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ここまでくればこっちのもんだ

 去年の10月、誕生日に自分でたくさん本を買って、その本がまだぜんぜん読み終わらない。
 今読んでいるのは、ミシェル・フーコーの『監獄の誕生』。全体が、布で覆われていて、表紙に刺繍みたいな模様が入っている。なんの模様かわからないけど、なにか、本の内容と関わりのある、意味のある模様なのだろうか。
 この本は、文章が2段になっていて、結構読んだなー、と思ってもページがぜんぜん進んでいない。
 読みたいと思って買って、面白いと思って読んではいるんだけど、早く読み終わりたいなー、なかなか進まないなー、と毎日思っている。
 群像も、先月号と今月号を買ってあるから読みたいし、誕生日の本はまだ6冊ぐらい残っているし、実家から借りている大江健三郎と小林秀雄と安部公房も読みたい。
 本が、小さいチップになって、脳に差し込めば内容が全部入る未来を想像して、だけど、文章を1行1行目で追ったり、本を触ったりページをめくったり、それと、フーコーの今読んでいる本、なんだか文字が書いてあるところがぼこぼこしている感じがする、そう思って今触ったらぜんぜんぼこぼこしていなかったんだけど、そういう、本との接触は好きだなと思う。
 分厚い本を、半分読み終わると、おー、となるし、残りページが4分の1ぐらいになると、ここまでくればこっちのもんだ、と思う。
 ここまでくればこっちのもんだ、は、遠くに出かけて、帰り道、自宅がある住宅地にさしかかったときにも思う。

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