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【小諸】果樹農園直売所シアター『破戒』リーディング公演開催!

NAGANO ORGANIC AIR小諸の締めくくりとなる果樹農園直売所シアター『破戒』リーディング公演が10月24日(日)にブルーベリーガーデン黒岩に作られた特設劇場で開催されました。

ブルーベリーガーデン黒岩直売所では、今年、ブルーベリー農家・劇作家・わかち座の黒岩力也さんがホストとなり、千葉県・梨農家・鎌ヶ谷アルトギルド主宰の石井幸一さんを迎えて、複数回の滞在制作を行ってきました。7月には、小諸に深いゆかりを持つ文豪・島崎藤村の代表作『破戒』を黒岩さん書下ろし、地元の小諸高校演劇部交流しながら、石井さんの演出で上演しました。
今回の公演では、7月の上演をふまえ、黒岩さんがさらに戯曲『破戒』の長編化に挑戦。長編大作『破戒』を、公募した出演者と共に、石井さんの演出によって上演し、芸術の秋を彩りました。

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今回の公演のために、小諸市近郊にお住まいの方を中心に、県内にお住いの演劇好きの皆さん12名が集いました。
普段から演劇活動をしている方もいれば、人前で台詞を読むことが初めてという方まで、経験は様々。練習時間も少なく、皆最初はどんな作品に仕上がるのか不安を抱いているようでしたが、石井さんが演出を施していく中で、ドラマチックな物語の登場人物の一人として自信を深めていっているようでした。出演者からは「石井さんが仕掛ける魔法が心地よい」といった感想が聞かれました。

公演本番はブルーベリーガーデンの近隣にお住まいの方も訪れ、満員御礼の中で行われました。
上演をご覧になった方からは「とても素晴らしく、物語の世界に引き込まれた」など嬉しい声が聞かれました。

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全2回公演を終えた後には、出演者から「もっとやりたかった」といった声が聞かれ、短い時間でしたが皆充実感に浸っているようでした。
普段はそれぞれの場所で活動している皆さんが、初顔合わせからわずかな時間でお互いを知り、興味を持ち一つの物を作り上げていく。演劇の持つ魅力を改めて感じる時間となったのではないでしょうか。

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当日配布されたパンフレットの中で石井さんは「私たちは、自分は自分であると思いながら生きていますが、それと同時に”他人から見た自分”や”大事な人にとっての自分”というものも常に考えているので、いつの間にか自分についてよくわからなくなります(少なくとも私はそうです)。自分は一体どうしたいのか?自分はどのように生きていきたいのか?「こういうこと」はしてはいけないのではないか?誰かに迷惑がかかるかもしれない、等々。そしてそれらは「戒め」として私を包み、”自分の姿”をボンヤリとしたものにしてしまいます」と、語られていました。
NAGANO ORGANIC AIR小諸を通して、この企画にかかわって下さった皆さんがまだ見ぬ自分の姿に気付き、また明日と、新たな歩みを進めていってくれたら嬉しい限りです。
黒岩さん、石井さん、出演者の皆さんありがとうございました!

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【出演者】
生駒由美子(演劇集団 真田CROSS-B)
植原ゆかり(素数会 / まねきち)
小川恭未子
キザム(わかち座)
さっとん
笑二ちゃこ
Sue
坪根美友奈
永峯克将
八木光江
若月彩音
鈴木正孝(鎌ケ谷アルトギルド)

脚本:黒岩力也(わかち座)
演出:石井幸一(鎌ヶ谷アルトギルド/一徳会主宰)
原作:島崎藤村『破戒』
制作:わかち座、NOA運営チーム

長野県芸術監督団事業「NAGANO ORGANIC AIR」
主催:(一財)長野県文化振興事業団、長野県

(文・「信州art_walk_repo」取材部 町田弘行)

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