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ロカビリーを踊っていた

 4年前ぐらいに書いた小説を直していたら、今と同じようなことを書いていて、わたしは同じことしか書けないのではないかと、少し不安になる。
 過去の記憶から着想して書くと同じことになってしまうから、現在起こっていることからなにかを書き出すのがいいのかもしれないけど、書くことと距離が開いていないと書きにくい。

 お札が新しくなって、わたしは深谷市出身で、深谷市は渋沢栄一の出身地だ。
 もともとは違う町だったんだけど、深谷市と合併した。高校は深谷市にあったので、自転車で市役所周辺を通ると、渋沢栄一生誕の地、みたいな看板があった。
 テレビで深谷市の様子が流れることが増え、この間は深谷の七夕まつりのことがやっていた。
 七夕まつりは妹とふたりで行ったことがある。
 夕暮れの薄暗い空、両脇に出店がある道を歩いていると、空き地があって、アメ車が停まっている前で焚き火をしていて、周りでリーゼントの男の人たちがロカビリーを踊っていた。妹とふたりで、しばらく踊っている人たちを眺めていた。
 

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