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【大町】横山彰乃さん ふしぎうぶすなレジデンシー@信濃大町 STRANGER THAN PHENOMENON 本番編2

NAGANO ORGANIC AIR大町では、ダンサー・振付家の横山彰乃さんが滞在。信濃大町アーティスト・イン・レジデンスがホストとなり、滞在制作を重ねていきました。

10月8日〜10日には大町商店街にある空き店舗、旧「ショーゲツ(松月)」を会場に、パフォーマンスを行いました。

大町市は横山さんが生まれ育った場所。地元での初めてのパフォーマンスとなった10月8日の公演の様子をお伝えします。

公演の詳細はこちら↓

3日限りの回遊型パフォーマンス

開演前にあいさつをする横山さん

観客のみなさんにぐるりと囲まれた横山さん。2階からのぞきこむように観る方もいれば、広い踊り場の壁に沿って立つ方も。「どこで観てもよいですよ」という環境は、自分の居場所があるようでないような少し不安な気持ちと、「何が起こるんだろう」というわくわくした気持ちが入り混じるものでした。

舞台入口あたりからパフォーマンスが始まる

白いお面を身につけた横山さんが、ゆっくりと階段を上り、踊り場へ。

横山さんがそろり、と動くたびに、ちりん、ちりんと鈴の音が響き、照明が落とされ、その場にいるすべての人の気持ちが徐々に1点へと集まっていくのを感じました。

ダンスと空間、観客が三位一体となったパフォーマンスの様子は写真をご覧ください。

特徴ある踊り場を生かして「空間を縦に使いたいなって思っていた」という横山さん。踊り手も観客も空間を上下に移動し、観る視線、観られる視線が変わったことで、それぞれの身体の動きや視線への感覚がいつもより研ぎ澄まされていったのではないでしょうか。

地元との再会を自身の表現に

公演終了後の横山さん。子どもたちもダンスの虜に

公演終了後、何人もの方が投げ銭を贈ったり、感想を話したりと、ショーゲツでゆったりと過ごしていたのが印象的でした。

地元の旧知の方と再開

「迫力があってとてもよかったです。ダンスをやっているということは聞いていたけれど、こうやって観るのははじめて。彼女のリズム感のよさを思い出したりしました」

こう話してくれたのは、横山さんが中学生の時に和太鼓仲間だったという地元の方。横山さんに青い花のアレンジメントをプレゼントしている方もいました(横山さんは青が好きって知っていたんですね)。

11時のパフォーマンス
17時のパフォーマンス

11時、13時、14時30分、17時(夕暮れver. )と4回の公演があったこの日。時間や天候、お客さんの雰囲気によって、パフォーマンスから受ける印象も少しずつ変化するのを体験できたのも、本公演のおもしろいところでした。

ファンシーショップ(雑貨店)として営業していた当時の佇まいをかすかに残すこの場所が、アーティストの手で神楽殿に生まれ変わり、祝祭の空間となった3日間。そこで舞われた「神楽」は、心を揺さぶられる激しさと、淡く儚いものに包まれる感覚が混じり合ったものでした。

次回はどんど焼きで

舞台は3日目の公演終了後、すぐに撤収されました。

大量の稲藁は、「1月のどんど焼きで燃やせたら」という横山さんの希望もあり、正月明けまで一時冬眠。どんど焼きは小正月の伝統行事で長野県各地で行われています。横山さんも1月に再び大町を訪れる予定です。

横山さんを囲む、ホストの信濃大町アーティスト・イン・レジデンスのみなさんと信州アーツカウンシルメンバー

3日間の公演は満員と大盛況でした。ご来場いただきありがとうございました!

次回は、横山さんとホストのみなさんとの振り返りをレポートします。

(写真:安徳希仁 文:水橋絵美)

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