見出し画像

「スパイダーマン:ノーウェイホーム」の感想【※ネタバレ含】

 公開から10日経ったし、流石にそろそろネタバレあり感想を垂れ流しても許されるしょ〜〜というアレなので、つらつら感想を書いていく。公式な情報解禁日とかは記憶にある限り特に定められてなかったはずなので、まあいつ書いても許されてたような気がするけど。

 
 さて、最初から言ってしまうが、この映画はすごく良い意味で評価が難しい作品だと思う。この映画はもう反則まみれなのだ。最初から最後まで反則みたいな展開をジョジョのラッシュもかくやという勢いで叩き込まれるので、それに飲み込まれて普通に鑑賞することが凄まじく難しい。それくらいの反則が詰まってしまっている映画なのだ。なので普通に俺もエモがぶっ壊れてるので今回は感想ってよりかはもはやオタクの奇声である。
 
 まず反則の一つ目は映画が始まってから数十分くらいの段階で出てくるマット・マードック……っていうかデアデビル。もう「マードック弁護士」って台詞が出てきた瞬間になんか鳥肌たった人はいっぱいいたはず。ホークアイでキングピンが登場したからなんとなくこっちがMCUに本格参入してくるのも予想出来てたと思うけども、ネトフリ版のキャストそのまましっかり登場。顔見せしつつしっかり「こいつは何者なんだ?」感を漂わせるナイスな演出で本筋合流。いや、本当にずるい。

 そして二つ目はもちろん過去作のヴィラン&スパイダーマンがオリジナルキャストで大集合すること。ヴィラン登場は予告の段階でしっかりプロモーションされていたし、ヴィランが出るってことはスパイダーマン本人の出演ももちろん……?という感じで予想していた人は多かったと思うけど、しっかり登場。トビー・マグワイアはもちろんだけれど、何よりアンドリュー・ガーフィールドがずるい。しっかり完結してくれた初期三部作と違ってアメイジングは残念ながら打ち切りになってしまっていたので、それの補完がしっかりされているのがずるい。ヴィランもしっかりキャスト続投だし、吹き替えもちゃんと続投。こいつらが一つの画面にいるだけでもうなんか感極まってくるので、すげーよかったです。いやもうなんかよかった、とかすげーくらいじゃないと言い表せない。この事象を語るにふさわしい言葉を俺は持ち合わせていない。

 三つ目は実写だけじゃない過去作を踏まえた激エモシーンをこれでもかってくらいぶち込んでくること。出来自体は悪くなかったのに興行成績で打ち切られちゃったアメイジングシリーズをしっかり褒め称えたり、スパイダーウェブを体の中で作れるかどうかを話したり(※1)する作戦会議シーンがもう激エモの塊。それ以外にもエレクトロがスパイダーマンを黒人だと思ってた(※2)って発言したり、ネッドが「俺はスーパーヴィランになってお前を襲わない(※3)」って発言するのとか、ちょっと知ってると良いなあ……ってなるネタがもうあらゆるところに詰まってる。
 
 四つ目、個人的にはこれが一番反則なんですが死にそうになるMJをアンドリュー・ガーフィールド版スパイダーマンが間一髪で助け出すシーン。いやね、本当これはもうマジでやばい。アメイジング2を見たことがある人はもうみんなこのシーンで泣きそうになったと思う。自分の時は助けられなかったヒロインを、今度はしっかり助けることが出来た〜〜っていうアレで、ありがちっちゃありがちなんですが、いやなんかもう本当にずるい。ザ・「オタク君の好きなやつ」って感じなシーンなんだけども、こんなシーン嫌いな奴がいてたまるかよ……って感じである。助けた後のアンドリュー・ガーフィールドの「ああ、今度は助けられた……」みたいな表情の演技がまた最高。ここで一番アメイジングシリーズへの制作側の思いを感じることができた。

 これ以外にも見れば見るほど反則ポイント盛りだくさんのヤバい映画です。オチ担当のヴェノム&エディもしっかり可愛いので、クレジット後も目が離せない。

 MCU版の作品としての立ち位置の話をすると、この映画はスパイダーマンとしての始まりの話だと思う。やっぱりスパイダーマンっていうと『大いなる力には大いなる責任が伴う』という言葉と共に身近な人を失う所から物語が始まるヒーローだから、そういう意味ではトムホ版ピーターはこれが始まりなのだ。それにしたってまさかメイおばさんが発言者になるとは思わなかったけども。それを言うんじゃねえ!って思わず心の中で絶叫しちゃうあれだった。その前から死亡フラグはビンビンだったけども。
 
 ラストシーンでのMJの額の傷を確認して改めて別れを告げるトムホの切ない演技はもうなんか感情ぐっちゃぐちゃにされる。いや、もう何回感情ぐっちゃぐちゃにされてるんだって話だけども。幸いトムホ版スパイダーマンはまだ続くっぽいし、ラストの大検テキストで希望の光っぽいのが見えてるので、そっちに期待するしかない。まあ色々転用可能(※4)なグウェンってキャラをMCUが放っておくとは思えないので新たな恋が始まっちゃうかもしれないけども……

 新しい展開を色々妄想させてくるすごい良い映画だったっと思う。細かいツッコミどころはいくつかあったけど、そんなものはラッシュで全て押し流されてしまう感じ。映画スパイダーマンシリーズを追い続けた人に対して出すオールスター作品としては文句なしの完成度。履修の話が色々出てるけど、一作でも見たことがある人なら見に行っちゃって良いと思う。特にアメイジングが好きだった人は尚更。


 
(※1)映画作品によって作れたり作れなかったりする。原作でも作れる時期と作れない時期があったりするらしい。
(※2)スパイダーバースで主役だったマイルス・モラレスのこと。実写版でも出てくるとかいう噂があったりする。役者は違うだろうけど。
(※3)ネッドの元ネタのキャラは原作だとグリーンゴブリンに洗脳されてボブゴブリンっていうヴィランになっちゃったりする。そういう意味で印象深いシーン。
(※4)スパイダーグウェン……じゃなくてゴーストスパイダーっていう女性版スパイダーマンになっちゃったりする。ちなみにグウェンプールはグウェン・ステイシーじゃない。名前の元ネタはグウェン・ステイシーだけど。


 
PS. 

吹き替え版主題歌だけはマジで品質が低い。吹き替え版を見る人間は覚悟しといたほうがいい。20年分の想いが詰まったオールスター映画だってことを踏まえると。吹き替え版主題歌が割と嫌いじゃないと自負している人間の俺がマジで耐えられないくらいには酷かった。今回の主題歌を歌ったグループは映画に泥を塗るためだけに抜擢されたんだと思ってます。SixTONESって名前が微妙にシニスターシックスっぽいし、6人組だし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?