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紅葉(モミジ)を見るかい?

朝夕めっきり冷え込んでまいりました神戸市灘区からお送りいたしますnaddist note。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。ここ数日の冷え込みで摩耶の山もやっと色づいてまいりました。

モミジという言葉は「もみ-ず」という「草木の葉が秋の末に、紅または黄に変わること」を表す動詞が名詞化したものだそうだ。ちなみに「もみ」は赤く染めた絹地を意味する紅絹(もみ)に由来する。で、無意識にモミジと呼んでいる木、あれ実はカエデだそうです。ま、このあたりの詳しい話は再度山の神戸市立森林植物園で聞いてください。

まやロープ紅葉①

摩耶ロープウェーの下に広がる摩耶山原生林。原生林とはこれ以上植生が変化せず安定した(極相)林のことで、六甲山地では貴重な場所だ。秋の深まりとともに深い摩耶グリーンの中に点描画のように木々が色づき、刻々とよそおいを変えていく摩耶の山並み。京都のように全てが真っ赤に色づくわけではなく(行ったことないけど)常緑樹の緑とはっとするような鮮やかな色が織りなすフラクタクルかつカオティックなまだら模様。人工的に植えられ一色で覆い尽くされる桜とは違う、自然が何年もかけて勝手に作り上げたまだら模様のにぎわい。摩耶山のまだらの紅葉見ると「お、今年もにぎわってるな」と思う。

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今から60年前、山頂のにぎわい施設として作られた遊園地跡に木が茂り、西日を浴びて美しくにぎわっている。

黄葉の庭

「こうよう」は紅葉だけではない。こちらは穂高湖近くの黄葉(こうよう)。阪神巨人戦の甲子園のスタンドのように黄色の中にオレンジが混じっているかのようなにぎわい。(写真:Yasuwan Photos

にぎわいと言えば、いろいろな街で「にぎわいづくり」という言葉がにぎわっている。たとえばリニューアルが決定した須磨海浜公園にも「にぎわい施設」が設定されている。どんな場所かというと

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子育て支援・知育スタジオ、ブック&カフェのA棟、キャンプ体験レストラン、グランピングができるB棟、レストラン、カフェ等が入居するC棟。要は公園に機能が設定された建物を配置し、人工的ににぎわいを作り出そうということだろう。あなたはここで本を読みなさい、お茶を飲みなさい、キャンプ体験しなさい、グランピングしなさい、といちいち場所と行為を指示されるのだ。ここには摩耶山の紅葉のようなまだら模様のにぎわいは感じない。人がにぎわってるなと感じるのは、もっと多様な活動が繰り広げられるおおらかでかつカオスな場であるはずで人が多いだけのにぎわいは「人混み」という。

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秋の摩耶山は紅葉だけではなく人もにぎわう。なんにもない山頂の広場、掬星台で毎月第三土曜日に開催されているリュックサックマーケット。ハイカーに観光客、地元民が混じり合い、もはやどこで何をやってるのかよくわからないカオスさ加減。11月は紅葉を見る会、いやカレーピクニックと題して少しスパイスを効かせてみた。

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手書きのPOP、フライパン、このコントロールされてないまだら感が摩耶のにぎわいを作り出す。

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もはやカレーではない無理矢理感が楽しいチヂミ屋。逆光に照らされるごま油までもが美しい。

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こちらも恒例のアコースティックピクニック。フライパンの隣で勝手にライブ。そして音楽を聞かず風景だけを見ている人。これをまだらと言わずしてなんと言う。ちなみにこの日掬星台に集まった人々には内閣府からの招待状は送られていない。もちろん酒類や菓子、食事が振る舞われるわけでもない。

にぎわいは摩耶山の紅葉のように、作るものではなく勝手ににぎわうからにぎわいなんだと思う。もし仮ににぎわいを作り出すことができるとすれば、それは人工的に設えられた集客施設によるものではなく人の思いと知恵の積み重ねであるはずだ。

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