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オンチの夢 4

昔々、あるところにオンチがいた。

オンチはセッション目指して、自主練していた。

オンチにとっては会話もセッション。

会話に流れる見えないメロディ。

それを聴く。

オンチはHSPで人より敏感なところがある。

胸をまどわせる刺さるような動揺。

それを無視していた。

邪魔なものだと排除していた。

その響きを感じる。

そこから人とつながれるから。

かき乱される感情。

その波形を感じると、自分と人がわかる。

だとすると、HSPであることは、ギフトなんだ。

会話するとき、響きに【なる】ようにしてみた。

響きを共鳴させることは、感情の共有。

オンチが揺れるとき、相手も揺れている。

「オンチ、〇〇だよね」

メロディが聴こえる。

……△□、言葉に他の意味が含まれている。

多重奏で、いくつもの意味を伝えている。

響きには、幾層にも重なる情報がある。

オンチは、メロディを聴けた。

たしかな手応えを感じた。

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