4/17(日)中央競馬

【勝負レース】
・福島11R

【重賞】
・阪神11R(アンタレスS)
・中山11R(皐月賞)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

福島11R 自信度C

◎⑫ワールドリバイバル
○⑬ウインイクシード
▲②シュヴァリエローズ
△①プレシャスブルー

開幕週らしくイン前が恵まれていた土曜福島。雨の影響が残る馬場で1日競馬が行われたことで日曜は多少外も使えるようになるだろうが、それでも基本的には傾向が変わることはないだろう。
今回のレースが行われる福島20という条件についてだが、このコースは下りスタート+初角まで500mある設定からテンは速くなりやすい。そこから道中も緩むことなく推移し前傾質のレースになりやすい。
馬場バイアスとコース形態、そして能力面からワールドリバイバルを本命に指名する。ここはようやく狙える条件と相手関係になったタイミングだろう。
内回り・小回りで高いパフォーマンスを見せてきた同馬。条件戦時代まで説明すると余りに長くなってしまうのでここでは重賞の所見を。
スプリングSはタフなペースでの逃げ+イン死馬場で直線ラチ沿いと厳しい競馬。その中でアサマノイタズラや当時はまだ強かったヴィクティファルスと0.7差にまとめる優秀なパフォーマンス。
皐月賞は過去に詳細な回顧を行なっているので詳しくは以下の記事をご覧頂きたい。

簡潔にまとめると、同レースは先行勢とイン突き組に不利な一戦であり、その両方に該当するエフフォーリア、タイトルホルダー、ワールドリバイバルが最も厳しい競馬であった。さすがにその形で1,2着のエフフォーリア、タイトルホルダーは別格だが、この馬自身も不利な競馬の中で今回人気を背負うシュヴァリエローズとタイム差なしで走れているところから一定の評価はできる。
この皐月賞の内容が優秀だったことを証明したのが次戦のラジオNIKKEI賞。このレースはイン前有利のバイアスに恵まれた側面はあるものの、稍重の福島18で1000m通過60.7とそこまで楽じゃないペースを前受けして2着確保した内容は評価できるし、シュヴァリエローズには0.5差をつける完勝なので好内容と捉えて問題ないだろう。
その後3戦はセントライト、中山記念が完全差し向きの流れをまともに前受けしており情状酌量の余地あり、菊花賞は中途半端に控える形で全くレースになっていないので度外視可能。
今回は前述の通りイン前が恵まるバイアスに加え、近走比では格段に同型が手薄になるメンバー。初角までの距離が長いこの条件なら外枠でも楽にハナを奪えるはずで、自分の型で運べる可能性は極めて高い。大幅相手弱化+条件ドンピシャにも関わらず近走の大敗でオッズが甘くなりそうなここは絶好の狙い目だろう。
対抗にはウインイクシードを。実績を見ても小回り前傾戦での打点ならここでは1枚上の存在。イン前が強い馬場で外枠と一見すると悪い並びにも見えるが、メンバーを見ても内にこの馬より速い馬がほとんどおらず、楽にワールドリバイバルの2番手を取れそう。この馬自身のキャラを考えても外枠がベターだけに、この並びなら崩れるシーンは考えづらいか。
3番手にはシュヴァリエローズを。この馬は内回りベストというタイプではないものの、ラジオNIKKEI賞の走りなどからこのメンバーと枠並びならインベタで無難に好走してきそう。
最後に爆弾としてプレシャスブルーを。脚質的に展開の助けが必要なタイプだけに前傾戦になりやすい福島20は悪くない条件だろう。近走もなかなか優秀な走りが続いている同馬。特に今回と同条件で行われた七夕賞では外回し全滅の馬場状態で大外ぶん回して0.3差5着。同じく外回したヴァンケドミンゴ、クレッシェンドラヴ辺りが沈む中でラストまでしぶとく伸びた内容はかなり見応えがあった。今の馬場的に積極的には狙いにくいが、人気しないようなら抑えておきたい。


【重賞】

阪神11R 自信度C

◎⑦アルーブルト
○⑯オーヴェルニュ
▲⑬グロリアムンディ
△⑧オメガパフューム

実績馬vs4歳上がり馬の構図。ここは4歳馬でもオッズが甘くなりそうなアルーブルトを狙う。
近走は総じて好内容なのだが、その中でも特に取り上げたいのは3走前雅Sのパフォーマンス。同レースは1:50.9という勝ち時計が記録されているが、過去に良馬場中京18で1:50.9以内を記録したレースは18例で、そこの勝ち馬のうち12頭がGI制覇と価値ある水準であることが分かる。しかも同レースは後半4F も49.9でまとめられており、極端なハイペースで副次的に記録された時計でないのも強調材料。
今回はそこの勝ち馬グロリアムンディも出走するが、阪神替わりという点からアルーブルトを上に取る。中京18と阪神18ではコース形態上後者の方がタフなレースになりやすく、求められる適性としては全く異なる(前者がギアチェンジ、後者が持続)。アルーブルトは戦績からも分かりやすく阪神>中京のタイプだけに苦手な中京でこれだけ高いパフォーマンスを見せたのは素直に評価できる。
当然中京でこれだけ高いパフォーマンスを見せたとなれば阪神戻りなら勝ち負け必至で、2走前はその通りの快勝。
この特徴を踏まえた上で同馬の更なる成長を感じたいのが前走。この時は苦手な中京に加えて馬場まで高速化する最悪の条件。同馬は良馬場(4.3.1.0)に対して稍重以上で(0.1.0.3)と分かりやすく馬場が渋るとパフォーマンスを落とすタイプだけにこの時の馬場はマイナスでしかなかった。加えてレース自体もスローで前が恵まれる展開。その中で同馬は差し+自慢の持続力活かせないインアウトの競馬と大敗してもおかしくない形。その中でも0.6差でまとめた内容は優秀で、この辺りから同馬の成長を感じた。
そこから今回は阪神良馬場替わりと条件的には大きく好転。雅Sの打点と前走の成長、そして得意条件なら今回のメンバーでも一発を期待できる。
対抗にはオーヴェルニュを。今回はメンバーと枠並びからほぼほぼ前半は早くなるだろう。この馬は説明不要の前傾戦巧者でそのような展開なら重賞でも高い打点を見せ続けている。この馬も持続力活かしたいタイプだけに大外枠というのは大きなプラス。3走前は同条件で大敗しているが、これはインで窮屈になってこの馬の良さ全て消しているので度外視可能。並びから何から恵まれそうなここなら無難に走るのではないか。
単穴には前述の雅S評価してグロリアムンディ。阪神に替わった時のプラス幅でアルーブルトを本命に取ったが、この馬自身も阪神替わりは特にマイナスではないので当然評価。
あとは絶対能力評価でオメガパフューム。帝王賞まで2ヶ月半の間隔が空くことを考えればここもある程度取りに来るだろうし、実際追い切りも際立って良い訳ではないがある程度仕上がっている。



中山11R 自信度B

◎⑭ジオグリフ
○⑱イクイノックス
▲⑫ドウデュース

牡馬クラシック第一弾・皐月賞。
別路線から合間見える4強が人気の中心となっている実に興味深い一戦だろう。

予想の入口だが、近年の皐月賞のトレンドとしてマイル戦やそれに近い条件の経験値というものがある。ステラヴェローチェやサリオスといったマイル実績組の好走は記憶に新しいところだろう。
特に高速馬場での開催となればその傾向は顕著で、近年でも好走馬の殆どが上記のトレンドに該当していた。それをまとめたのが以下の表。これは馬場改修後の中山で勝ち時計が1:59.0を切った年の好走馬と戦前の実績である。

馬場改修後の中山で1:59.0を切った皐月賞好走馬一覧

これを見ても分かる通り、上記の条件を満たしていなかったのはキタサンブラックのみで、それ以外は全頭がマイル戦ないし18での高速決着に対応したという実績があった。
このような事象が起きる要因として、ペース経験値の有無が関係していると考えられる。
皐月賞はクラシック1冠目ということもあり当然トライアルと比較しても前半〜中盤のペースは速くなる。それ故前哨戦特有の上がり勝負で強い競馬をしていたとしても、一気にペースが上がる本番で凡走するパターンが往々にして存在するのだ。そこを補うのがマイル的なタフなペースでの経験値である。
今年は外に逃げたいデシエルトとビーアストニッシド、武史騎乗でこの枠なら早めに前を潰しに行きそうなキラーアビリティが入り、例年通りペースは速くなると見て問題ないだろう。
さらに高速馬場となればそもそも本来の距離より短いところに適性のあるタイプが優位になりやすい。先週の阪神で行われた2重賞がまさにその典型例で、阪神牝馬は12を使っていたメイショウミモザが1着、桜花賞は14重賞実績のあった2頭が2,3着と好走した。
中山の馬場は先週日曜メインのリステッドでレコードに0.1秒差まで迫る時計が記録されたように文句無しの高速馬場。週中の雨の影響が不安視されているが、そもそもの路盤が硬くなっているので大した影響は及ぼさない可能性が高い。高速決着を想定して組み立てる。

ここまででもだいぶ前置きが長くなっているが、もう少しだけ前提条件に付いて話させて頂きたい。
前述の通り高速馬場かつペース経験値という観点からマイル実績組優位と話したが、その中で注意すべきポイントが2点ある。
1点目はマイル実績=マイラーを狙うという図式が成り立たないということ。
ここまで再三マイル実績が重要という話をしたが、その一方で純正マイラーが苦戦傾向にあるのもまた事実。アドマイヤマーズ、リオンディーズ、エアスピネル、サトノアレスといった朝日杯好走組が馬券に絡めなかったのはその最たる例だろう。対して前出の表に示した馬たちはその後例外なく2000m以上のGI、ないしG IIで連対を果たしている。つまりここで真に狙うべきは「マイル戦的なレースの経験を詰んだ本質中距離馬」ということになる。
2点目は内回りでの持続的な末脚を持っている必要があるということ。皐月賞は中山内回りという舞台設定故、どうしても外回りのマイル戦とは異なり4〜5Fの持続的な末脚が求められる。特に今の中山は時計こそ速いものの外が伸びる馬場状態であり、上記能力の必要性がより増すと考えられる。
つまり今回求められる要素をまとめると①マイルないしそれに近い条件の経験②本質的に中距離寄りである資質③内回りでの持続的な末脚の3点となる。これに絶対能力を加味して予想を組み立てる。

今年の出走馬でその特徴に最も合致するのはジオグリフだろう。上記の3点について確認して行く。
まず1点目のマイル経験についてだが、これについてはG Iという最も大きい舞台で速い流れを経験しているのでもちろんクリア。ちなみにここで5着に敗れた点については後ほど述べるので一旦置いておく。
順番が前後するが、次に2点目の持続的な末脚について。これは札幌2歳Sの内容を見るのが一番分かりやすいか。以下にラップを。
12.6-11.9-11.9-11.9-12.0-12.0-12.2-12.1-12.5
テン〜ラストまでほぼ一定のペースで推移する美しい持続ラップが刻まれた一戦。ジオグリフはこの流れを残り800mから4角までの間に馬なりで10馬身近く差を詰める驚異的なロングスパートを披露。ラストもほぼ追わずに0.7秒差をつける圧巻のパフォーマンスであった。上がり36.1は2位に0.4差だが、L4から動いていたことを踏まえれば字面以上に優秀な内容であることは言うまでもない。この走りから2点目の持続的な末脚についてもクリア。
最後に3点目の中距離資質についてだが、これは血統面から推察することが可能。この馬は名牝アロマティコを母に持つ血統だが、同牝系は完全に中長距離の一族。アロマティコは秋華賞、エリザベス女王と中距離GIで好走した一方、VMでは大敗。その子ども、つまりジオグリフの兄弟はアルビージャ、コパカティとともに2000m前後で活躍している。さらに牝系を辿ると、エンプレス杯やブリーダーズGCを制したアンデスクイーン、ダービー2着のインティライミ、極め付けはステイヤーズSを3連覇したアルバートまで輩出されており、明らかにマイラー血統でないことが分かる。実際ジオグリフ自身も札幌のパフォーマンスなどから本質的には中距離馬である可能性が高い。ということで3点目の中距離資質についてもクリア。

ここまでは今年の皐月賞で求められる資質を持ち合わせているかについて見てきた。ただこれだけだと肝心の能力が足りているか否かの根拠が薄い。ということで最後に敗れた2戦についての所見を述べて行く。
まず2走前朝日杯についてだが、これは前述の通り血統面から明らかにマイルが適性外だったというのが全て。実際レースを見ても道中は実質最後方に置かれる形で全く追走できていない。それでも上がり最速で掲示板まで追い込んだのは高い能力の表れだろう。
結果だけ見れば明らかなレース選択ミスだった訳だが、これが先に繋がる一戦になったのもまた事実。その一端を垣間見ることができたのが前走の共同通信杯。ジオグリフはこのレースで好スタートを切ると促す事もなく先頭集団に取り付くテンのスピードを披露。何ならルメールが抑えるだけの行きっぷりを見せており、マイルGIを経験したことで明らかに前半のスピード値が上がっていた。
上記の通りこの牝系は完全に中長距離の一族なのだが、その中には若い頃にマイル以下の距離でスピード値を鍛えた後に中距離で活躍した馬も多く存在する。例えばアンデスクイーンはデビュー〜7戦目まで1400m以下を使われた後に中距離へと距離を伸ばして開花し、2000m以上の交流重賞を2勝した。またジオグリフの母であるアロマティコも1400mで勝ち上がったがその後距離を伸ばして中距離GIで活躍。そして娘(ジオグリフの姉)であるコパカティもデビューから4戦目までマイル以下を使ってスピードを強化した後に中距離で連勝を飾った。
ジオグリフもマイルG Iのペースを経験した後に共同通信杯でテンのスピードが大幅に上がっており、同牝系の成功パターンを準えていると見て問題ないだろう。
その共同通信杯は2着に敗れているが、この時は賞金が足りていることもあって明らかに叩き仕上げだったので情状酌量の余地あり。それは中間の調整過程を見ても明らかで、朝日杯時は坂路、南Wでそれぞれ3本ずつ時計を出していたのに対し、共同通信杯時は各2本ずつと本数が少ない。加えて1週前、当週ともに1段階時計が落ちており(正確には意図的に落としていた)、朝日杯以下の状態であったことは明白。その中で57kgを背負って2着確保なら前哨戦としては文句なしの内容だろう。
今回は朝日杯時と同じく中間に坂路、南Wでそれぞれ3本ずつ時計を出しており、状態としてはほぼ間違いなく前走以上を期待できる。
4強の影に隠れた人気になりそうだが、元々はダービー確勝とまで騒がれた同馬。そのダービーで話題の中心となるべく、まずは「最も速い馬が勝つ」皐月賞を手中に収める。

対抗には大器イクイノックスを据える。
マイル実績こそないものの、2戦続けて1800m戦で好時計を記録している同馬。特に前走の1:46.2は既出の表で示した過去の皐月賞好走馬の戦前実績と比較しても遜色ないどころかそれらを遥かに凌駕する水準。さらに驚くべきはその時計を記録しながら上がり32.9の末脚を使っている点。今回のメンバーで条件や適性を取っ払った時に最も高い打点を見せているのが同馬であることに疑いの余地はないだろう。
また持続的な末脚についても、今回と条件はだいぶ異なるが新馬戦で証明済み。同レースは開催6週目の新潟で1000m通過60.5と新馬戦にしては前半から流れたのだが、イクイノックスはこの流れを前受けして2位に0.5差をつける上がり34.5を記録する破格のパフォーマンス。サークルオブライフやサトノヘリオスを1秒以上千切る圧巻の走りであった。

能力面についてはもはや疑いの余地がない同馬だが、おそらく多くの方が気にしているのは初の右回り&内回り替わりという点だろう。ここについては走ったことがないので憶測にはなってしまうのだが、血統面からはそこまで大きな問題にはならないのではないか。
同馬の母シャトーブランュは現役時代に阪神内回りで重賞を制覇。しかも中距離内回りに滅法強いマリアライトを同斤量で破っての勝利なのでその価値は高い。また兄のヴァイスメテオールは福島18のラジオNIKKEI賞を勝利しており、少なくとも血統面から見れば内回りが全く駄目という可能性は低いと考えられる。
世間的に不安視されているキタサンブラック産駒の中山不振データに関してはそもそもの母数が少ないのに加え、同馬の父であるブラックタイドが中山巧者の産駒を多数輩出している点から特段問題視する必要はないだろう。
先に述べた展開面と馬場傾向からこの枠が嵌まる可能性も高く、能力面と合わせても高い評価を付けたい。

3番手には2歳王者ドウデュースを据える。
今回のテーマであるマイル実績で言えば当然メンバー最上位の同馬。加えて同条件の弥生賞で大きな不利がありながらタイム差なしの2着と既にコース実績がある点から死角は極めて少ない。
ただこの馬に関しては適性がマイルに寄り過ぎている感は否めないか。前述の通りこのレースはマイル実績=マイラー狙いという図式が成り立たない。過去にアドマイヤマーズやリオンディーズが敗れた事実を重く受け止めて3番手までとした。


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