脳梗塞とともに生きる日々  〜「無理ができない」私に、できること〜

8月の初旬に、2泊3日の検査入院をしました。

脳血管撮影検査とダイアモックス負荷脳血流検査という二つの検査で、それまでの2回の入院中に行ったものよりも、かなり大掛かりなもの。

特に、脳血管撮影検査の方は、「腕の血管からカテーテルという管を入れ、脳の血管に造影剤を注入し、X線撮影する」というもので、今、説明を書いているだけでも、なんだかスーッと意識が遠のくような怖さを感じます。(実際に、前日になって急にいろいろと不安になって・・・かなり緊張して検査に向かいました)

検査の目的

これら2つの検査は、予防的な手術をすべきかどうか判断するために行われました。

私の病名は左中大脳動脈狭窄症というもので、脳の大きな血管の一部に細くなっている部分があります。その部分に万が一のことが起こる(つまって破裂してしまう)のを防ぐため、別の血管につなぐ「バイパス手術」という処置をする選択肢もあります。

とはいえ、手術をすること自体にも大きなリスクがあるので、そのリスクと、これから手術をせずに投薬のみで治療を行なった場合の再発の可能性、その他さまざまな点を考慮し、判断していただくことになりました。

検査の結果

2泊3日の(精神的にはそれ以上にどっと疲れた)検査の結果、現在のところは予防的手術はしないということになりました。

ただ、これから「無理をしてはいけない」と言われています。

血管に細い部分のある左脳の血流は、通常時には右脳とさほど変わりがない(右脳を1とすると、左脳も0.9以上)そうなのですが、脳の血流に負荷がかかることをした場合、それを保てるだけの余力があまりないことが判明しました。

どんな病気でも、「無理をするのはよくない」と言われますが、抽象的な話ではなくて、実際、無理をすることで脳の血流に影響が出て、先に書いたような一大事につながることがあるそうです。

具体的には、激しい運動を控えること、ストレスをためないことなども気をつけるように言われています。

運動はさておき、ストレスの方は・・・。これは、確実にそうとは言い切れないのですが、6月末に再び一過性脳虚血発作を起こし、二度目の入院になった時、すごく心当たりがあって・・・。

仕事上での悩みが、直接体に影響する。怖さを感じると同時に、これからは自分の身を自分で守っていかなければいけないと、改めて強く感じました。

「無理」はできなくても・・・できることがある

今はもう精神的にもだいぶ元気で、この状態の中にもやれることはたくさんあると前向きな気持ちでいるのですが・・・。できないことに目がいってしまう時期もありました。

「長湯はダメ」(スーパー銭湯や旅行先での温泉が楽しみだったので、地味に堪える)とか、「今後飛行機での旅行は難しいのでは」・・・とか。(脳梗塞後の1ヶ月は搭乗できない航空会社もあります。その期間が過ぎた今も、もし機内で何かあったらという不安は消えないです) 海外旅行や、子供の留学の時には、私も現地を訪れたかったな・・・とか。

温泉や飛行機は、日常生活から遠いところにありますが、仕事の面でも「できない」に直面することがありました。以前の記事でも少し触れましたが、勤めていた英語学校を辞め、現在は自宅教室でのみ指導を続けています。

(指導中の生徒さんを残して英語学校を去ることは、本当に苦渋の決断でしたが、信頼できる引き継ぎの先生を見つけていただき、生徒さん達の学びの機会が確保されたことに心から感謝しています。)

8月末に自宅教室を再開して、1ヶ月。この1ヶ月を無事に乗り切れたことが、気持ちが上向いてきた一番の要因だと思います。

授業をする。それまで当たり前だったことが、1回1回、奇跡のように思えます。2ヶ月(4月の時を入れたら、それ以上)待っていてくださった生徒さん、みんなのために、これから自分が健康でいること、生徒さんが望む最後まで教え続けることが私の使命だと思っています。

本当にやるべきこと、そして、それの機会を与えられているという幸せを実感して、教えること自体、そして毎日の生活にも俄然張り合いが出てきました。

健康を保つためにどう生活をしたらいいか。私の好きな「工夫」の出番です。

ここでバーンと、何かわかりやすい目標を宣言することはありませんが。これからの毎日が楽しみだということ、こんな気持ちになれた喜びを書いておきたくて。

また、これからの私がどうなっていくか、ここで見守っていただけたら嬉しいです。どうぞ、楽しみにしていてください。





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