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女子サッカー選手に質問してみた〜鮫島彩選手〜

女子サッカー選手に3つの質問をして、私たち選手の本音をお届けするこの企画。
第二回目は鮫島彩選手です!

鮫島彩(さめしまあや)
1987年6月16日生まれ。栃木県出身。
現在は大宮アルディージャVENTUSに所属。
なでしこジャパン(女子サッカー日本代表)には、2008年に初招集されており、なでしこジャパンが優勝した2011年のドイツW杯も経験。

1、一番サッカーを好きだなと思う瞬間はいつですか?

“試合に勝って美味しいお酒を飲んでいるとき”
って書こうとしたら、
『ふざけすぎっすよ、ダメっすよ。笑』
と同郷の後輩イノ(#9井上綾香)に却下された。
サッカーが好きなのかお酒が好きなのか分からない。っつって(笑)

サッカーに感じる醍醐味はきっと人それぞれ。
結果を出せたとき、成長を感じられたとき、自分のイメージ通りにプレーができたとき、強い相手と対戦しているとき…etc。
私がサッカーを1番好きだと感じる瞬間は、おそらくどれも当てはまらない。

今はプロとして結果を出さなければならない世界にいて、私自身もそれを求めているけれど、サッカーをやる上で常に心の中でひっそ〜りと大事にしていることは小さい頃から一切ブレない。

この選手のためならどんだけでも走りたい!
少しでもみんなの役に立ちたい!

と思える仲間とサッカーをしているときが、最高に楽しい。

極端に言ったら、個の能力が高くて協力し合わずとも優位に試合を進められるような展開よりも、格上のチーム相手に防戦一方だけど全員がチームのために走り、身体を張って必死に守る、例えミスが起こってもミスしたことを責めるのではなく、それをみんなで全力でカバーし合う。
そんなサッカーの方が楽しいと感じる。たぶん少数派(笑)

“チーム”って本当に面白い。
必ずしも1+1=2になるわけじゃないから。
チーム造りによっては1+1を3にも4にもそれ以上にもできることがある。
それぞれの強みを最大限に活かせたり、不得手な部分を補い合えたら、チーム力はいくらでも大きくなるはず。

逆にいうと1+1=マイナスになることもあると思う。
強くて上手い選手を集めても必ずしも勝てるチームになるというわけではない。
ドラゴンボールでいうと、フュージョンみたいなね!
ゴテンクスだって、指がズレてたり、息がピッタリ合ってなかったら、強くなるどころか驚くほど弱くなってたみたいに。
…違うかー(笑)

私が現在所属している大宮アルディージャVENTUS(ベントス)では、プレーについて選手同士で話合いをするときに、年齢・経験を問わずにどの選手も必ず『自分がもっとこうすれば良かったよね』『自分がもう少しこう対応できそう』というような言葉がまず出てくる。
相手にもっとこうして欲しいと要求をするだけでなく、お互いにまず自分があの時に何をもっと修正できたのか、チームを良くするには自分がどう変わればいいか、から会話が始まる。
だからこそ、伸び代が無限にあると思う。
ときには強く要求し合うことも強いチームになるためには必要になってくると思うが、私はやっぱりこういうチームが好きだ。

だから今、本当にサッカーが楽しい。

今年立ち上がった新規チームが故、まだ出逢ったばかりでやっとそれぞれの特徴を掴めてきたところ。
まだまだ未熟な部分が多いけれど、でもいつか最強のゴジータになれる日が来ると信じて頑張れる。
そんなメンバーが揃っているチームだと心からそう思う。
ドラゴンボールネタしつこ(笑)


2、日本の女子サッカーの良さと課題はどんな点だと思いますか?

“良さ“はとにかく技術の高さ
私は残念ながら人様に誇れるほどの技術は全く持ち合わせていないので説得力に欠けるかもしれないけれど、日本の選手はボールを持ったときの足元の技術が非常に優れていると思う。
その技術力に加えて、強みだと思うのが動きの“繊細さ”や“器用さ”。
ボールを受ける前に相手DFと緻密な駆け引きをして、自分たちよりも速い相手強い相手の逆をつく動きができる。
ビルドアップの際にも、味方が助かる気の利いた立ち位置且つ敵の嫌がる絶妙なポジション取りができる。
守備時には徹底したカバーリング意識を持っている。
日本の選手の細かな動き直しや、気の利いたポジション取りは独特のものであり、これらの要素は日本のチーム力・組織力を強固なものにしている要因の一つではないかと思う。

“課題”に関しては、前回のnoteで熊谷紗希が言っていたことと全く同じだ。コピペしたいくらい。コピペしていいかな。
『ね〜いいけどさ〜!さめちゃんちゃんと自分で書きなよ〜!』ってガチャガチャワチャワチャと怒られそうだからやめとこう。紗希うるさい。
文字に起こしただけで紗希はうるさい(笑)

なでしこがW杯で優勝した約10年前と比べて、身体能力がずば抜けてる選手の数が世界各国に確実に増えた。

昔、フランス代表と対戦したときにトミスという速い選手がいた。それはもうとてつもなく速い。
どのくらい速いかって、マリカーでキノコのアイテムをGETした人かのような。あの無双状態はもはやスターをゲットしたかのような。
スピードで一気にぶち抜かれる、そんな衝撃。
ハーフライン辺りでボールを持ったトミスとマッチアップをした際に、縦にスピードで突破されないよう中へ中へと誘導したら、2秒後くらいには逆サイドのコーナー付近までドリブルしていた。トミスの遠くなった背中を見ながら『近賀さん、Good luck…(゚∀゚)』と思った記憶がある。

どう頑張ったって単純なスピードでは絶対に勝てない、そんなスーパースペシャル速い選手は10年前だとW杯出場国すべての中で2.3人だったのが、今や各国に4.5人はいるレベル。
単純にスプリントの速さだけで考えたら、どれだけトレーニングを積もうとこの差を完全に埋めるには限界があるかもしれない。
けれど、スピードというのはそれだけではない。
走り出しのスピード、止まるスピード、ターンのスピード、予測のスピード、判断のスピード…これらは日本人である私たちにもいくらでも向上させられるはず。

ただ、欧州は近年女子サッカーに莫大な投資をして力を入れているから、今後そのような選手たちがさらに多く発掘され育ち、私たちの脅威となっていくはず。
加えて技術力&組織力も10年前より格段に上がっていて、もはや鬼に金棒状態。

このスピードやフィジカルコンタクトに関する世界との『差』に“どう”対応していくかは、私たちの課題だと思う。

3、今後サッカー以外で頑張っていきたいことは何ですか?

①英語
②パソコンスキル習得
③着付け
④LINEの返信
⑤埼玉の美味しい地酒を見つける
⑥ファンの方とコミュニケーションを取る為のオンラインサロンの実施
⑦大学院へ通う

さて、どれでしょう!?

次回の選手に向けて

次回は日テレ・東京ヴェルディベレーザの清水梨紗選手にバトンを渡しました!
同じポジションということもあり、代表合宿のときにもよく一緒にお喋りしてくれる、ぶりぶりぶりっ子梨紗ちゃん♡
サイドバッグとして、あの献身的な運動量は脱帽です。
梨紗はオーバーラップするとき全部下り坂に感じてるそうで。
どうりであんなに軽そうに走れるわけだ!
こっちは毎回心臓破りの登り坂に見えてるってのに(笑)
大宮戦はオーバーラップ控えめにしてね♡
WEリーグでも梨紗の積極的なオーバーラップに皆さんご注目!!

次回は清水梨紗選手に質問します。
お楽しみに!


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