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【阿南町】新野物語制作記②〜ひたすら稽古、稽古(山田百次さん 阿南滞在(10月))

10/4~7にかけて、NOA阿南5回目の滞在が行われました。
今回の滞在の目的はただひとつ、11月に行われる公演に向けての稽古です。

NOA新野チラシ

(※観劇の予約受付は終了しております)

前回8月の稽古終わりから集めていた衣装・小道具が揃ったところからのスタートです。今回は登場人物みな和服!

まずは、本読み(動きを付けず座ったまま台本を読む稽古のこと)をして会話のテンポや台詞のニュアンスを山田さんから指示してもらいつつ、方言指導の金田信夫さんから方言が自然かどうかも確認していただきます。

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山田さんからは「方言芝居は細かくやり出したらキリがない。それよりも物語が成立することの方が大事」とのアドバイスも。方言を使っての演劇を続けてきた山田さんだからこそ出る言葉です。
そうそう、今回の『新野物語』は全編を通して方言で会話が行われます。
新野の方言を教えていただくと、「〜だに」「〜だら」という語尾を多用するなど、これは長野というより東海の方言に近いのかも…?と感じることが多く、そんなところからも昔の人の行き来の様子が見えてくるようで興味深いです。
会場に来られる方は、是非生で体感してみてくださいね。
さて、本読みが終われば次は台本を外しての立ち稽古。

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細かく何度も返しつつ、山田さんの指示の元、シーンの流れを組み立ていきます。
山田さんの演出が入ったことで、観ている側から笑い声が起こるように。
「さすがですね〜」と女優のお二人も笑顔。

そして、今作品の肝となる「新野の盆踊り」の唄と踊り。

金田渚さんが幼少の頃から積み上げてきたものが舞台上で輝く、最大の見せ場です。

関西出身、今回が唄と踊り初挑戦となる小原さんも食らいつきます。

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こちらは11月までもっと練習を重ねましょうという話になりました。

金田信夫さんが稽古を見学しながら、「このシーンは普段新野で普段やっているアレの光景に似ている」と、とあるシーンでおっしゃいました。

山田さんがそこまで意図せずに書いたことが、新野の慣習に自然と重なった。

当日観に来てくださる新野の方は、この物語を観て、改めて自分たちが何気なくやっていることの意味を知ることとなるでしょう。

新野に初めて触れる方は、こんなに素敵な伝統が残っている地域があるのだと、知ることとなるでしょう。

リサーチの内容を自らの作品世界に落とし込む山田さんの手腕に感動するとともに、
地域にアーティストが滞在して作品を創ることの意義をひとつ、目の当たりにした気がして、ひとり満たされた気持ちになったのでした。

さて、まだまだ課題はありますが、3日間の稽古はあっという間に終了。

11月に会えることを楽しみにしつつ、解散しました。

来月、まるはち旅館にて、お待ちしております!

(※今回の公演は座席数が限られてしまっているため、後日映像での公開も予定しております。観たいけど観られない…という方はそちらを是非楽しみにお待ちくださいませ!)

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(文:加藤亜弓)

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