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「晴れの日も雨の日も」#32 些事に神々は宿る

イクメンという言葉もすっかり市民権を得たようだ。男女同権の考え方が浸透するにつれ、男も育児や家事を担当するようになってきた。稼ぎを得るのも、子供を育てたり生活をメンテしていくのも夫婦の共同作業というわけだ。
だが、世のイクメン諸兄は、子育てはまだしも、家事は雑務・メンドクサイと思いがちなのではないだろうか。
掃除・洗濯・炊事・皿洗い・アイロンがけ・風呂掃除・・・
数え上げればきりがない。トイレットペーパーや歯磨き粉といった消耗品の在庫管理もある。

こうした家事を男が行うことについて、最近の論調では「妻の仕事を手伝ってやっている」という意識ではダメだと言う。「手伝ってやっている」というのでは、「本来それは妻の仕事だ」という潜在意識があり、男尊女卑の考えが垣間見えるということらしい。なかなか手厳しい。

しかし、私はこの意見に実は賛成だ。それは、男女同権という視点に加え、どうせやるなら イヤイヤやらずに自ら主体的にやったらどう?という考え方だ。

夫婦の間で育児・家事・お金の管理・その他あらゆることをどういう分担にするのか、それはそれぞれの夫婦の問題だ。全く50:50のイーブンなのか、仮に夫の方が稼ぎが多いなら配分に少し傾斜をつけるのか、どうぞ勝手に決めてもらえばよい。

しかし、皿洗いにせよ掃除にせよ、これはオレの分担となったなら、スパッとやるしかない。ブーブー言うのは男らしくない。
そしてどうせやるなら、嫌々やっていたのでは、他の誰でもない「オレ」の時間がもったいない。
精魂込めて、さすが男の仕事は違うわネエ、というところを見せつけてやろうではないか。
これぞ拙note#31の令和版「男らしい」ではないか。

また、一見些事に見える家事のひとつひとつも、実は奥深いものであり、そこを徹底することで自分が磨かれるというのが本質論だ。
誰がやっても同じに見える家事だが実はそうではない。
掃除はその代表で、四角い部屋を丸く掃くのか、細部をどこまで徹底的にきれいにできるのか、その人の姿勢がそのまま出る。料理に至ってはクリエイティブそのものだ。その人なりの感性と工夫次第でどうにでもできる。
そうして、いい仕事ができて、相方が喜んでくれたらやりがいはさらに増す。
将棋や囲碁の世界でよく使われる「着眼大局着手小局」(荀子)という言葉を持ち出すまでもなく、目の前の一つ一つのことを大事にし、丁寧に取り組むことはとても重要なのだ。親会社では「萬事入精」と言っていた。仕事も同じだ。

些事をバカにするなかれ。そこに成長の機会が隠されている。その機会に気付けるかどうか、そして些事への取組姿勢を神々は陰からじっと見ているのである。その姿勢は人間性を表しているのだ。

と、エラソウに言っている私について。拙宅は5人の子を抱えていたので、ある程度は否応なく家事もやった。が、若いころは正直言ってイヤイヤだった。上記の気付を得た今は、まず料理が得意になった。年末の大掃除は私の「男の見せ所」である。が、家事全般について、日常的に積極的というには至っていない。総合評価がどうなのか聞かないことにしている。もうちょっと頑張って会社卒業後のおかーちゃんとの関係再構築にもつなげるか。
自分が上質に生きる為&夫婦円満の為、一石二鳥。もっと早く気がつけばよかった。

おまけ:「神様」について
スピリチュアルな話はパスという方もおられよう。私もこれまで無神論者で、ここまでの自分の人生は自分の努力・頑張りで切り開いてきたと自負していた。しかし、果たしてそうか?最近、自分の力だけで何とかなる事は実は限られているのではないか、自分がするべきことは当然に精一杯頑張るが、そこから先は神のみぞ知るということのような気がしてきた。その方が、何でもかんでも自力頼みというスタイルよりも、より上質な「今」を生きることにつながるような気がしている。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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(続く)


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