクセントについて調べるなら、NHKの「日本語発音アクセント新辞典」が大変便利です。

③イントネーションとプロミネンス

イントネーションとは、文章全体の中での抑揚のつけ方です。
またプロミネンスは、文章の中で特定の単語や部分を強調して発音することです。
いずれも一つの音をどう発音するかではなく、単語や文節レベルで高さや強さを変えていく作業です。
例えば、
「後藤さんが、明日大阪にやってくる」
というナレーション原稿があったとしましょう。
これを読む際に、「後藤さん」を強く読めば、「山田さんでなく後藤さんが、大阪にやってくる」という意味になります。
「明日」を強く読めば、「後藤さんが大阪にやってくるのは、来週ではなく明日だ」というニュアンスになります。
また「大阪に」を強く読めば、「後藤さんは明日、広島ではなく大阪にやってくる」という意味となります。
このようにイントネーションやプロミネンスを間違えると、まったく意味が変わってしまいます。
イントネーションやプロミネンスを間違えないようにするには、原稿の内容の把握、が何よりも重要です。

まとめ

今回は、実際に声に出して読む時に、美しく発音するための注意点を幾つか紹介しました。
いずれにしても、拍、アクセント、イントネーションやプロミネンスのそれぞれのレベルで、正しく発音することが必要です。
いずれ、拍やアクセントなどについて、さらに詳しく紹介したいと思います。

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