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秩父


 長い長い道をずっと車で走っている。ずっと真っ直ぐな道。思っているより長い。
 途中で、赤い橋があり、川、川には石や岩がたくさんあり、秩父には、人面石の博物館もある。
 その博物館に、わたしは実際に行ったのか、テレビで観たのか、とにかく石ならば人面石で、石に顔のような模様や穴や角度がついたものが並んでいる。
 石は川の流れにより角が取れ丸く削られていくというのを初めて聞いたのは小学校の理科の授業だっただろうか、確かに川にはぎざぎざと星のように尖りがある石はなく、みんな滑らかにぎっしり並んでいる。
 なるべく平たい石を探す、集めれば、石切り? 水切り? 名前を忘れてしまった、川面を石がぴょんぴょん跳ねていくやつができる、手を横にして、低い姿勢で投げる。
 秩父にはミューズパークもある。プールがあり、テニスコートがたくさんあり、噴水があり、桜の木がある。
 大人になってから、自分が運転する車で行った秩父は、知らない場所みたいになっていて、場所自体を知らないのではなく、場所がわたしを知らず、目的のラーメン屋がなかなか見つからなくて、やっと見つかったらすごく混んでいて、入らずに帰った。

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