業務提携の向こう側に透ける20年後のビジネス
【異業種への働きかけ】
https://news.ntv.co.jp/category/economy/d3ae5c149b5e4ad48b1427f29cd13ebc
【異業種進出は単なる多角化ではない】
上記の記事を、事業の拡大や多角化という枠で見るのは危険かもしれない。
ハウス食品の戦略は、「食」に関わる全てのネットワークの支配かもしれない。アマゾンの試みは、「人と人とのものの流れ」を全て傘下に置くことかもしれない。
下段の記事の延長線上には、「スーパーも単なる物流倉庫」と見ているかもしれない。
自分の事業(厨房設備の提供事業、食品販売業)が誰かの参加になり得るし、そこがライバルになることもあり得る。
アマゾンが独自にスーパーを展開することはすでに実証済みだろう。近くのスーパーのブランドが「アマソン」で困る理由はない。
【デジタル社会の20年前と今】
「Windows95」が世間を騒がせ始めインターネットに注目されだしたのが20年前になるだろうか。まだ未成熟であったことから、せいぜいホームページを見るぐらいの活用しかできず、ホームページを会社で開設するというのがちらほら見え始めた頃だろうか。そのなかでも検索エンジンの「Google」は一部のIT企業からは注目されていた。
20年前と今を比べるとデジタル社会の変容は一言では言えない。VUCAと言う言葉を出すまでもなく、その変化の速度は速く、情報伝達の進化は社会のあり方も大きく変わってきた。
あたりまでなくなったものには以下のようなものがある。
●終身雇用
経営環境が急激に変わる中で、既存の人財では対応できなくなってきている。新陳代謝を早めない企業は生き残れないのだろう。定年という概念の崩壊、早期のキャリア形成をしない人々には生きづらくなっているかもしれない。
●通勤
テレワークが比較的用にできること、設備などのリモート監視、数々の自動化の推進は、同じ時間に同じ場所に集まると云うことを不要にするかもしれない。バーチャル空間で人と機械の繋がりが促進されるかもしれない。会議室に集まっての会議もいずれ無くなるだろう。
●紙の伝達
今時、文書を印刷して送るなどと云うことはほとんど無くなってきている。お役所は紙だが、企業間ではデジタル化が進んでいる。デジタル庁なんて時代錯誤もいいところだ。
さて、こうした背景にあるものは何だろう。
・つながると云うことが容易になったこと(技術革新)
・消費者の選択が拡大したこと(個人の意識の変革)
たとえば、
・アマゾンで買い物をするときに、その商品の評価(他の人が購入した経験)を参照できること
・飲食店を探すときに「食べログ」など評価を参考にすること。
・遠方にあろうと日本全国から商品を選択できるようになったこと
・食事を楽しむ場所として自宅を選べるようになったこと(ウーバーイーツなど)
が上げられるだろう。
【ネットビジネスだと油断するなかれ】
こうした、人の購買行動が変わってきたことは何を意味するだろう。
・多様な情報を手に入れることができる
・代替手段を選択できるようになる
・気に入ったものを探せる
等いろいろな側面があるが、いずれにしろネットワークを通してつながりやすくなって行く未来が創造できる。
そうした中で、消費者は「もの」ではなく「こと」を求めているコトに気がつくだろう。
●Peleton(https://www.onepeloton.com/)
彼らはランニングマシンやスポーツグッズを売っているのではない。購入した人が継続的に使い、健康でかっこいい肉体を手に入れることを支援している。最も重要な商品はインストラクターになる。彼らを通して顧客と繋がり続け、あたかも、フィットネスジムとインストラクターを独り占めしている優越感も味わえる。
既存、フィットネスジム、健康器具のメーカーは浸食される。
●Yamap(https://www.onepeloton.com/)
彼らは山の情報発信事業をしているわけではない。山を楽しみたい全ての人を支援すると言うのがコンセプトに見える。それは、山に行っている人も云っていない人も、経験者も未経験者もお互いがつながるプラットフォームを提供し、「安全で楽しい山歩き」を体験させることだろう。そのために山の用具販売なども手がけるし、保険業務なども手がける。
業態の境目はなくなることが予想される。
【20年後のビジネスシーン】
すでに斜陽産業として「デパート」や「出版」などが取り沙汰されているが、かれらの衰退は、人と人との繋がりに着目せず、いわゆる「体験」にも視野が云っていないことだろう。すでに「体験」は時代遅れになりつつある。顧客に提供する体験のその先「充足」もしくは「成功」も視野に入れる必要がある。
弱者同士が提携することは否定しないが、単に現在の事業の強化程度の視野ではきたるべき2030年を迎えられるかは疑問だ。
赤の女王仮説を進呈しよう
「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」
2022/2/6
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