KSR 110を見に行ったらピンクのカブを勧められた話

 幸いなのか、梅雨が長かったのであれからバイクに乗る機会は少なくなりました。というか、気持ちの上でアドレスに乗るのは気が引けていました。

 このままではせっかく取った免許がもったいない!
 ということで、どうにか私が納得できる方法で自分のバイクを入手しようと購入計画を始動しました。

 とりあえずアドレスが次にエンストするまでにはまだ時間がありそうです。その間にお金を確保しつつ、何に乗るのかを決めることにしました。
 この時はカブよりKSR 110に気持ちが傾いていて、中古車が近くのお店にないか毎日検索していました。
 すると持っているところが1軒あって、梅雨の合間に出かけていきました。

 この時、(個人経営の)バイク屋さんの流儀というものを全く知らなかったのでなにも連絡なしで行ってしまいました。今年に限ってかもしれませんが、夏の終わりぐらいまでバイク屋さんは全国的に忙しくていきなり来られたら迷惑だったとあとで他から聞いて知りました。
 本当に申し訳ありませんでした。

 でいきなり在庫のあるバイク屋さんへ突撃してしまった私。
 実は初めて行くお店です。ただでさえ初見の人に話をするのは緊張するのにさらにどう話を切り出していいかわからず黙ってお店の周りをウロチョロ。
 完全に不審者です。
 (こうならないためにも予め電話をしておけばよかったんですね。)
 すると私に気がついたこのお店の奥様が声をかけてくださって、お若い店主さんにつないでくださいました。そこでようやく「KSRがあるとグーバイクで見たのですが、見せていただくことは可能でしょうか?」と用件を言うことができました。

 するとお店のガシャっとバイクが置いてある所から1台出してきていただきました。
 KSR 110の現車です。店主さんがどうぞ乗ってみてください、とおっしゃるのでお言葉に甘えてまたがってみました。
 予想通り足つきはベタ。ハンドルは少し違和感のあるポジションでしたが座った感じは悪くありません。
 ただシフトペダルのやり方がよく理解できませんでした。シフトアップの時はMT車同様跳ね上げるのですが、つま先でというのがAT限定免許の私にはピンと来ません。

 その様子を見て思うところがあったのか、店主さんはこれは旧車だからやめた方がいい、現行車の方がよくできてるんだから新車を買った方がいいとおっしゃいました。今時2ストキャブ車なんて大変なだけ、4ストでインジェクションの方が燃費もいいし乗り味もマイルドだからと。

 この店主さんが言いたいことは分かるのです。
 旧車はある程度自分で面倒が見る気があるなら知識と経験と手先の器用さがいるし、それがなくてもそのバイクにかける思いと情熱と資金力がなければ維持できない。
 
 果たして私はKSR 110をそこまでしても乗りたいのか。
 そう思うと自信がなくなってきて、今日これを買うのはやめようという気持ちになりました。

 それから実は持っているのが小型AT限定免許なんだけどギアチェンができる125cc以下のバイクを探しているんですおすすめはありますか、とお聞きしました。するとせっかく女性の方が乗られるならと真っ先にピンクのカブを勧めてこられました。

 このスーパーカブ110『天気の子』ver.を勧められたときは予約販売前で、たまたまレンタルバイクとしてお店にあったのを見せていただきました。
 『天気の子』は私も映画を見たのでとても印象に残っていますが、劇中では本田翼さん演ずる就活中の女子大生が乗ってたような…。更年期真っ只中のおばさんが乗るには腰が引けるカラーリングです。なので私がこれに乗ったら阿佐ヶ谷姉妹みたいになるんでとお断りすると、いやそんなことないですよ、と店主さんは苦笑いされてました。

 そうですよね。ピンクのTシャツ着てる人がそんなこと言っても説得力がないですよね。

 また他の色のスーパーカブ110を見せていただき、お忙しい中色んなお話をお聞きしました。110に関してはお値段もお店の様子もいいなと感じましたが、なぜかピンと来るものがありません。結局今日ここで何かを決めるのはやめようと思い、KSRを買うこともカブを買う約束をすることもなくこのお店をあとにしました。
 お若い店主さんは他のお客さんのバイクの整備の手を止めていきなりやってきた私の接客をしていただいたのに、結果として大変申し訳ないことをしてしまいました。ごめんなさい。

 ただこれでKSRとはご縁がなかったのかな、とも思えてすっきりした気持ちになりました。そして候補はスーパーカブの110かC125かの2択になりました。

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