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⭐️日々の診療から  無駄な医療費を支払わないためにどうすればよいか⭐️

将来の日本の医療財政は極めて厳しいという事実はすでにご存じかと思います。

医療費はどんな風に使われているのでしょうか。

国民医療費の分配を見ると、
半分以上が病院、クリニックに19%、
調剤薬局に17%強使われています。
さらに病院では人件費が47%を占めます。

将来、日本の生涯労働人口が2/3以下に減少する中、医療の需要は増える傍ら国民の税収は減少しますので、 医療に投じる税金も減少してゆく可能性が高いです。
すると国は世界一病床数が多いということを盾に、医療費削減のため、人件費のかかる病院の数を減らす動きが加速すると予想されます。
この動きはすでに始まっており、いわゆる寝たきり老人が入院している介護療養病床にメスが入れられました。
介護療養病床をゼロにする方針が決まった当初は需要があるのだから実行するのはまず困難だろうと言われていました。
しかし、現在、介護療養病床は12万床から1万床まで減少しています。 2022年の診療報酬改定で大病院に受診する初診料、再診料が引き上げられました。
改定前は紹介料を持たずに大病院を受診すると特別料金として初診で5000円、再診で2500円でしたが、 改定後は初診は7000円、再診は3000円に引き上げられました。

この負担増は何を意味するのでしょうか。

結論から申しますと、病院への受診控えをさせ、病院に新患が来なくし、病院を潰して減らすということです。

国は徐々に病院からクリニックに、入院診療から在宅診療へ移行を図っているのです。
さらに、2022年リフィル処方箋も認められました。

リフィル処方箋は、症状が安定している患者さまに対して、医師がリフィルによる処方が可能と判断した場合に、処方箋の「リフィル可」欄にレ点を記入し発行される繰り返し使用できる処方箋です。リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までとなっていますが、新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬など一部のお薬は処方ができません。

引用:日本調剤

一度クリニックに受診してリフィル処方箋をもらえれば、二度目、三度目はクリニックを受診することなく 薬局で薬をもらえるようになりました。
これまでは3度受診していたのが1度で済むわけですから、当然クリニックとしては再診患者さんが減少します。
また、零売薬局、つまり過去受診歴があれば、処方箋がなくても薬をもらえるという制度も導入されました。
医薬品1万5000種類のうち7500種類程度が処方箋なしで購入できますが、費用は10割負担となります。
目下軽度の慢性疾患や定期処方の患者さん、所得が高く時間のない患者層に浸透しそうな制度ですが、 徐々に薬の保険外しは始まっていると考えた方がよいと思います。

まとめますと、国から医療に投じる税金が減り、病院はある程度潰れ、医師は病院勤務ができなくなり開業するようになります。
一方、患者さんも病院ではなく、クリニック受診が増えるようになると予測されます。
そこでもリフィル処方箋や零売薬局などで再診患者さんの数が減り、クリニックの経営が極めて厳しくなり、 収益を上げるために、あの手、この手で自費の検査や診療をオプションで勧めてくる可能性が高くなるということです。
ついつい病気かもしれないと弱気になっているときに検査などを進められれば、受けてしまい、 後に多額の費用を支払わざるを得なくなるような事態になりかねません。
前提として、基本的に主治医を信じていただきたいし、しっかり相談していただきたいのですが、 皆さんに邪道かもしれませんがお勧めしたい方法があります。
「開業で成功する方法」のような本を1冊読み、クリニック経営の裏事情を探っておくのも一つの手かと思います。
そして、保険適応なのか、保険適応外なのか、保険適応外のものを勧められた時には、なかなか言い出しづらいかもしれませんが あらかじめ値段を確認することが大事であると思うのです。

ご参考になれば幸いです。


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