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ようこそ。SIGMA fp L

7月中旬から新しいカメラが仲間入りしました。実は購入に至るまで色々考えることがあったので、たまには記録に残しておこうと思います。少しお付き合いください。

撮ることの変化

生活拠点が北海道から地元大阪に戻り、大自然の絶景を追い求めていた生活が一区切りとなりました。先日作成した写真集「四季彩」では、北海道で撮影した写真をまとめ、大袈裟に言うと人生の一つのフェーズが終わったような、そんな感じです。(手に取ってくださった方々、本当にありがとうございました)

写真集「四季彩」

大阪に戻ってきたこと。実はこれが結構大きな変化で、これまでの自然に囲まれた風景写真から、どちらかと言えば都市風景の中の日常スナップのような、自分にとって今までと少し違う写真の撮り方をする生活に変わりました。ここで、2つの悩みに直面します。

悩みその1:今のカメラでは重たすぎる

2019年後半からは、α7ⅢとSIGMA 35mm F1.2 DG DN Artの組み合わせをメインに撮影していました。合わせて総重量約1.7kg。これは車で遠出して、現地でしっかり腰を据えて撮るといった使い方では(もちろん重いですが)特段気になりませんでした。しかし、近頃多い「ちょっとした用事のついでに撮る」では重たすぎるのです。

悩みその2:知っている景色だからこそ出てくる「撮る億劫さ」

約20年生活した大阪。ある意味見慣れた土地です。これまでの北海道のような全てが新鮮な生活ではなく、多少変化はあれど、いつものありきたりな風景がそこにはあります。そうなると、わざわざカメラを構えるということをしなくなります。

写真の良さは、「その時の記憶を曖昧なままで閉じ込めることができる」ところにあると思っています。みなさんも、時々昔の写真を見返して思い出に耽ることがあると思います。あの時はこんなんだったなぁ、こんなことあったっけなぁ、みたいな。昔の写真を見返すたびに、意外と新しい発見があるものです。そんな曖昧な記憶を再発見するためには、日常の記録が重要です。しかし日常の記録ほど、意外と億劫になりがちなのです。(自戒を含めてここに記しておきます)

この椅子は数日後に撤去された。

「撮ることの真ん中だけを凝縮したカメラ」

そんな悩みを抱えていたあるとき、SIGMA fp シリーズの特設サイトに掲げられたこのキャッチフレーズが目に入りました。そして次の文章を読み終えた頃には、「このカメラ使ってみたいな」と思っていたのです。(マーケティングってすごいですよね)

「デジタルカメラの再構築」
を掲げてスタートしたfpの開発。

SIGMAにとっての脱構築とは、
デジタルカメラを取り巻く
メーカー発想のカテゴリーやヒエラルキーを捨て、
カメラそのものの本質的な価値を問い直すということでした。

〜中略〜

真ん中しかないということは、
どんな方向にも広げられる可能性があるということ。
それが、脱構築の先に行き着いたfpというカメラの新しい姿です。

https://www.sigma-global.com/jp/special/fp-series/ より抜粋
ようこそ。SIGMA fp L

こうして、実に4年ぶりに新しいカメラを手にしました。軽くて、なんとなく自分の悩みに寄り添ってくれそうな、そんなカメラを今回は選びました。レンズはIシリーズの24mm F2 DG DN Contemporaryを選択。今までの35mmから少しだけ広い世界を見てみたいと思い、このレンズに決めました。レンズ選びのアレコレはまた別の機会にでも記そうと思います。

SIGMA Iシリーズの金属鏡筒の質感に惚れ惚れする毎日

SIGMA fp Lでできるようになったこと

持ち運びが楽になったことは言うまでもありません。従来の約1.7kgあったカメラシステムから、約800gになりました。半分以下の大減量です。1日中首から下げていても苦ではありません。常にカバンの外に出しておけることは、それだけ撮影するチャンスを増やせることにつながると思っています。

京都 歌舞練場
大阪 HEPの観覧車

また、SIGMA fp LにはTeal&OrangeやForest Green、Powder Blueなど、16種類のカラーモードが設定されています。これがまた優秀。撮って出しでも全く問題ない絵を撮ることができます。楽しくていろんなカラーモードを試してみたくなります。いつものあの景色をこのカラーモードで撮ったらどんなふうに写るか。撮る理由はなんでもいいのです。

Powder Blue

Teal&Orange
Forest Green

SIGMA fp Lが苦手なこと

このカメラ、万全そうで実は苦手なシーンが結構多いです。もしオールラウンダー的に撮りたいのであれば、他のメーカーのカメラを買う方がいいケースも十分あると思います。できないことはできないと割り切ることも大切です。

苦手なことその1:手ブレ

fp Lには手ぶれ補正が付いていません。また、Lマウントレンズにも手ぶれ補正対応しているレンズは少ないので、もう手ぶれ補正は無いものと思ったほうが良いです。さらに、fp Lの場合6100万画素ある高画素機のため、より手ブレにはシビア。1枚1枚じっくり構えて撮ることを意識します。

夕景・夜景ではできれば三脚を使いたいところ

苦手なことその2:動くもの

ローリングシャッター歪みが顕著に起こるため、動きものはとにかく歪みます。鉄道、車などはもちろん、例えば走る子供なども要注意。

センサーの読み出し速度が遅いため、上から下にかけてずれたように映る

この歪みはどうしようもないので、諦めるか、なるべく気にならない撮り方をするようにしないといけません。

ここに挙げたこと以外にも、苦手なことはたくさんあります。(ハイライトが弱い、立ち上がりが遅い、電池持ちが悪いなどなど・・・)
そこを理解しつつ、できないことはできないと割り切る。苦手な部分は引き続きα7Ⅲに任せるなど、うまく扱ってやると強力な相棒になると信じています。

苦手なところばかり挙げてしまいましたが、もちろん最初から分かって購入しているので、実質無問題。あとは春夏秋冬どんな絵を描いてくれるのか、これからが非常に楽しみです。

記憶を「再構築」する

ありふれた風景ほど撮ることが難しい

さて。Instagramのストーリーにて「記憶」と題し、比較的ありふれた風景を少しノスタルジックにまとめたシリーズを展開していました。
別に絶景でもない、ただの日常的なありふれた風景。だからこそ撮るのが難しいと思います。いつもみている風景だから撮っておく。いつか見返した時に、曖昧な記憶を再発見できるように撮っておく。

撮ることとは、記憶を「再構築」すること。

約4年ぶりに戻ってきた大阪での、これからのテーマの1つとなりそうです。
お楽しみに。








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