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【茅野】3年間のすべてをお届け
森下真樹さんと石川直樹さんの茅野での滞在は2021年3月から始まりました。
先月2月、3年間の「みちのちのダンススケープ」の総まとめとして「みちのちの 10 SCENES」を実施しました。
2月18日(日)には最終発表となる「みちのちの 10 SCENES」ダンス・パフォーマンスが開催されました。
最終発表のリハーサルのため、お2人が茅野入りしたのは2月14日のこと。
2023年の12月に東京で打ち合わせを行い、その場で大まかな内容は決まっていますが、詳細についてはこの日入ってから作っていくことになっています。
朝から劇場の準備は進んでいますが、まだまだここから!という感じです。
信州アーツカウンシルのスタッフは、朝から会場入り口の関連展示「3years of みちのちのダンススケープ」を準備・・。
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並べてみると、活動はさまざま。市民館のホールでダンスのワークショップをしたり、「とっておき」の茅野を教えていただいたり、その場所を実際尋ねてみたり、八ヶ岳を2人で歩いてみたり、講演会と交流のため高校にお邪魔させていただいたり・・。
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今回の「10SCENES」はこちらの写真などから着想を得て森下さんがダンスを作っています。
ダンス・パフォーマンスに先駆け、石川直樹 PHOTO POSTERS プロジェクト「みちのちの 10 SCENES」も行われました。石川さんが諏訪~八ヶ岳で撮影した写真を10種類のフォトポスターにし、様々な場所に掲示するもので、2月7日(水)から2月18日(日)までの期間中、諏訪地域を中心に県内各地、93ヶ所に掲示されました。
茅野市民館では2月15日(木)から2月18日(日)まで、会場入り口のロビーで10種類すべてのフォトポスター
を展示しました。
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展示は最終発表の18日夕方まで自由にみていただける形となっていました。昼間もいく人かの方々が入れ替わり立ち替わりじっくりとご覧になっていました。
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14日は打ち合わせ、翌日からは市民参加者の方とのクリエイションが始まります。
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17日には初めての通し稽古を行いました。
終わった後には出演者、スタッフ全員で修正点を確認。
18日朝、10時から昨日の直しを含めてもう一度朝から流れをさらいます。
細かな修正を行い、完成度が上がっていきます。
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最後にみんなで円陣を組んで気合入れ!
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13時半の開場と同時にお客さんがホールの中へと入っていきます。
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普段の舞台より大きく張り出したステージ。
紗幕には今回のタイトルが映し出されています。
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御柱祭で使われている本物をお借りしています。
14時になり、「木遣り師」の田島さんがタイトルを「鳴き」、
開幕しました。
※木遣りとは御柱祭のときに息を合わせるために使われる掛け声のことです。歌う、とか声を上げるとかではなく「鳴く」と表現されます。
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八ヶ岳登山中、舞台上で生の木遣りでかっこよく踊る自分を夢に見たという森下さん。前回、中間発表では録音でしたが今回は念願の生出演です!
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背中から伸びるワイヤーがどんどんと上へ上がっていき、石川さんが宙吊りに・・
「ちょっと・・高すぎませんか!」
「ヒマラヤより怖いんですけど・・・」という言葉とともに暗転。
お客さんからはくすくすと笑い声が・・。
初めから森下さん節、炸裂です。
(以前にも茅野市民館での公演の際、スピーカーに乗って自身が宙吊りになったこともあるそうです。)
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映し出されるスケーターの数だけダンサーが飛び出しスウィング!
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学校のジャージと学校の机と椅子がなんとも不思議な雰囲気です。
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右上の映像は石川さんがヒマラヤで撮ったもの。
「同じ時間」「違う場所」です。
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石川さんはきのこについて語っています。
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曲は以前もワークショップや発表で使用したジョン・レノンの「Beautiful Boy」。
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スタッフが曳いて、舞台の真ん中へ。
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御柱に囲まれるように、聖域で踊ります。
衣裳のイメージは、もちろん、木遣り氏の皆さんが手に持つ「おんべ」。
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みちのちのダンサーズの皆さんも集合し、フィナーレです。
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トークを聞くお客さんからは、暖かい笑いが聞こえたり、以前イベントに参加された方でしょうか、写真を指差しお隣の方と微笑み合う方、木遣りに合わせて「よいさー!」の声が聞こえたり・・。
とても楽しんでいる様子が伺えました。
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さて、舞台での発表は全て終え、とうとう「みちのちの」最後の振り返り会です。
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みちのちのダンサーズの方々も、関わったスタッフもひとりずつ
「みちのちの」と過ごした時間がどんなものだったか、お話ししました。
木遣り師の皆さんは舞台を作る現場に遭遇するのは初めて、とのことで
「職場見学のようでした。茅野市民館のスタッフの皆さんのプロの技が間近に見られたのはとても面白い体験だった」という言葉も。
様々な方がいろいろな関わり方で、3年間この事業を作ってきました。
森下さん、石川さんの作る渦に巻き込まれるようにしてリサーチだったり、ワークショップだったり、今回の発表だったりに携わり、それぞれが新しい「茅野」や「自分」に出会っていたように思います。
アーティストが地域に滞在し、その土地を見つめ彼らのフィルターを通して、地域に暮らす人たちへ向けて発信する。
そのことで新たな発見をしたり、暮らしがちょっとずつ変わったりする。
そして、アーティストもまたその土地での体験でこれからの作品や人生が
ちょっとずつ、変わったりする。
それは、すぐに目に見えるものでも、形に現れるものでもありません。
しかし、日常の中にちょっとしたアートが混ざり込むこと
人生の中にアーティストや「他者」と作品を作る経験があるということ、お互いに刺激しあいエネルギーを交換し合うということが、とっても大事なことなのです。
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やはり、言葉より先に体が動きます。ダンスで気持ちを表現。
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3年間にわたる、茅野での森下真樹さん、石川直樹さんのアーティスト・イン・レジデンスはこれで終了です。
活動はこれで終わりとなりますが、この3年間で起こったたくさんのことは次の何かに繋がっていくのだと思います。
森下さん、石川さんの活動もまた、次へ。
関わったみなさんの生活も、また、続いてゆきます。
(文・村上 梓)
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