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世間に転がる意味不明:働き方の多様性は働く人をしあわせにできるか(スポットワーカーとゴーストキッチン)

■新型コロナが残したもの

 2021年に猛威をふるった新型コロナは多くの業態変化をもたらした。その最たるものは飲食店の打撃であろう。来店してもらえないピンチにテイクアウトで対応した店も多く、いまだに「テイクアウト」の張り紙を掲示している見せも多い。

最近は表だったニュースになっていないが、テイクアウトを柔軟に対応するために店舗のないゴーストキッチンという形態が話題になったことがある。

○急速に拡大する「ゴーストキッチン」の最新事情
2021年12月2日

「ゴーストキッチン」は、客に見えない形で営業を行なうレストラン。厨房の機能のみを持つ飲食業態といえる。

日本でもデリバリーやピックアップ専門で客席を持たない飲食業態が最近になり多数登場しているが、ゴーストキッチンの最大の特徴はこうした顧客との接点となるストアフロントを持たず、あくまで厨房機能に特化している点にある。利用者との接点がなく、デリバリーなど他のサービスを介在して料理を届けることに注力している。

https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/suzukij/1370777.html

こうしたフットワークの良い事業の進め方は、たとえば「キッチンカー」のようなスタイルなどもあるだろう。

大きな設備投資が必要ないので参入も容易であり独自性も出せるメリットもある。
もっとも、衛生面や誇大広告などのトラブルがないわけでもないだろう。
しかし、画一化した飲食店を変化に富んだ世界に変えてくれるかもしれないと言う期待もある。自由に仕事を選べることは望ましいと考えている。

■安定性と不安定性のトレードオフ

 働き方にも隙間を埋めるようなビジネスが横行した。ウーバーイーツをはじめとするフードデリバリーの配達員に対する搾取ビジネスだ。改善されているとは云え、生殺与奪権を一方的に握られているビジネスは好きになれない。
 安定を求めている人々に安定性を与えられないからだ。

 とはいえ、自由な働き方の選択肢として無視はできない。「ギグワーカー」という名将がかつてはあり、現在は「スポットワーカー」と言われているようだ。
 お互いの合意が形成されるならば、雇う側も雇われる側にもメリットがある。

https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/suzukij/1370777.html
○スポットワーカー1000万人 すきま時間に単発バイト
半年で3割増、飲食など人手補う
2023年6月22日

空き時間に様々な仕事を担う「スポットワーカー」が急増している。企業の副業解禁や柔軟な働き方を求めるフリーランスが増えているためで、働き手と企業を仲介する大手事業者の会員登録数の合計は半年で約3割増え、1千万人を超えた。新型コロナウイルス禍の収束に伴い、人手不足が深刻な飲食業などで重要な戦力となりつつある。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72101510S3A620C2MM8000/

 安定性を求めると言うことは、その見返りに何かを失うことであろう。それを良としない人々の選択肢が増えることは望ましい。

■新たなビジネスの創造

新型コロナ以降の大きな変化は、「思いついたらすぐにやってみる」という環境が構築されたことではないだろうか?

○飲食店の救世主になるか? 時給1815円「スポットで料理人を雇える」マッチングサービス
Jul. 06, 2023

「飲食業では既存の採用手法が機能していません。これまでの求人サービスを私達がリプレイス(=置き換える)したい」

7月5日、同社が発表した新サービス「SPOT CHEF(スポットシェフ)」は、飲食店やホテルのレストランなどが、最低3時間から、時間単位でシェフを手配できるサービスだ。

https://www.businessinsider.jp/post-272222

もっともっと変化があっても良い。

<閑話休題>

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