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世間に転がる意味不明:ブームの終焉で一喜一憂するなかれ(唐揚げ専門店の倒産と経営のアジリティ)

■なにげなニュース

○「安くてうまい」イメージが壁に? 唐揚げ専門店の倒産相次ぐ
2023/12/7

帝国データバンクが負債1000万円以上の法的整理を申請した会社を集計したところ、今年に入って持ち帰りを中心とした唐揚げ店22社が倒産。前年の7倍の数だ。これまで最多だった2021年の6件を大幅に上回り、過去最多となった。

https://mainichi.jp/articles/20231207/k00/00m/020/227000c

「専門店」として事業を構築すれば、それの前提となる経済条件が変われば成り立たなくなることは容易に想像できる。最近の食材(鶏肉)やそれに関わる材料(食用油)」が高騰すれば途端に利益が出なくなり、撤退も余儀なくされるだろう。少し前に「トマト料理専門店」がトマトの品不足や高騰で苦慮している話は聞く。

かつて、株式会社は1000万円、有限会社が300万円の資本金を求められた時代と異なり、今は低資金で開業できる。資金調達も「ゼロゼロ融資」で担保もなく可能である。そうした環境で、安易に撤退することはあり得るだろう。

■ブームはいつだって終焉する

「高級食パン」を最近見なくなった。ひっそりとブームは終わったのかもしれない。

○「乃が美」も「嵜本bakery」も 高級食パンが陥る「ブーム→大量閉店」の流れ
2023年04月25日

大衆が流行りものにワッと飛びついて、商売人は「稼ぎどきだ」と似たような店を次々と出して大行列、時代の寵児のようにもてはやされるが、大衆が飽きると閑古鳥が鳴いて閉店ラッシュ……。そんな「平家物語」の「驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し」を体現するビジネスは、資本主義社会では後を断たないのだ。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2304/24/news163.html

かつてのナタデココにしてもパンナコッタにしても一時的にわっとなってすぐにしぼむのは昔からの流れだ。

しかし、街の小さな店舗の利点はフットワークの良さにある。
特に食品関係では、その設備は他に転用できる余地もある。
ブームは常に終焉すると思えばやりようはいくらでもある。

問題は「背水の陣」を引かないことだ。

■アジリティ

事業運営でよく云われることがある。

①一本足打法の回避
特定のメニューが強みになることもあるが、それだけに依存することの危険を認識することである。それは、「○○専門店」とすれば、それの売上が店の命運を左右することになるからだ。「いきなりステーキ」は、戦略の見誤りで苦境に陥ったことは記憶に新しい。

②強みはいつまでも強みではない
 上記のように「○○専門店」でやってゆけるためには、○○がブームであることも必要だが、それの原材料などが安定供給されることが前提である。事業の前提条件がいつまでも存続しているという妄想は辞めなければならない。

③プランB
 現在の事業が成り立たなくなったときの対策は常に考え準備しておく必要がある。ホタテの中国向け輸出ができなくなることが問題なのは、もちろん②の問題もあるが、プランBを考えていないからだ。突然慌てるか、怒りにまかせて法廷に持ち込んだからといって解決しない。

すでに、しばらく前からアジリティという用語がビジネス用語としても出ている。

「「アジリティ(Agility)」とは、日本語で「機敏性」、「敏しょう性」、「軽快さ」と訳される。スポーツ分野では早くから使われていた言葉だが、近年ではビジネス用語としても広く活用されている。たとえば、サッカーで「アジリティ」と言えば、「チームの動きをスピーディに察知して機敏に反応するスキル」を意味する。このニュアンスはビジネスシーンでも共通しており、経営や組織運営において状況の変化に応じて素早く対応できる機敏性があると、「アジリティ」が高いと表現される。」

https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2754#:~:text=「アジリティ(Agility)」と,するスキル」を意味する。

もっとも分かってはいるけど中々対応できないことも理解できる。

(2023/12/10)

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