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自宅購入体験記 〜壮絶家探し編〜

皆さんこんにちは。最近自宅を購入した永田です。新卒から約5年半、不動産流通業界に従事しています。数年ほど都内中古マンションの売買仲介営業を経た後、現在は不動産webサービスの事業開発をしています。

そんな私が今年行った自宅購入の物件探しで、とても大変な思いをしたので年末に記録しようと思います。家探しはこれからという方にはしくじり先生的に見ていただきつつ、家探し中でなかなか理想の物件に出会えない方には一助となれば幸いです。

こんな人に伝えたい
・家探しを初めたが、内見沼にハマって疲弊している人
・家探しをしているけど、良い家ないな〜困ったな〜という人

住宅購入のきっかけ

家を買う理由は人によって様々ですが、自分のきっかけは「そろそろ家を買える与信だ〜なら買お〜」という非常にぼんやりしたスタートでした。そのため、当初はこんな条件でふらーっと家探しをはじめました。

[当初の条件]
物件金額:4,000万以下 
エリア:会社に出やすい都心 (渋谷区・目黒区・新宿区あたり)
広さ:40㎡〜 
居住期間:未定
その他希望:割安物件買ってリノベして売りたいな

正直に言うと初めは家探しを舐めてかかっていました。割安物件を買って、リノベして、数年して売ろうと....数件アタックすればいけるだろうと....

1件目の内見後のカフェにて、この頃は余裕を感じていた

この後36件もの内見沼にハマるとも知らずに....

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結果どうなったか

結論、内見数36件・検討12ヶ月の超ロング検討になりました。毎日物件情報を見て、週末は都内を駆け巡り、内見すれども、申し込みすれども、先に進まない状況。内見沼にハマってしまい、本当に、本当に、、疲れた....

検討した物件MAP (都内の主要エリアは大体見た)

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エリアは、東は押上、北は池袋、西は永福町、南は学芸大

築年数は、新築〜築10年のタワマン〜築50年のヴィンテージマンション

都内の同予算で買える物件はもうだいたい全部見尽くしました

3,000〜5,000万で物件探している人は語れるのでいつでもご連絡ください

なぜ買えなかったか

住宅購入の5W1Hがぼんやりしていた

改めて振り返ると、ふらっと家探しをスタートしたため条件が明確でなかったです。家を購入する際には、条件と感性の2軸で決める人が多いと思っています。振り返ると自分は条件で決めたいタイプでした。その割に条件がぼんやりしてスタートしたので、36件もの内見沼にハマることになったのです....(本業なので楽しく見れちゃったというのもありますが、一般の人だったら早々に心折れるはず....)

[住宅購入の5W1H]
Why:何の目的で家を買うのか
What:どんな家を買うのか
Who:誰と住むための家を買うのか
When:買った家にどれぐらいの期間住むのか
Where:どの場所で家を買うのか
How:その家をどんな買い方で買うのか
⇒ここがぼんやりしていると感性(≒ノリと勢い)で家を選ぶことになる


加えて、住宅購入の難易度は今上がっている

「そんなに頑張らなくても、良いと思った家をさっさと買えば良いじゃない〜」という意見も多くいただきました。ただここ1年、コロナを起点とした不動産インフレにより購入難易度が一段一弾と上がっていく様子を身を持って感じました。首都圏の物件在庫はコロナ以前より30%近く減り、在庫平均単価だけ見ると15%近く価格上昇しました。

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出典:東日本不動産流通機構 

ここまで短期間で価格が上がると体感としてこんなことがおきます

・物件価格が目が飛び出るような価格で売り出され始める
・「こんな売出し価格で絶対売れるわけないでしょう〜」と考えていた物件がいとも簡単に即日売れる
・買取業者が売出し価格に対して満額で速攻申し込みしてくるので、リノベ前の物件を購入することが実質困難になる

物件情報をひたすらみても良い物件が枯渇している、、売出し物件は目が飛び出るような高値で出てくる、、、申し込んでも全然通らない、、、、疲弊、、、、みたいなスパイラルに陥っていたのでした。ノリと勢いで家を買う人でも、購入難易度は以前よりぐんと上がっていると感じてます。

どうやって買えたか

家さがしの5W1Hを改めて「しっかり」決めて本気でやった

やったことはこれに尽きると思います。8月まではなんとなく頑張って内見してましたが、この市況では構造的に負けているのでもう戦えないと悟りました。そのため半日かけて「5年・10年後どんな暮らしを送りたい? そのためにどんな目的で家を買う?何年住んでその後どうする?」を棚卸ししました。その結果、次買う家は「なるべく都心近くでQOL高く、最低5年以上住むための家」と大枠の目的を決めました。

今後のライフイメージと最低居住期間を決めたことで、エリア・広さ・購入可能目線が明確になり、許容ラインと調整可能なレバーが定量的に見えました。その調整レバーをすべて引き、10月に無事購入することができました。

整理したもの
What:なるべく都心近くでQOL高く、最低5年以上住むため

引いた調整レバー
予算:4,000万⇒支払い上限の5,000万
エリア:都心5区⇒東側(墨田区・江東区)入れる
居住年数:短期⇒「5年」以上住む
⇒上段の目的を決めたことで「予算を上げる、エリア広げる、相場に対する価格交渉を一定許容する」の条件緩和を定量的に行うことができた。

逆に死守したもの

広さ:40⇒60㎡を下限に ※在宅勤務が日常化していたので改めて条件変更
その他:フルリノベをすること ※仕事上、得たい経験として必須と判断

教訓

「勢いで進む」「とりあえず頑張る」でどうにもならない時こそ「目的を明確」にして「正しい努力」で攻めよう

ぼんやりした目標に対して、人はぼんやりしか進めないということを改めて学んだ案件でした。ただ家探しはぼんやりと始まりがちなのが罠だなと。以前の市況ならそんな探し方でも良かったのかもしれない。ただ物件価格が上がり・在庫が減った今はもっとシビアな環境での選択を迫られる。この市況で戦うには、自宅であっても、いや自宅だからこそ、仕事ばりに目的を明確にして攻めきることが重要だと感じました。

目的が明確になれば、目的に合わせて調整できるレバーが見つかる。そうなればあとはそのレバーをどこまで引くかを決めれば良いです。自分の場合は「最低居住期間」を決めたことで、「予算」「エリア」「相場に対する価格交渉ライン」の調整レバーを引くことができました。

最終的に買った物件は、情報公開された初日に発見・即アポ取り・最速で内見・即日価格交渉入れて申し込み・月内最短日程での契約となりました。

買った物件は相続案件で室内の残置物を撤去直後だったので、電気も部分的につかない古い部屋でした。正直、一般の人が見たらビビって即帰りたくなるような室内状況w ただ条件を明確に決めきっていたので、購入可能ラインまで価格交渉をして、その場で申し込みすることができました。

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終わりに

とはいえここまで色々やるのも大変ですよね、、、そんな時は不動産エージェントをつけましょう。自分ではなかなか決めきれない方、決めた条件でいくら探しても理想の物件に出会えない方、信頼できるエージェントと一緒に購入目的の整理を行うことをおすすめします! 

また、Twitterアカウントでも自身の体験を通じて得られた家探し・家づくりに役立つ情報を発信しています。良ければフォローください!


おまけ

やっと自宅購入した後待ち受けていたのは、コロナを発端として巻き起こった世界的な建材・設備機器サプライチェーンの混乱最中にあるリノベーション工事業界であった。波乱のリノベーション偏に続く(かも)….


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