誰かを犠牲にした利益(フランチャイズは正しい戦略か)

■きっかけの記事

コロナ渦での人の移動が制限されたなかで、飲食業の苦境が続いているのだろう。どこも業績が振るわないと想像できる。その中でも利益を出しているということはニュースになるのだろう。

〇一人勝ちのコメダ珈琲、シャトレーゼと提携したルノアール、カフェ業界でいま何が起きているのか?
2022.05.05

日本フードサービス協会によると、2022年3月の飲食店の売上高は前年比105.9%となりました。昨年の水準は超えているものの、コロナ前の2019年比では86.3%に留まっています。日本国内は少しずつ日常を取り戻しつつあるものの、完全回復にはほど遠い状況です。

飲食店の中でも明暗がくっきりと分かれたのがカフェ業界。一人勝ちとなったのがコメダ珈琲です。なぜ、コメダは他社を圧倒することができたのでしょうか。

コメダが利益を出しているのは、ビジネスモデルの違いです。コメダはフランチャイズ加盟店が主軸となっています。総店舗数956(2022年2月末時点)のうち、直営店はわずか54店舗。94.3%がFC店です。ドトールは1,278店舗(2022年3月末時点)ありますが、FC店は904店舗で、FC比率は70.7%。サンマルクに至ってはFC比率が3.7%に留まっています。

https://dime.jp/genre/1379177/ より引用

気になるのは、収益を出しているのは「顧客」や「市場」へのアプローチではなく、フランチャイズというビジネスモデルであり、集客に焦点が上がっていないことです。

■フランチャイズは、B2Bという視点に過ぎない

飲食業はB2Cなので、本来は「お客様がどれだけお金を出してくれるのか」に目が行くべきだ。フランチャイズは加盟店からどれだけお金を回収するのかに視点が行く。

これが危ういビジネスモデルだと感じたのは、しばらく前の「セブンイレブン問題」だ。
法律上の問題が発生しかねない。

参考:
〇「コンビニ・フランチャイズ契約と優越的地位の濫用~東大阪セブン—イレブン事件より~ 」  2021年6月28日
http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20210628.html

■フランチャイズに不利益を押し付けることになっていないか

フランチャイズは少なき資本で開始でき、多くの人にビジネスチャンスを与えるし、加盟店を増やすことで本部側にもメリットがある。一方で、本部側は自社の売り上げだけに目が行き、個々の店の都合は無視する傾向がある。マクドナルドが直営店を減らしフランチャイズ化した時のトラブルが記憶にある。

最初の記事では「コメダ珈琲」が話題に上がっている。店づくりやメニューなどの特徴からファンも多いのだろうが、最近「味が落ちた」気がする。これが、店舗に「利益」を強制している結果であれば、どこかでほころびが出ないか心配だ。

<閑話休題>

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