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【NYM】2023年ニューヨーク・メッツの楽しみ方。

目玉のFA選手たちが続々と大型契約を結び、各チームの戦力編成がある程度見えてきました。
今オフシーズン、メッツももちろん大型補強を決行。ぜいたく税ラインなんか目もくれず、課税金だけで一部のチームの年俸総額を超過するほど。

まだまだMLB開幕まで時間はありますが、今回は今シーズンのメッツの注目ポイントを紹介します。


スーパーレジェンドの先発デュオ

メッツは昨年に3年13,000万ドルで獲得したシャーザーに続き、今オフには2年8,600万ドルでバーランダーを獲得しました。

デグロムが移籍したものの、相変わらずのMLB屈指の好投手が同じ先発ローテーションで投げることになります。
この二人は殿堂入りの可能性が高いまさしくスーパーレジェンドで、二人合わせてオールスター選出17回、445勝、6,391奪三振、サイヤング賞6回、ノーヒットノーラン5回、ともにワールドシリーズの優勝経験ありという、ここ十数年のMLBを代表してきた大エース。


なにより、それぞれ開幕時点で38歳(シャーザー)、40歳(バーランダー)という年齢にもかからわず、年不相応のパワーピッチングを続けているのがすごい。

ともに投球の中心は4シーム。
ただし、シャーザーはサイド気味の腕の位置からシュート回転するボールである一方、バーランダーは縦回転要素が大きくピュアなフォーシームという個性があるのも面白いところ。

特にバーランダーは積極的に高めにフォーシームを投げ込み、昨シーズンのフォーシームのRun ValueはMLBで1位(シャーザーは19位)であり、いまだにMLB屈指のクオリティーです。

また、それぞれの通算奪三振数は3,198(バーランダー)、3,193(シャーザー)であり、現役選手のうち1位、2位がこの二人。投げるたびに通算奪三振のランキングが変わっていくシーンが何度も見れると思います。


ただし、やはり年齢によるケガのリスクがあることも事実。
昨シーズンはともに故障者リスト入りした経験があり、シーズン通してフル稼働できるかは疑問は残ります。

また、シャーザーは年々フォーシームのスピードが落ちており(2019年の平均94.2mphをピークに、2020年より94mph、93.6mph、93.2mph)、近年はキレとスライダーとのコンビネーションで対応しています。
加えて、比較的左打者と相性が悪く、昨シーズンは10被弾(対右は3被弾)。ポストシーズンのパドレス戦でもベル、グリシャム、プロファーと左打者に一発を打たれていたのがまさしく今シーズンを象徴していました・・・


一方でバーランダーは、フォーシームの平均球速が一時期92mph台に落ちる時期があったものの、アストロズ移籍とTJ手術からの復帰後とで、球速が上昇。昨シーズンは平均95mphを計測し、衰えを感じないどころか投球内容は進化しています。
ただ、ポストシーズンではマリナーズやフィリーズにカーブを狙い打ちされて失点するようなシーンもありました。

この二人の投手が、これまで通りのエネルギー溢れるパワーピッチングを魅せるのかどうか、要注目です。

カルロス・コレアの動向

ジャイアンツとの契約が白紙となるや、すかさずコーエンの鶴の一声でメッツが契約したカルロス・コレア。
と思いきややはり、足首のけがを懸念して再度契約は白紙に。

ただ、メッツとの交渉は継続しているようです。

(dramatically differentとはなんぞや)

メッツのサードにはエスコバーがいて、昨シーズンは20HRを記録したものの、打率.240、OPS.725とコンテンダーチームのサードとしては物足りなく、また守備力もOAAでマイナス(-6)。サードはメッツのウィークポイントのひとつです。

なので、コレアの獲得はどストライクな補強。

ポストシーズンでの勝負強さ、リーダーシップも含めて、メッツファンとしては彼の動向はウォッチしておかないといけません。

(匂わせ・・・)

チャンスに強すぎるアロンソ

昨シーズン、メッツ大躍進の立役者となったピート・アロンソ。
もともと打点を多く稼ぐタイプのバッターだったのですが、昨シーズンは毎試合のように打点を稼ぎ、131打点で打点王を獲得。
チャンスでの強さは数字にも表れていて、状況別のOPSは以下の通り。

ランナーなし:.790
得点圏:1.099
2アウト&得点圏:1.133

このとおり、チームとファンがとにかくアロンソになんとかしてほしいと期待するプレッシャーのかかる場面でめっぽう強く、三倍打点ニキもにっこり(40HR)な、これぞ四番の得点力。
その体形やホームランダービーでの活躍から、豪快なバッティングの印象が強いものの、広角に打てるバッターでもあります。

ニモが残留し、他にもマーテイ、リンドーアといった出塁能力の高い打者が今シーズンもアロンソ前を打つことになりそうなので、チャンスでのアロンソの打席には目が離せません。

(バットフリップもおしゃれです。)

トッププロスペクトの台頭

投手はシャーザー、バーランダー、ディアズ。野手ではリンドーア、アロンソ、ニモ、マーテイとMLBトップレベルのメンバーをそろえるメッツ。
一方で、二人の若手の起用にも注目しています。

一人目は、フランシスコ・アルバレス

昨シーズン終盤にMLBデビューし、ポストシーズン含めてゲーム終盤のいい場面での起用がありました。
強肩強打のキャッチャーで、現時点でMLBのプロスペクトランキングは1位。
メッツのキャッチャーは、ナルバエスを獲得したもののニドを含めて攻撃力がウィークポイントであり、今シーズンは彼がどれくらいキャッチャーとして経験を積めるか、もしくは同じくウィークポイントである右のDH要員としての起用が多くなるのか。
レギュラーキャッチャーとして育てるために、開幕はマイナーの可能性もありますが、シーズン中盤から終盤にかけて、メッツでキーとなる選手になっていそうです。

もう一人が、ブレット・ベティー

昨シーズンはMLBデビューの1打席目でHRを記録したバッティングに優れた三塁手。
今シーズンの出場機会はコレアの動向にもよりますが、獲得を見送った場合、サードのレギュラーであるエスコバーの不調、怪我があればMLBで見られる機会が多くなりそうです。


ブレーブスへのリベンジ

昨シーズンは4月に15勝7敗、5月に19勝10敗とロケットスタートし、シーズン101勝を挙げたにもかかわらず、結局失意のシーズンという印象になってしまったメッツ。
その原因は9月30日からの適地アトランタでのブレーブス3連戦であり、まさしく悪夢でした。


東地区2位のブレーブスに対し1ゲーム差でメッツが首位という中でのシーズン最終盤の首位攻防3連戦。
先発予定はメッツはデグロム、シャーザー、バシット。対するブレーブスはフリード、ライト、モートンとそれぞれローテーションの頭3人をぶつけてくるという注目の大一番でした。


が、蓋を開けてみるとメッツは先発投手陣がスワンソン、オルソンに3戦で3発を浴び(オルソンの最後の一発はリリーフしたルーゴからのダメ押し)、ジャンセンに3セーブを献上し、メッツはまさかの3連敗・・・


ポストシーズンでリベンジ!と思いきや、ワイルドカードシリーズでパドレスにまさかの敗戦と、結局やられっぱなしでシーズンを終えてしまいました。

今シーズン、ブレーブスとは以下日程でスケジュールされています。
4/28,29,30,5/1 @NY
6/6,7,8 @ATL
8/11,12,13 @NY
8/21,22,23 @ATL

MLB公式による最新のチームランキングでも全体2位(メッツ)、3位(ブレーブス)と評価の高い両チーム。メッツは派手な補強をした一方で、ブレーブスはスワンソンが移籍してしまいましたが、キャッチャーのマーフィーを獲得し、今シーズンは開幕からアクーニャ、アルビーズもフル稼働できそう。

メッツがまずは地区優勝をするにはブレーブスを倒さねばならず、今季雪辱を果たすことできるのか注目です。


なるか、デグロム凱旋登板

メッツは8/28から本拠地シティ・フィールドで、レンジャーズと3連戦を予定しています。

レンジャーズといえば、元ニューヨークのビッグエース、ジェイコブ・デグロムが移籍したチーム。
メッツ時代、デグロムは数々の記憶に残るパフォーマンスをしていました。

  • 新人王受賞

  • オールスターゲームで10球で3者連続三振

  • 2015年ポストシーズンでの快投

  • 2018年、2019年にそれぞれ10勝、11勝ながら2年連続サイヤング賞受賞

  • 2021年前半の神ピッチングと自援護

メッツといえばデグロム、デグロムといえばメッツというニューヨークでの圧倒的存在感

彼が敵チームとしてメッツと対するときどんなピッチングをするのか、それをメッツがどう攻略するのか(そもそもこの時期、デグロムは健康なのか)、ぜひこの3連戦でデグロムに登板してほしいですね。



夏のトレードデッドライン

偉大なる投資家スティーブ・コーエンがオーナーになって以来、二年連続してFA市場で爆買いを続けているメッツ。
ただ、長いシーズンを確実に突破し、勢いを保ったままポストシーズンで勝ち進む上では、夏のトレードで適材適所な選手獲得が必須です。

今シーズンのメッツは先発ローテーションにはビッグネームがそろっているものの、昨シーズンの最もイニングを投げた二人(バシット、ウォーカー)が抜け、シャーザー、バーランダーは高齢、キンターナは昨シーズンを除くとここ数年は不調続き、千賀はMLB挑戦1年目と、かなりリスクが高いのも事実。
また、ディアズの高稼働を緩和するためのリリーフピッチャーの補充や、コレアが獲得できない場合にはサードも穴になる可能性があります。

昨シーズンはシーズン途中でボーゲルバック、ラフ、ネークインの獲得にとどまり、あまり目立った動きはありませんでした。

資金力さえあれば主役になれるオフシーズンとは異なり、トレードではある程度選手の出血(特に優勝争いをしている場合、若手有望株)を覚悟しなくてはいけません。
資金力であれば右に並ぶチームがいないメッツが、はたしてシーズン中のロースターの状況に合わせて、柔軟に、どんなMake Differenceな選手をトレードで獲得するのか(対価として、アルバレスやベティーをトレードで放出してしまうのか)、夏の動きに注目しています。



以上が、今シーズンのメッツの注目ポイントでした。 


画像、データ参照元
https://www.mlb.com/news/pete-alonso-hits-first-career-grand-slam-with-bat-flip
https://www.baseball-reference.com/
https://baseballsavant.mlb.com/


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