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❺なりたい姿を実現する―決意のステップ

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5000人の栄養指導で実践!1000人の研修で再現性を実証!
明確化ツールと心に寄り添う5つのステップで一生もののスキルを手に入れる!

いくら知識を得ても自信につながらない・・・
誰にも教えてもらったことがないからこれでいいのかわからない・・・
そんな栄養指導を行う人なら誰しもがぶつかる壁

栄養指導で自らも実践し、管理栄養士研修で大好評の講座がついに本になりました。


こちらのnoteでは、この書籍の書き下ろし。同じ内容を”記事のばら売り"として公開しています。

書籍で読みたい方は書籍をお買い求めください。気になるところだけ、ちょっとずつ読みたい方は記事をお読みください。

\喜びの声続々/
「とってもわかりやすくて実践向き。また一つ私の管理栄養士としてのバイブルが増えました!(^^)! 」

「分かりやすくすぐ使える内容栄養指導だけでなく、はじめての人・人見知りとかの人にも使える話し方だと思いました」

「もう2回読みました(笑)とても読みやすく、読めば読むほど何故か、栄養指導できそう!というような自信が沸いてきました!!」

現在は、管理栄養士研修として導入され、今まで全国の管理栄養士・薬剤師・看護師など約1000名がこの講座を受けてくださっています。この講座を受けていただいた方は全く初心者の方でも「栄養指導ができるようになった」とおっしゃってくださいます。また、後輩を育てる立場であるベテランの方からは「わたしのやってきたことは間違っていなかった」「育成に自信を持てた」と喜びの声をいただいています。

栄養指導を行う時のバイブルとして長く使ってもらいたい。わたしの10年の栄養指導で実践したノウハウと栄養指導講座で伝えてきた再現性が実証されたメソッドで指導者の悩みに寄り添う本になれたら幸いです。

今日は第2章セオリー編 心に寄り添う栄養指導5つのステップその❺なりたい姿を実現する 決意のステップです。



決めるのは自分自身


最後は決意のステップです。決意するのは他の誰でもないクライアント本人です。自分で自分のために決めたことだからこそ、行動し、なりたい姿を実現できるのです。

栄養指導を始めたばかりの頃のわたしは、限られた時間の中で説明しなければいけないことに頭がいっぱいで、説明して説明して、さあ、目標を決めましょう! とそれはそれはものすごく強引なものでした。

これではクライアント本人が自分にとって本当に必要なことなのかわからずに設定してしまいかねません。

決めろと言われたから決めた。でも必要性を感じていないため行動に移せない、やってみたとしても「なんにも変わらないじゃないか」とやめてしまう。

次の面談の時には「やってみたけど最近やってないです」そんなやりとりのいたちごっこでした。この決意のステップでは、自分で決めるということに大きな意味があります。

人は自分で納得し、決めたことしか続きません。わたしたちはそれを見守り、行動に移せるように微調整を行います。


挫折を未然に防ぐ声かけ


じっくり話を聞きながら行動リストを作っていくと、どんどんやる気が出て、「今すぐ行動したい!」と非常に前向きに捉えてくださる方も多いです。やる気があることはとても素晴らしいことなのですが、行動リストをたくさん作りすぎたり、少し無理そうなことも「できる!」と過信してしまうこともあります。


クリニックの栄養指導でも、次にお会いできるのは1ヶ月後、早くても1週間後です。


それまでに「やっぱりできなかった」という挫折をなるべく未然に防ぎたいものです。そのための声かけがあります。それが、「これ、本当にできそうですか?」です。

この声掛けは特に「やる気がある人」に有効です。

行動リストが多すぎる場合などは、こうした声かけで、一旦振り返ってみることができます。

ただし、ここで出てきているリストはどれもクライアント本人から出たものなので、ぞんざいに扱いたくはありません。優先順位をつけるなどしていきます。

「この中で一番簡単にできそうなものはどれですか?」と伺ってみるのもいいでしょう。最初の一歩が一番大変です。ひとつできたら、その次、と段階的に進めていくようにしましょう。


小さな一歩の成果は偉大


習慣を変えるのはとても難しいことです。当たり前のように行っていることをやめて新しい習慣を作っていく。行動が習慣化するまでに3週間、60日、6ヶ月かかるなど諸説ありますが、三日坊主という言葉があるように、今日変えようと思ってもそれを2日3日と続けることが難しいのです。

また、続かないのはモチベーションも関係しています。

行動を変えてすぐに変化が起こればやったことの結果が出たのだと感じ、それを持続させようとしますが、行動したのに結果が出ないのでは、やっていることがいいことなのかどうかの判断もつきにくく半信半疑になりますし、がんばっても結果が出なければ、気力が続かないのも無理はありません。


栄養指導の難しいところは、食生活を変えたところで目に見える成果が出るのに時間がかかる、ということと、結果が本人の行動に委ねられているというところにあるかと思います。かといって24時間つきっきりでサポートしたり、3食ごとにアドバイスをすれば結果が変わるとも言い切れないのです。

手厚いサポートよりも、適切なゴール設定とそこに向かう小さな一歩が必要です。

あまりにも程遠い目標は挫折しやすく、最初の一歩がハードルが高すぎると始めることができないためです。

大きな目標、大きな一歩はできるだけ小さく、すなわち現実的に再設定していきます。


保健指導の時にもそうだったのですが、難しい行動目標を”がんばって”取り組んでいる方は6ヶ月の指導期間が終わると「解禁」になったごとく、その取り組みをやめてしまいます。

そうすると、がんばっている間は減っていた体重も元に戻ってしまう。それに対して、「特に何もやっていない」とおっしゃる方は次の年は対象者に挙がってこないということがよくありました。

何もやっていない、とは本当に全く何もやっていないのではなく、取り組みとしてやっていることを忘れてしまうくらい本人にとって小さな行動だった
ということです。


6ヶ月後の変化は緩やかですが、翌年、翌々年の保健指導では対象者に挙がらず”卒業”されていることが多く起こっていました。

「これくらいへっちゃら」という本人にとって軽く、小さな行動は6ヶ月くらい経つと行動しているという認識がないほどに習慣化されており、「あ、そういえば前はこれやっていなかったな」とご本人もいい意味で忘れてい
て「何もしていない」という言葉に現れるのです。


最初は意識して取り組んでいたことが無意識にできるようになったため、実際は小さなことでも行動は変わっており、6ヶ月経っても「やめよう」とはならないためそのまま継続できていた。ということです。


本人が「これやめた方がいいかもしれないな」と感じていることがタネとなり、それを整理してやるべきことを見つけ、本人にとっての小さな一歩を行動してもらうことで「気づいたらできていた」「気づいたら体重が減っていた」と嬉しい結果が得られるのです。


現在地を伝える


10㎏痩せる、など目標がある程度大きな場合は、何からやっていけばいいかわからない、ということも出てくるかと思います。やるべきことはたくさん出てくるし、優先順位はどれも高く、なりたい姿も明確ではあるけれど、その目標設定を高く設定すると挫折もしやすくなります。

漠然としてしまう時にはゴールまでを3つくらいのフェーズに分けて、一つのフェーズごとのゴール(小目標)とそのための行動リストを作っていく必要があります。

今からA→B→Cと進んでいきますよ。今いるのはAの段階ですよ。というように今どこにいるのか、どこを目指しているのかガイドします。

例えば10㎏痩せようとしている人にはこんな風にお伝えします。

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