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チャンスはチャンスの顔をしてやってこない
先日、ある美術系の学校で作品を審査する機会があった。会場にずらっと100以上の作品ブースが並び、製作した学生さんがいる。
作品に合わせたファッションで目を引く子。
手製の名刺を渡してくる子。
目を合わせずモジモジしている子。
本人は寡黙だが、作品のキャッチコピーやプレゼンテーションが秀逸な子。
それで、なんとなく大地真央さんの若い時のエピソードを思い出した。宝塚時代、新人はモブキャラ(端役)しか与えられない。集団で一言ずつ言いながら舞台に出てくる役で、大地真央さんはわざと一瞬外して登場した。それを芸能記者が見て、この新人はすごいと注目したそうな。
さて、マーケティングの有名なフレームワークにAIDMAというのがあります。
A: Attention(存在を知る)
I: Interest(興味を持つ)
D: Desire(欲しいと願う)
M: Memory(記憶する)
A: Action(購買行動に移す)
大事なのは、これが時系列ということだ。そもそも存在を知らなければ興味を持たれることはなく、ましてやお金払って買いましょうとはならない。
ベストセラー『1分で話せ』著者の伊藤羊一さんは「特異点」とおっしゃっていた。「あれっ?」と相手に思わせるポイントをつくる。
返信が異常に早いとか。
企画が2、3個出てくればいいと思われているところに100個出すとか。
逆に、みんながたくさんの企画を出すなら、1行だけの企画を出すとか。
ちょっと、ずらす。揺さぶる。意表をつく。
そこでAttention(関心)を喚起して、初めて興味を持ってもらえる。
チャンスはチャンスの顔をしてやってこない。スポットライトが当たった時には誰でも努力する。でも両親がキムタクと工藤静香でもない限り、最初からそんな機会は訪れない。
モブキャラの一部、退屈な課題、上司に言われた商談。そんな日常の中で「あれっ?」を多くつくれる人が、やがて舞台の中央に呼ばれるのだと思う。
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