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冒頭、チラ見せ!!! (3/3)     

妄執文庫新作 奸計外伝           奈落への復職~献身妻瑠衣子と淫鬼の帝国~


前回までの公開記事
その1

その2

肉体的な行為が始まるところを少しはお目にかけないと消化不良と思いますので、もう少し、三千字程度だけ、公開します。GWのプレゼントです!

「奸計」外伝 
奈落への復職~献身妻瑠衣子と淫鬼の帝国~

第二章 苦役

 1

 翌日。よほど欠勤してしまおうかと迷った。
真夜中に帰宅してから、去り際、佐澤成美が吐き捨てた「罪の償い」という言葉が脳裏に焼き付いて離れなかった。結局一睡もできないまま、春先の陽光が窓辺に差し込んできた。
帰宅した時も、そして夜が明けた今も。ベッドの端で、壁の方を向いたまま身体を横たえた拓真は、寝息も立てず、寝返りすらしない。
もしも今。夫を起こして、昨日の出来事を全て打ち明けてしまったら?不倫による夫婦関係の破壊。そして、それは既に窮地に陥っている拓真のキャリアに対する死刑宣告でもあった。そんな残酷な決断、出来そうもない……
想像するだけで、全身の毛穴からイヤな汗が噴き出てくるような気がした。
不快感に耐えかねて、瑠衣子はどうにかして身体を起こし、重い足取りで浴室へ向かった。

いつも始業時間の三十分前には必ず着席している瑠衣子だったが、その日はフロアに着いたのが遅刻ギリギリの二分前。エレベーターの扉が開くと、染谷と橋本がそこに待ち構えていた。
「遅いじゃん、瑠衣子先輩」
「サボりかとおもったぜ」
 足早にデスクへ向かう瑠衣子の左右を、二人がピッタリと挟み込むようにしてつけ回した。人目を盗みながら、二人の手が瑠衣子のタイトスカート、ツンと上向いた隆起に伸びた。
「何してるの、触らないで!」
 両手で振り払っても、粘着質な手が構わずまとわりついてくる。しかし、押し問答をしている時間はない。遅刻寸前だし、反抗したら後でどんな仕返しをされるのか、分かったものではない。
 
 やっとの思いで席に辿り着いた。どうにか、遅刻は免れた。
大きくため息をついて着席すると、出社早々に尻を撫でられ、時折むんずと掴まれ、抓られたりした感触が蘇ってくる。非常識な行為に及びながら橋本が言い放った台詞が、頭の中を反響した。
「瑠衣子先輩、結婚して会社辞めたときより、ケツのむっちり感、めちゃくちゃパワーアップしてるじゃん。一年前に揉んだときより、すげえ肉付きよくなってる」
 橋本が入社したのが昨年の四月。瑠衣子が寿退社をしたのが四月の中旬だったので、その頃、橋本の歓迎会と瑠衣子の送別会を兼ねた会が会社近くの居酒屋で開催された。その際、橋本が酔い潰れて、瑠衣子の下半身にしな垂れかかり、周りの社員達に咎められる、という一幕があった。
瑠衣子は、寛大な気持ちで新社会人の失態を大目に見てやったのだが、その際に、橋本の指が自分の尻の肉に思いきり食い込んだ、あの感触は、今でも鮮明に覚えている。
 それにしても、なんということだろう。あのときの橋本は、泥酔した振りをしていただけで、瑠衣子に対してドサクサ紛れに痴漢行為を働くことが目的だったのか……
「なんだ橋本、今気づいたのか?鈍い奴だな。俺は先輩が戻ってきたその日から、速攻で気付いてたぜ。触らなくたって、分かる。明らかにケツが立派になってるってさ。きっと毎晩腰振りまくって、鍛えてるんだろうな。くくくっ」
 橋本とは違い、染谷は二年以上もの間、瑠衣子自身が直接指導した後輩だ。親身に相談に乗ってやり、ミスの尻ぬぐいをして、代わりに他部署の社員に頭を下げたこともある。そんな手塩にかけた後輩社員が、自分を性的で、侮蔑的な目で見ていたのだ。その事実に、目の前が真っ暗になった。

この日からの瑠衣子の役割は佐澤、染谷、橋本の指示に従って雑務を一手に引き受けることとなった。石渡との接触は、固く禁じられた。代わりに、佐澤が石渡と一日中つきっきりで何かを話している。普通に仕事の話をしているのか、あるいはかつて恋焦がれた上司をネチネチと脅迫することに快感を見出したのか……
しかし、瑠衣子には石渡の身を案じる余裕はなかった。
染谷と橋本の二人は、仕事の引継ぎだ、指導だと言って書棚やコピー機のスペースに誘い出した。もっとも、染谷や橋本などより、瑠衣子の方が余程実務に通じているのだから、指導や引継ぎなど、必要あるはずもない。死角を利用しては、執拗に瑠衣子の身体を弄ることが目的なのだ。
やがて、人目も忍ぶことすら煩わしくなったのか、不良社員は、堂々とデスクの前でもセクハラ行為に及んだ。
 瑠衣子を席に座らせ、背後に染谷が立った。そうして、長身の体躯を曲げ、ぴったりと身体を寄せてきた。瑠衣子の右手をマウスに、左手をキーボートの上に添えさせて言った。
「瑠衣子先輩、今から説明するから、よーく聞いててくださいよ。大人しくね」
 全く適当な、口から出まかせのいい加減な作業指示を口にしながら、染谷は両手を瑠衣子のスカートの腰骨の辺りから、ジャケットの中に忍び込ませ、脇腹から乳房の側面までを白いカットソー越しに掌で撫ぜた。
 染谷の両手の悪戯を防ごうと、両手で胸元を隠そうと身構える。すると、すかさず染谷が鋭い舌打ちをして、マウスとキーボードを指さした。
  
手はここに置いていろ、勝手に動くんじゃねーよ

 無言のジェスチャーが、瑠衣子を威嚇した。白昼のオフィスで、後輩社員に胸を悪戯されている。非現実的なこの状況を前に、焦りと、誰かに見つかったら?という不安とで、全身の毛穴から妙な汗が湧きだしてくる。
うなじに、黒髪が張り付いた。顔面が、焼けるように熱を帯びている。
「ふふ、先輩、興奮しすぎじゃないっすか?何期待しちゃってるんだよ、耳真っ赤にしてさぁ」
 うなじから耳元にかけて、汗ばんだ皮膚に染谷の唇が当てられる。中からペロリと飛び出してきた舌先が、玉の汗を掬い取った。
「や、やめて……もう、いい加減に……」
消え入りそうな、震える声で瑠衣子は哀願した。染谷は、当然のようにそれを無視した。耳朶を噛んで咥え、舌の先を耳の襞の間を滑らせた。
同時に、染谷の両手は瑠衣子の乳房の頂点に狙いを定めていた。左右の手の、中指の腹である一点をトン、トンと優しくノックした。カットソーとブラを経て、指先から伝わる振動。それに呼応するように人妻の全身にみなぎる強張り。
微かに、指先の位置をミリ単位で調整しながら、瑠衣子の反応がもっとも激しくなるその地点が、掘り当てられた。
「うっ、くぅぅん」
 制御しきれずに、上ずった声が若妻の口から零れた。おどけるように染谷が叫んだ。
「位置情報、特定完了!」
 ブラの中で、敏感な突起が痛いほど尖っているのが、自分でも分かる。そうして、それは染谷にも容易に伝わってしまった。
「ふふ、服の上からでも余裕で分かるよ。ビンビンに尖った乳首がさ」
「はぁ、はぁっ、はぁっ……もう、しないで……」
「なんで?どうしてやめてほしいの?」
「だっ、だから、これ以上されたら……」
「されたら?どうなるの?」
 染谷は、意地悪い質問を投げつけるばかりで、一向に指の動きを休めようとはしない。
「されたら……声がっ、あ、ああっ、声が出ちゃうから」
「ふーん。なんで声出ちゃうの?」
染谷の指先の振動のペースが上がる。それが、若妻に屈服を迫った。
「……か、感じて、しまうから……」
 染谷は、満足気な表情をしながら、対面のデスクから一部始終を見物していた橋本の方を見やりながらいった。
「見たか、橋本。欲求不満の女はなぁ、こうやって取り扱うと、手っ取り早いんだよ」
 女を侮辱するような言動には強い反発を覚えたが、微細な振動に絡めとられて、抗議する言葉が出てこなかった。

第二章 苦役


一旦、先行公開はここまでとしますが、きっと作品の持つ淫靡な空気感は、この一万八千字で十分に伝わったと思います。それでは、完成まで、妄執文庫の既刊本ラインナップをお楽しみください!


瑠衣子のその後は、奸計 オリジナルで↓ !!


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