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断面をじっくり見てしまう

 ふと思ったんだけど、日本には、名前がついたふたり組が、とても多いのではないか。
 漫才は、他の国でもやっているかもしれないけど、コメディアンとか、ミュージシャンとか、ダンサーとかで、ふたり組でグループ名を持って活動している人たちは、世界にたくさんいると思うけど、日本ほど、名前がついたふたり組みが多い国はないんじゃないか。
 お笑いの学校、何校かある中で、コンビやトリオを組み、その時点で名前がつけられ、現時点ですでに活動している有名なコンビやトリオもいて、その全てに名前がついている。
 名前をつける、名前がある、ということに、わたしはすごく不思議な気持ちと興味がある。
 名前がつく、ついたそこから、生きている、動いていく、という感じがする。名前が蛇のように、くねくねと、体の前を進んでいく。

 昨日、マドレーヌとフィナンシェをもらって、食べたらすごくおいしくて、おいしすぎて寂しくなった。寂しいのは一瞬で、その寂しさがほんとうにおいしすぎたからかは、あとからするとわからなかった。
 とくに、フィナンシェは、断面をじっくり見てしまうくらいの、すごいおいしさだった。

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