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気の向くままに少々酒を飲む。川の流れのようにいつまでも

6月3日(水)気持ちよく晴れ。今日の大人の下山部は掬星台〜地蔵谷〜市ケ原〜太子道。行きのロープウェーでカフェのS店長から「こういうの掬星台にあったらおもしろいと思うんですけど」とスマホをかざされる。バブルテントという空気を入れてふくらませる透明のテントで、ちょっと未来感がある。既視感。あれだ、大阪万博のサンヨー館の人間洗濯機(ウルトラソニックバスと名付けられていた)。水着モデルが透明のカプセル型の浴槽に入ると、水がたまって攪拌、エヘン虫のような無数のゴムボールが体に当たって洗ってくれる。最後は温風で乾燥してくれるという夢のマシンだった。ただ残念なことに頭までは洗ってくれなかった。バブルテントは掬星台よりも、森の中にあったりするとシュールで面白いかもしれない。自然の中なのに1枚皮膜があるだけでパンツをはいてるような安心感がある。あと雪の中もいいかも。

地蔵谷を下る途中で下山部メンバーの悲鳴。木の幹にびっしりと黒いコケのようなものが付いていたのでつついてみると一斉に動き出したらしい。確かに登山道のあちこちでブナなどの幹に黒いものが張り付いている。よく見ると5ミリくらいの虫が密集していて、小池百合子なら「密です!」と叫ばずにはいられないだろう。枝でつつくと蜘蛛の子を散らすように逃げまどう。これは相当気持ち悪い。調べるとクリオオオアブラムシらしい。ソーシャルディスタンスはきっちりとってほしい。

市ケ原で昼食。新緑の太子道を下って三宮のニューMヘン大使館へ。山から下りて飲むサッポロの生は世界で一番うまい。参加者から「ここ子どものとき来たわ」「わたしも」と。ニューMヘン大使館はビアホールでありながら子ども入れる数少ない大人の店だった。ハンバーグなどの食事メニューが充実していてレスラン使いができた。親父と三宮に行くとこの手の店に連れて行かれた。ポテトフライを食べたような気がする。暗い店内の高い位置に窓あって空が見えた。高い天井にタバコの煙が昇っていくのも見えた。時折店内でドイツ民謡かなんかの演奏があったような記憶があるけど、どこかとごっちゃになってるのかもしれない。ニューMヘン大使館は震災で倒壊し新しく建て直された。この店の箸袋にはビアホールに似つかわしくない漢詩のような言葉が書かれてある。「随意小酌 川流不息」。「気の向くままに少々酒を飲む 川の流れのようにいつまでも」という意味らしい。少々というのがいい。今回新型コロナ禍で閉店した老舗も多い。ここはいつまでもあって欲しいなと。


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