5/8(日)中央競馬

【勝負レース】
・中京11R

【重賞】
・新潟11R(新潟大賞典)
・東京11R(NHKマイル)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

中京11R 自信度C

◎⑧スティクス
○⑬シゲルピンクルビー

高速馬場+インチー馬場+4角向かい風。これだけバイアス揃った上での中京12となれば基本外回される馬ノーチャンスだろう。
スティクスから狙う。戦績通り時計勝負に滅法強い馬で、対照的にタフ馬場では全くと言っていいほど走らない。その上で評価したいのは3走前5着の内容。阪神14で前半3F33.5とかなりのハイペースが刻まれた一戦。延長でこれだけのハイペース逃げとなると当然臨戦的には苦しくラスト失速。それでも重賞レベルの時計が刻まれたハイレベル戦で0.3差なら優秀な内容で、レース振りからもやはり12でこそに映る。実際ここで前受け3着のスマートクラージュが中京12でリステッドを好時計勝ちしてる点も後押しになる。
今回は内のアスタールビーが厄介なものの、他の人気勢と比較すれば恵まれる形になるのはほぼほぼ確定的。得意舞台で勝利を飾りたい。
シゲルピンクルビーは京都牝馬Sでも本命に推したように前傾質で現役トップクラスにある存在。その前走は4着も進路取りを考えれば上3頭と遜色ないパフォーマンスを見せていた。同レースは高松宮記念の記事でも触れた通りのハイレベル戦で、ここで勝ちに等しいパフォーマンスは素直に評価。枠は痛いので能力でどこまでカバーできるか。



【重賞】

新潟11R 自信度D

◎⑩ラインベック
○⑨ステラリア

メンバー見てもある程度流れが落ち着きそうな一戦。新潟外回りかつスローということで上がりを使える馬、その中でも好位取れる組から狙いたい。本命は人気薄のラインベックとした。
この馬を本命にするにあたって話したいのは血統面。この兄弟はとにかく新潟芝に滅法強く、一族全体で(3.2.1.3)となかなか驚異的な成績を残している。土曜も明らかに勝負気配の薄かったジナンボーが3着に入り血統的な適性の高さを証明した。
それを踏まえた上でラインベックの話に戻るが、同馬は4走前に新潟記念を走り5着も内容としては秀逸。同レースはイン死外差し馬場+テン負荷中緩みラップということで先行勢壊滅の一戦。実際1〜4,6〜8着を2桁通過順の馬が占めており、その中でまともに前受けして0.3差5着に残したラインベックのパフォーマンスは秀逸であった。この内容からも血統的な新潟適性の高さが読み取れる。
今回は同じ舞台でもスローかつ開幕週馬場と条件大きく好転。スローを好位から高速上がり使っての勝利は5走前とリンクする競馬で、今回はその時の再現が可能。人気はないが頭まで期待したい。
相手にはステラリアを据える。基本的に追走力は高くないのだが、前走あの大阪杯のペースを経験しての臨戦となれば横の比較である程度のポジションは取れる可能性が高い。上がり勝負がベストというタイプではないものの、3歳とは言えベゴニア賞でキングストンボーイ辺りとまともに戦えた実績から全くこなせないということもないか。さすがにマイルでの上がり勝負→2000mでの上がり勝負の方が適性は高く、総合的に考えても今回のメンバーなら勝ち負けになる水準だろう。




東京11R 自信度B

◎⑪インダストリア
○②ソネットフレーズ

3歳マイル王決定戦NHKマイル
延長ローテ、短縮ローテどっちが強いのかやどのような脚質が好ましいのかといった議論が至る所で繰り広げられているが、それよりも大枠で見るとシンプルな能力面が最も重要であることが分かる。これは3歳戦なので当然といえば当然だが。実際近年の決着を見ると上位勢がその後順当に重賞戦線で活躍しているという事実がある。能力と結果の間に乖離があったのは3年前のグランアレグリアぐらいだろう。もちろんG Iらしい速い流れに対応する必要性はあるのでドスロー上がり勝負一辺倒みたいなタイプは望ましくないが、基本的には各レースのレベル感とそこでのパフォーマンスを最重要項目として考えたい。
その中で今年の各路線のレベル感を整理すると、牡馬王道路線が最も強いと見て問題ないだろう。特に朝日杯と皐月賞は相対的に見てハイレベル戦の評価を与えることが出来る。それを踏まえた上で一つの有効な基準となるのが両レースで好走したドウデュースとの比較。
そこで浮上するのが今回本命のインダストリアとなる。同馬は前走弥生賞でドウデュースと対戦しているのだが、このレースの評価をする上でまずは前走時の見解を一部引用する。
“ただ前走初の中山でコーナリングの下手さが露呈。外回りであの形となれば、内回りの今回はほぼ間違いなく外を回す形になるだろう。今のインチー馬場で今回のメンバー相手にそれで勝ち切れるかと言うとなかなか難しく、その中で2番人気となれば多少評価は落とすべきと判断して抑えまでとした。”
上記の通り前走時は能力最上位と評価しながらもコーナリング性能の低さから差し損ねる可能性が高いと述べたインダストリア。結果としてはまさにこの見解通りの差し損ねで5着に敗れている。
ただコーナリングの下手さに加えてペース的にも不利なレースを絶対能力だけで世代最上位クラスのドウデュースと0.3差まで迫った辺りやはりポテンシャルとしては優にGI級にある同馬。そこからコーナリング性能を問われない東京に替わるとなれば単純計算ならこのメンバーでは最上位の存在と見ることができる。
実際東京での2戦の内容は破格。新馬は勝ち時計1:48.3、レース上がり33.8が記録されているが、2歳時に東京18新馬で1:48.9以内かつ34.5以内が記録されたレースはラブユアマン戦(2着ドゥラメンテ)、グレートマジシャン戦、ジオグリフ戦、ドゥラドーレス戦、サリエラ戦、そしてインダストリアが出走したモカフラワー戦の6レースしかなく、この点から優秀な水準であることが分かる。上記の中で昨年の4レースを勝手に4傑と呼んでいるが、その中で個々の馬を見た時に最も強いパフォーマンスを見せていたのがドゥラドーレス、次いでインダストリア、そして3番手がジオグリフと考えている。これについては下記のコラムで詳しく述べているので気になる方は是非一読願いたい。


新馬で2着ながら破格のパフォーマンスを見せたインダストリア。そこから同条件での連戦となった未勝利は圧倒的支持に応えて快勝を飾る訳だが、ここのパフォーマンスがまた秀逸。以下にラップを。
12.9-11.7-12.1-12.4-12.2-12.0-11.3-11.1-11.9
道中スローかつ一貫ラップが刻まれラストは高速上がりが求められた一戦。2番手追走のユイノゴトクがほぼほぼ上記ラップ通りの個別ラップを刻んでいることを考えれば普通なら後方勢ノーチャンス。これを後方2番手から直線だけで差し切った内容は文句なしで強い競馬だったと見て問題ない。ちなみにインダストリア自身はL2区間で概算だが10.1〜10.3の個別ラップを刻んでいる計算になる。これはダノンベルーガの新馬と同等レベルの脚である。
上記の通り東京2戦のパフォーマンス秀逸かつ弥生賞で世代上位の能力も証明出来ているインダストリア。ただ皆さん不安視しているのはペースが上がった際にどれだけ対応できるのかという点だろう。TLでもインダストリア本命の記事は多く見かけたが、この点を説明していない予想家が余りにも多い印象。正直ペース上がってもパフォーマンスを落とさない根拠を示せず本命と言われても全く説得力がない。
自分の記事ではこの点に明確な根拠を示したい。
一つ目の根拠は新馬→未勝利のパフォーマンス推移について。インダストリアはデビュー2戦を同じコースで走っているが、新馬→未勝利で道中のペースが1秒近く上がっている。当然の事ではあるがペースが上がれば末脚の質は落ちるのが一般的である。実際新馬戦で高速上がりを使って勝利し期待されるも、2戦目以降パッとしない馬は多い。今回の出走馬でもフォラブリューテやステルナティーアはこのタイプ。その他にもリュヌドール一族やルージュスティリアなど挙げればキリがない。しかしインダストリアはその中で上がり時計をほとんど落とさず勝利。これはペースアップに対応できる一つのエビデンスとなる。最近で言えばダノンベルーガにも通ずる特徴で、実際同馬はキャリア2戦かつ不利な競馬を強いられながら皐月賞4着と一戦級で活躍している。これが一つ目の根拠。
二つ目の根拠、というより一つ目の根拠の裏付けになるのがこの馬の血統面。同馬は兄に3年前のNHKマイルで大穴を開けたケイデンスコールがいるのだが、この馬もインダストリア同様このレース以前はスローの上がり勝負しか経験していなかった。その中で毎日杯からの短縮ペースアップ臨戦をものともせず2着に好走。その後も持続戦で重賞を制覇した辺り本来の適性に使われて真価を発揮したというのが正確なのかもしれない。そのような血統背景故、インダストリアも道中のペースが上がる点について大きな不安がない可能性は高い。これは一つ目の根拠ともリンクする。
ここまでで示した通り能力面、適性面ともに勝ちに相応しい水準にあるインダストリア。ダービー出走が叶わなかった同厩の大器の為にもGIの大舞台で快走を見せたい。
対抗にはソネットフレーズを据える。
冒頭に今年のレベル感で言えば朝日杯と皐月賞が特にハイレベルと述べた。そうなれば当然朝日杯2着のセリフォスは有力になってくるのだが、そことの比較をした際浮上するのがソネットフレーズ。この馬の評価をする為にはまずセリフォスの適性について触れる必要がある。同馬はデビューからオール連対でマイル路線の一線級を駆け抜けてきた1頭だが、その中でも最も高いパフォーマンスを見せたのは新潟2歳Sだろう。この日の新潟は内が荒れた馬場で完全な外差し傾向。その中で直線ヨーイドンの上がり勝負となっては当然通ったコースの差が如実に出るのだが、セリフォスはラチ沿いを通して上がり最速で勝利する破格のパフォーマンスを披露。破った相手もアライバルを筆頭にかなり強い相手だったので非常に優秀な内容だったことは言うまでもない。
上記の通り新潟2歳Sは究極の上がり勝負で破格のパフォーマンスを見せたセリフォス。この内容について世間では「ダイワメジャー産駒にも関わらず瞬発力勝負で走れたのは強い」と評されているが、これについては個人的に全く逆の見解。むしろフランス主流牝系から来る爆発的な瞬発力こそこの馬の真価だと考えている。それだけにむしろ評価できるのは朝日杯の内容。キャリアで最もペースが流れた中で2着を確保した辺りこの馬の地力の高さが読み取れる。
さて前置きが長くなったが、それを踏まえればソネットフレーズは相当の能力を秘めた存在だと考えることができる。前走デイリー杯はセリフォスの後塵を拝しているが、ドスローからの上がり勝負というセリフォスの適性レンジ内でタイム差なしというのは高く評価できる内容。言うならば朝日杯以上のパフォーマンスを発揮したセリフォスと互角以上の走りを見せたということは、単純計算ならこの馬も朝日杯勝ち負けレベルの能力水準にあるとも取れる。実際着差が付きにくいスローペースで後続0.3差を付けた点が2頭の強さを物語っているだろう。この内容からも能力的には十分勝ち負けできる1頭と考えられる。
そこから今回は東京の持続戦替わりとなるが、ソネットフレーズは近親にドゥラメンテ、アドマイヤセプター、ボーデンなどがいる血統からペースが上がってこそ真価を発揮する可能性が高い。実際新馬では開幕終盤の時計が掛かる馬場で1000m通過59.4と流れたレースをまともに前受けしながら上がり最速で圧勝する破格のパフォーマンスを見せており、この点からもペースアップ歓迎の口だろう。
今回は中間の頓挫で予定外のぶっつけとなった点から状態面が最大の焦点だが、追い切り内容自体はCWで自己ベストを大きく更新しているように極端に悪くはないのでそこまで不安視する必要はないのではないか。
TL人気が懸念されていた割にオッズも落ち着いた印象で、これなら馬券的にも狙いが立つ。手塚厩舎の連覇、そしてキャロット×武史復活の勝利も十分に考えられるだろう。

人気所の見解についてだが、1番人気セリフォスは総合力で言えば最上位も、前述の通り今回の舞台でソネットフレーズがまともに走れば逆転される公算が高い。実際朝日杯は苦手なペースでも好走したとは言え、中盤が緩んだ分血統の適性的にはギリギリこなせる範囲であった。今回は中盤がほとんど緩まない東京マイルの持続戦ということでさらに苦手な流れになる可能性が高い。1番人気となれば期待値的にも嫌いたい。

3番人気マテンロウオリオンは戦ってきたレースのレベル感的に朝日杯などの王道組からは一枚落ちる印象。実際時計的な裏付けも少なく、また同じく左回りの持続戦となったシンザン記念はラップとバイアスを考えればソリタリオの方が強い内容。少なくとも3番人気で買いたい馬ではない。

4番人気ダノンスコーピオンは牝系にサドラーが入る血統から高速馬場ベストというタイプではないか。それ故朝日杯との比較で今回パフォーマンスを落とす可能性が高く、セリフォスはもちろん当時大きく先着したプルパレイなどにも先着される可能性がある。「前走32秒台で勝利しただろ!」という意見もありそうだが、レベル感的に劣る桜花賞と同水準というのをどこまで評価すべきかという話にもなる。アーリントンCは前哨戦とはいえペース流れていたので時計面で言えば単純に桜花賞と同等レベルの評価になる。
また使える脚が長くないだけに東京で大外というのは明確な減点材料でもある。

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