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世界は常にバブルにまみれている(新型コロナバブル)

■市場の一過性

新型コロナが企業活動に大きく影を落とした頃、補助金を使って「マスク」の生産のために設備投資をしたいという会社の支援を行なったことがある。その時にはじめてマスクの作り方を知ったのだが、製造のためには専用の加工機が必要であり、それなりに高価だった。

減価償却という視点では、最低限5年は利益を生み出してくれないと困る。だが、最初は皆が我先にとドラッグストアに殺到していたシーンも今は見かけない。それなりに大手が普通に供給している製品であり、我先にと買うものでもない。

あの会社はどうしているだろう。

一過性のブームに乗ることは危険だ。ブームによる市場ニーズに応えようとして増産し、価格の崩れを引き起こし、挙げ句の果てに市場が元に戻り、設備投資が徒になってしまったのはマスクだけのことではない。

急激な市場拡大は、急激な市場の縮小も招く。

■コロナバブルはいつまで続く

ターミナル駅の構内あるいはその近辺では無料のPCR検査の旗を見かけることがある。
しかし、そこに人が行列をなしているシーンは見かけない。

PCR検査も一過性のはやりなのだろうか。

○マスコミの煽りがPCR検査を儲かる商売にした
「陰性証明」というお札(ふだ)バブルの弊害
2020/09/06

医療機関が診療の中でPCR検査をするには、大きく2つのパターンがある。

1つは、検体採取だけを医療機関で行い、その検体を民間の検査会社等に運んで実際のPCR検査はそこで行ってもらうやり方(外注検査)である。

もう1つは、検体採取から実際のPCR検査そのものまでを自分の施設で行うやり方(インハウス検査)である。

インハウス検査の場合、試薬等のランニングコストは人件費を除けば8000円程度であり、1回に検査する検体数を増やせば1件当たりのコストはさらに低く抑えることができる。もちろん初期投資として機器の導入は必要だが、公費による全額補助の仕組みができたので、医療機関が負う投資リスクはかなり低くなっている。

このインハウス検査の参入障壁は、実際に手を動かせる検査技師を確保できるかどうかに大きく依存しているが、一度インハウス検査の体制が整えられれば検査すればするだけ医療機関は儲かる構造になっている。

https://toyokeizai.net/articles/-/373197

こうしたシステム化されたバブルはやっかいだ。バブルがはじけても税金でまかなうので知らないうちに我々が被害者になりうる。

現在「抗原検査キット」が話題になってる。
もともと、研究用のものであり、陰性証明にならないばかりか精度だって怪しい。
さすがに、あっという間に話題にもならなくなったが、一過性の混乱を引き起こした。

■過剰な投資

企業は、既存の設備でまかなえるのであれば別だが、全く畑違いの設備投資や、無理な格調をするべきではない。

なぜならば、市場の変化により設備の活用ができなくなれば、必然的に関連する人的資源の再配置が必要になる。

それは最悪、従業員の整理解雇あるいはリストラにつながりかねない。
会社はそれで生き延びられるかもしれないが、仕事を失った人々がしあわせになれるとは限らない。

「あぁ、あの会社は無責任な会社なんだ」という声だけが残る。

<閑話休題>

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