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チャレンジの悪夢再び(日野自動車、みずほ銀行)
■ブルータスおまえもか
2022年の大きな話題には日野自動車のことが含まれるだろう。
何年も不正をしており、ほとんどの自動車の出荷ができなくなっている。
そこで働く人の不安は幾ばくか。
こうした不正の根幹は組織風土に欠陥があることが多い。
と思ったら案の定だった。
○日野自の販売停止 会社の再建はできるのか
2022/8/2
日野は今月初め、検査不正を受けて外部有識者による特別調査委員会の報告書をまとめた。報告書は、役員が無理な開発目標を掲げ、意見を言えない社風によって現場が不正に手を染める原因となったと指摘していた。
https://www.sankei.com/article/20220829-UJ2LXVH5C5PLFJYYACDIN6CRJ4/
こうした文言を見ると、下記のみずほ銀行を思い出す。
○みずほ銀行「予断なき再発防止策」の中身、運用の人員・経費を増強へ
2021.12.07
金融庁はみずほ銀行がシステム障害を繰り返す「真因」として「システムに係るリスクと専門性の軽視」「IT現場の実態軽視」「顧客影響に対する感度の欠如、営業現場の実態軽視」「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」があると厳しく指摘した。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01873/120300003/
現場の人間が問題に気づかないことはない。もし気がつかないとしたら、まともに仕事をしていないと言うことだろう。言われたことしかやらないというのであれば、今の状況を引き起こしたのは彼らなのだろうから、彼ら自身も責任がある。
■経営者はお金の話をしてはいけない
こうした現場を萎縮させる経営者は後を絶たない。
経営者の呪いという言葉を使うことがある。
経営者は常に「売上」や「業績」に責任がある。そのため、いつも頭の中に「お金」の文字がさまよっている。
しかし、「稼いで来い」といって部下が稼いでくるなら「社長は要らない」
社長は「稼いでこれるように」環境や経営資源(資金、設備、人材)を用意することだ。
これが分かっていない経営者が舵取りをすると悲惨なことになる。
○聞き取り調査で続々判明! 「チャレンジ強要職場」の悲惨な実態
2015.10.30
大手メーカーの東芝が起こした不正会計騒動。リーマンショックが発生した2008年から2014年まで、合計で約2000億円を超える利益の水増しを行っていたという問題だ。
これらの原因となったのが、「チャレンジ」と呼ばれる経営陣の無茶な要求。各部署に、短期間ではおおよそ達成不可能な利益目標を示し、圧力をかけた。なかには、3日で120億円の利益を出すよう求めたこともあるという。その結果、“水増し”という不正行為が蔓延していったのだった。
このチャレンジの中心にいたのは、東芝の歴代3社長。
https://diamond.jp/articles/-/80820
経営者は社員に「お金」の話をしてはいけない。
経営者が「お金」の話をすると、末端まで「お金」を基準に行動する。
「お金」が「正しいことをする」より大切なことになってしまえば、不正に目をつぶる組織ができあがる。
<閑話休題>
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