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アルケミストを旅した話

私は子供の頃から文字を読むのが苦手で本を読まない子だった。

そんな私が唯一、ハマって何回も読んだ本がパウロ・コエーリョのアルケミスト。

羊飼いの少年が自分の見る夢を信じて海を渡りエジプトのピラミッドまで旅をする話。

旅の中でいくつもの出逢いと試練を繰り返して成長していく少年の姿が当時から旅にハマっていた私とリンクして自分と重なったからだった。

そして私は2011年にアルケミストの少年のような旅に出た。

スペインのバルセロナから地中海沿いを巡りジスペイン最南端の港町タリファまでたどり着いた。目の前はジブラルタル海峡!海の向こうはアフリカ大陸のモロッコだった🇲🇦
タリファの城跡から見えるくらいモロッコはすぐそこだった。

タリファからモロッコのタンジェまでフェリーでたったの30分!ヨーロッパからアフリカ大陸にあっという間に簡単に上陸してしまった。

ほんの目と鼻の先くらいの近さなのにスペインとは全く違う国モロッコに入国した私は急に緊張した。スペイン語だった言語はフランス語とアラビア語となり全く理解不能だった。

そしてアラビアンナイトのようなイスラム世界の旅が始まった。毎日、4回のアザーン(イスラム教のお祈り)がマスクから響き渡り、女性は体と顔を布で覆っていた。

そんな世界に1人紛れ込んだ私。

もちろん歩けば次から次へと話しかけられてガイドを始めてお金を請求してきたり、即興の歌を歌ってドネーションを求めてきたりと、とにかくウザい人が多いのが最初の第一印象だった。(モロッコは世界三大ウザい国と言われているのに激しく納得した😂)

それとは裏腹に、正直ヨーロッパでは全くと言っていいほど誰からも声をかけられなくて孤独だった反動で、そんなウザささえ当時の私は楽しんでいた。あの手この手で騙そうとしてくるのに対抗しようと私もいろんな作戦を考えては対抗するのが面白くなっていた。

モロッコは町によって全く違う国かと思うくらい町の色も環境も違ってそしてどの町も物語の世界のような絵になる場所ばかりだった。

中でも、メルズーガでラクダに乗って旅したサハラ砂漠での3日間は私にとって一生忘れることのできない経験となった。

1日目はアルジェリア国境の黒砂漠の遊牧民の家族にホームステイ。
地平線上の向こうのアルジェリアのテーブルマウンテンに向かって誰もいない大地を一人歩きながらレサンピリリを歌って泣いた。だだっ広い黒砂漠の真ん中で寝っころがって雲ひとつない空を眺めながら風の声だけを聞きながら自分が地球に生かされていること地球の一部であることを感じた。
そして夜全く灯りのない地平線上360度に広がる満天の星を見ながら宇宙の偉大さを感じながらLEDポイを回したら宇宙と交信したのか?遠くの空がボヤーっと赤く光りだしてその灯りがポイと同じように8の字を描くように踊り始めた!!その場所にいること自体が夢のようだったからただただその光る物体(UFO?)をずっと眺めてた。

2日目またラクダでサハラ砂漠のオアシスのテントまで移動。ずっと思い描いてた砂漠のイメージそのまま?いや、それ以上の果てしなく続くサハラ砂漠を歩きながら時間ごとに色や形を帰る黄金色の美しすぎる砂漠に抱かれながら生きててよかったーって心の底から沸き起こった。
どんな素晴らしい建築やアートよりも、地球が創り出した自然の美しさというのは同じく地球の一部の人間の心も魂も癒してくれることを初めて知った。そして夜は2日目に出発してきた別のキャラバン隊のみんな合流して地元のラクダマン達が伝統的なベルベルの楽器を演奏し始めた!太鼓のリズムにここはアフリカの入り口なんだということを感じさせる。私も気分よくなって音と満点の星と宇宙を感じながらポイを回した。最高に気持ちよかったし幸せだった。

このまま砂漠にいたいとさえ思うくらい、サハラ砂漠に魅了されて癒されて心も体も洗い流された感じ。

子供の頃からずっと探し求めていた場所。ここに来るために旅に憧れていたようなそんな感覚を感じた。


まさにアルケミストの少年が宝物を見つけたように私も大切な何かを見つけられたようなかけがえのない旅となりました。


そんなアルケミストに導かれた旅のお話でした。

アルケミスト。全ての旅を愛する人におすすめです✨


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