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世間に転がる意味不明:フリーランスという言葉が嫌いだ(ICと言う働き方の勧め)

世間に転がる意味不明:フリーランスという言葉が嫌いだ(ICと言う働き方の勧め)

■考えるきっかけとなったニュース

○フリーランスへの発注ルールが変わる 24年秋施行の新法を解説
2024年03月26日

フリーランス新法の目的は以下の2つとされている。

・特定受託事業者に係る取引の適正化
・特定受託業務従事者の就業環境の整備
 そして、その目的を果たすために以下の2つの規定が設けられている。

・取引の適正化に関する規定
・就業環境整備に関する規定
 いずれも、業務委託が1カ月以上にわたって継続される際に適用される。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2403/26/news019.html

いくつか解説がされておりポイントがわかりやすい記事である。

・これまでは、仕事内容や報酬額、支払期日などを口約束で取り決めすケースもあったかもしれない。しかし今回、新たに「書面または電磁的方法(電子メールなど)により明示しなければならない」と定められた。
・また「フリーランス側に非がないにもかかわらず、成果物の受領拒否、返品、やり直し命令をすること」は禁止された。報酬の減額も禁止された。さらに、相場より著しく低い報酬の額を定めることも“不当”であると明文化された。

と言うくだりは、これまで彼らが置かれている状況の一端を示している。

私はヤマト運輸のゆうちょへの事業委託に伴う配達員との契約解除、ウーバーイーツのリスクを個人に押しつけるビジネスモデル、アマゾンの配達員への無関心などは好きではない。それでも、働き方の多様化は認めるべきであるし、そのための環境作りは重要だと思っている。

しかしとも思う。

■常態化・ニューノーマルとなるフリーランス

 フリーランスという言葉はいつから出てきているかは記憶が定かでは無い。
 フリーターという定職に就かない人々を揶揄する言葉はずいぶん前からあるが、その働き方へのやっかみなどを考えるとバブル期などに遡るかもしれない。合わせて「ニート」という言葉が出てきたのはバブル崩壊後ではないかと記憶しているので、いずれにしろ1990年代であろう。

 その前の1980年代はリクルートが「フロムA」などのバイト雑誌を発刊しており、徐々に学生が働く現場に接近しやすくなった時期であり黎明期であろう。

 しかし、フリーランスという言葉は何を指しているのだろう。
 一応、行政上の定義は以下のようになっていると聞く。

i)本調査でのフリーランスの定義は、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者」としています。なお、産業・職業分類が農林漁業の者などは含めていません。 具体的には、本調査におけるフリーランスは、以下の者を集計対象としています。 ・従業上の地位が「会社などの役員-役員・職員が他にいない-実店舗なし」、「自営業主雇人がいない-実店舗なし」又は「内職」かつ、産業大分類「A農業,林業」、「B漁業」、「S公務(他に分類されるものを除く)」又は「T分類不能の産業」でないものかつ、職業大分類「G農林漁業従事者」又は「L分類不能の職業」でないもの

https://www.stat.go.jp/info/today/pdf/197.pdf  より

この資料を見ると

有業者のうち本業がフリーランスの数は209万人となっており、有業者に占める割合は3.1%となっています。男女別にみると、男性が146万人、女性が63万人となっています。

しかし、おそらくは上記は働き方の“自覚”があり、“積極的”に個人事業主あるいは自営業を洗濯している人々であろう。統計上はともかく、正社員として働けない人々を考えると、先の法律で保護しなければならない人々はもっと多くいる。

ChatGTPで少し調べてみた。

●ランサーズ株式会社の調査によると、2021年時点の日本のフリーランス人口は約1,577万人です。これは2020年の調査(1,062万人)と比較して増加しており、過去最大の数値となっています

●総務省の労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)1~3月期平均の結果によると、役員を除く雇用者のうち、非正規雇用の割合は37.2%とされています。非正規雇用者2,101万人のうち、パート・アルバイトが1,474万人と約7割を占めています

こうした数字は行政が把握するものとは異なる世界を見せてくれる。
それは、本人が臨むかどうかはともかく正社員として働けない現実と、彼らがいないとビジネスがまわらない企業側の現実である。

呼び方はともかく、フリーランスが働き方のニューノーマルである以上、それを受け入れられる社会の環境整備が必要である。

■ダニエル・ピンクとIC

ダニエル・ピンク氏のフリーエージェント社会の到来(翻訳本)が出版されたのは2002年であり、当時は自分の働き方に共感する面もあり、参考にしていた。

「雇われない生き方・雇わない生き方」は今でも共感できるコンセプトであり、自分は自分の為に働くのであり、会社のために働くのではないという覚悟が必要である。さもないと、会社が命令するからという理由で不善を為したり、いざというときに他責にして右往左往することになる。

○仕事失ったアマゾン労組組合員 「懸命に荷物運んできたのに…」
2024/4/9

インターネット通販大手「アマゾンジャパン」の商品を長崎市などで運んでいた配達員の労働組合「東京ユニオン・アマゾン配達員組合長崎支部」の組合員らが、8日を最後に仕事を失った。組合員らは1カ月前にストライキをして就業継続を訴えたが、かなわなかった。組合員の男性は「懸命に荷物を運んできたのに無念」と悔しさをにじませた。

https://mainichi.jp/articles/20240409/k00/00m/020/144000c

ストが悪いといっているのではない。
企業にとって「「懸命に荷物を運んできた」かどうかは配慮したとしても事業の有り様を左右することではないと言うことである。

私は「フリーランス」ということばが嫌いである。正確には、「お前らは自由に働いているのでいいよなぁ」ていどの揶揄が混じるのが嫌いである。会社にしばれれる働き方ではなく会社と対等の関係を目指すべきである。

そして、そうした生き方を選択して、コミュニティを探すことを勧めたい。

IC協会
https://www.npo-ic.org/

すでに私は退会しているが、今「フリー」と言うことを気にするなら1度アクセスしてみて欲しい。

(2024/04/24)

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