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女子高生

松戸の女子高生2名が飛び降りた事件
live配信動画を見た。

過去に国内外含めて
こういうlive配信は何度かみてきた。

だいたいが1人で、
静かにこの世にさようならをする。


2人はずっと”女子高生”だった。

1人は「怖い」「怖いよ」と
泣きながら何度も言っていた。

2人で手を取り合って、
何度も何かを確認していた。


「ごめんなさい」と何度も言っていた。



<「怖い」を数回しか言わなかった>
ともう1人に対して批判する人もいた。


<道連れにされた><かわいそう>
と見る人がいるようだ。


「怖い」を数回だけ言っていた子
は呼吸が苦しそうに見えた。

恐怖の中にいるときに、
声が出る人と出ない人がいるのに。

お前らにその子の何がわかるというのか。
ちなみに私はわからない。



彼女たちのTwitterを見たが、
片方の子の白く綺麗な腕は傷だらけだった。

現世を離れる瞬間の動画なんて、
親の気持ちを考えると心臓が抉られるようだったが、そんな娘の傷に気づいていたのかいないのか…真相はわからない。

心が優しい人は自分を犠牲にするんだと
改めて考えさせられる。

女子高生2人は、
Twitterに残る写真で笑っていた。


そんな2人を見て
とある女の子のことを思い出した。

中高生のころ、自傷行為をする人が大勢いるコミュニティに属していた。


自傷行為の理由は様々だったので、
「こういう場合に自傷行為に走る」
とは言えないと学んだ。

その子とは1度しか話したことがないけど
彼女が話していた事、話している時の顔・仕草は今でも鮮明に思い出せる。

”何かあれば絶対助けに来てくれる子”
”話をいつまでも聞いてくれる子”
”つらい時にずっとそばにいてくれる子”

そう聞いていた。

実際にあった彼女は
怖いくらい印象的な子だった。
冬の朝みたいな子だった。

綺麗な黒髪ボブで、ピアスがたくさん空いていて
いいなぁと思うほど白く透き通った肌と華奢な体系。

ピアニッシモという細いタバコを吸う手は
綺麗な赤いマニュキュアが塗られていて。

タバコを軽く加えたまま煙を吐くと、一瞬時が止まったかのように遠くを見つめる子だった。


「あ、これ?理由かぁ…なんだろ。リスカってかっこいいじゃん?」

「生きているのも、死ぬのも怖い。天秤にかけてみると生きるほうが何倍も怖い気がする。でも生きていたい。」

「自分から死ぬ瞬間ってどういう気持ちなんだろうね。怖いのかな?生きることより怖いのかな?」

「自分で選んだ道を怖いと思うってどういう感じなんだろうね」

「1人は好きなんだけど、”あ、私今1人で生きているんだ”って思っちゃうと怖くなる」

「死なないでって言う人いるじゃん?大嫌い。死ぬんじゃなくて生きるんだよ!!」


数週間後、彼女は寒い寒い冬の明け方に
この世に別れを告げた。


彼女が”生きること”を選んだというのを知ったのは、もうすぐ夏だなーという時だった。

冬の朝みたいな子だったので、
元の姿に戻ったんだ、と思った。


思い返すと、たっだ1度の会話でこれだけのSOSが出ていたのに、当時の私は彼女のSOSに気づくことはできなかった。


「死ぬんじゃなくて生きるんだよ!!」


という彼女の言葉は
私の死生観に大きな影響を与えた。

彼女は”生きること”を選んだ。
現に彼女は生きた。

女子高生2人も生きたんだと思う。


輪廻転生というものが本当にあるのであれば、
来世で彼女たちがあほみたいに笑い転げて、
生きるって何だろう?死ぬってなんだろう?と深く考えず、私のように人の気持ちに敏感に寄り添わず、優しくない性格でこの世を謳歌できるといいな。


あの世というものがあるなら、
「え、まってwあの世最高なんだけどw」
って自撮りして笑ってるといいな。


ご冥福をお祈り申し上げます。






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