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見逃したライブ/柳ジョージ


(以下敬称略)

これを「見逃した」っていうのか
ちょっと微妙だけど。

浪人して予備校通ってるとき。

地元(地方)の会館に高中正義が来るので
チケットを買いにプレイガイドに行った。
(ネットが無い時代の話。)

お店の人が
「よかったらこれ観に行ってください。」と言って
柳ジョージのチケットを1枚くれた。

(タダで。)

コンサートはその週の土曜か日曜だったけど
売れてなかったんだね。

こういうの昔はよくありました。

地方の呼び屋(興行主)は
公演の会場がスカスカだと
読んだ歌手やタレントのメンツが立たない。

そのうえ
次の興行にも影響があるので
損をしても(タダでチケット配っても)
ある程度席を埋めたいんだとか。

これは真偽不明の笑い(?)話なんだけど。

某新御三家のひとりのコンサート。
(誰だよ。)

公演間近になってもチケットが全然売れず。

呼び屋のスタッフが人通りが多いところで
タダのチケットを配ったんだけど
もらった人はすぐ道路に捨てちゃって。

(タダでも観たくないってことか。)

公演の当日。

オープニング曲の前奏が始まって
緞帳(昔はあったんですよ。)がスルスル上がって
某新御三家歌手(しつこいって)が
マイク片手にステージに出てきたら。

2000人キャパの会場に
客が10人くらいしかいなかった。。。

ステージの上は
バンドやコーラスで客と同じくらいの人数が。

悲惨、という話。

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わたしはそのもらった柳ジョージのチケットを
同じ予備校に通うA君にあげた。

(もちろんタダで。)

コンサートの翌日
A君が
「コンサートすごくよかった。
チケットありがとう。」と言った。

そのときは特に残念ではなかった。

「へぇそうだったんだ。
それはよかったね。」という感じ。

高中が地方のホールを満員にしてる頃
柳ジョージはフュージョンに夢中だったわたしの
関心の外にあったから。

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Hotwaxのバックナンバーとか読みながら
今しみじみと思う。

「観とけばよかった。」

柳ジョージは63歳で亡くなった。

存命なら70台の半ば。

ブルース・ギタリストに定年は無いと思う。

(山下達郎がこれをもっと気の利いた言い方で
表現してたけど忘れた。)

この世を去る瞬間まで
彼はブルースできる。

「ピロピロ」と
誰も聴いちゃいない音符の山を
無駄に積み重ねる
「スーパーギタリスト」とは違うのだから。

ほどよいキャパのステージで
好きな酒を(あくまでもチビチビ控え目に)やりながら
ストラト(ブラウニーっぽいヤツかな)で
クイッとチョーキングする姿を
いま見てみたい。

※ネットにある岩田由記夫の記事が秀逸。

※ちなみにそのときの高中のライブは
「虹伝説」直後。

地方の会場も満員にするほど
人気絶頂でした。


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