ベスト オブ ハサン・ミンハジ
ここ最近私がとてもハマっているスタンドアップコメディアン。
スタンドアップコメディを簡単に説明すると、
一人で舞台に立ち、自分の経験や時事ネタ、その他(皮肉ネタが多い)を面白おかしく話す漫談。
ハサン・ミンハジはアメリカ生まれ、イスラムを信仰するインド人の両親の元で育つ。アメリカ人でもありインド系でもあり、移民でもあり、イスラム教徒でもあり、ミレニアム世代という、マイノリティ(少数派)だけどマジョリティ(多数派)でもあるからこそ、誰にでも響くし、誰も傷つけないコメディができるのではないかと思う。ただただマイノリティを擁護するのではなく、時にはマイノリティが持つ特権にも意見をするので見ていて気持ちが良い。観客席が映ると4割が白人、6割が有色人種に見える。
ネットフリックスではそんな彼の「愛国者として物申す(Patriot Act)」というシリーズと「ハサン・ミンハジのホームカミングキング(Homecoming King)」という地元凱旋コメディショーが楽しめる。
「ホームカミングキング」は移民として育った自身の経験をとにかく面白おかしくステージの上で披露する。
愛国者として物申す
「愛国者として物申す」では、社会問題を報道として伝えながらも、かなりの皮肉を込めて面白おかしく経験談も交えて話す。知識のない私や若い世代にとっつきにくいトピックも関心を持つ事ができる。数多くあるエピソードの中で、是非お勧めしたいエピソードをご紹介。
【ファストファッションの弊害】
ファストファッション業界がいかにクリーンなビジネスをしているように見せているのかとその実情、環境に与える影響について。
【壊れた警察制度】
いかにアメリカの警察制度が破綻しているか、不正や悪事が隠蔽されているのかについて。
【薬価問題】
アメリカでの薬の不当な価格設定とその要因について。
1996年のインシュリン価格は21ドル(2100円)、同じ物が現在では295ドル(32060円)。アメリカ以外の国では800円~1500円程で手に入る。国民皆保険のないアメリカでこの問題は死活問題で、オンラインでの闇取引が横行。
【中国の検閲】
発言の自由がなく、自由にコンテンツを排除できる国がいかに危険か。
オンラインソーシャルメディアに政府を批判したコメントを記載しただけで会社を首になった教師。ウイグル問題など、中国の過剰な情報保護ポリシーについて。
【Amazon】
アマゾンのビジネスモデルと、どう市場をmanipulate(コントロール)し競合を潰していったのか。
これまで興味がなかった分野や誰も教えてくれなかった事をここまで面白く話してもらえると興味が持てる。
他にもサウジアラビア、マレーシアの1MBD汚職、インドの選挙問題、カナダの二面性、有名ブランドのマーケティング、クルーズ船やゲーム業界の闇など次々と知らない世界の扉を少しだけ開けてくれる。かなりふざけたエピソードも交えて。
騙されたと思って一度見てほしい。
1話25分〜30分と隙間時間に見れる丁度いい長さ。プレゼンのクリエイティブさはコメディの域を越えてる。
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