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2人目:怖い先輩(麦本三歩の好きなもの)

「俺も怒られたいしチョップされたい」



作品について。

今回紹介する作品は「君の膵臓をたべたい」の著者でもある住野よるさんの麦本三歩の好きなもの

大学の図書館で働く麦本三歩という女の子の日常を綴った物語で、三歩の天然なところやゆる〜い感じに癒されること間違いなしです!

天然系女子っていいですよね。
素なのかそうじゃないのかは置いておいて、ちょっと抜けてたりおっちょこちょいなくらいの女の子って男にモテるんだろうなぁと思っちゃいました。

僕が過去に片思いしてた女の子の一人は天然で周囲からも人気があったけど、実は...いや、この話はやめておきましょう。できれば思い出したくない

話を戻しましょう。
三歩の職場には3人の先輩が主に登場します。優しい先輩怖い先輩おかしな先輩

度々登場するこの3人がさらに三歩の良さを引き出していると思います。



僕だってこんな先輩が欲しい。

3人登場する先輩のなかですぐに近くにいてほしい先輩が一人いました。
いや、タイトルからしてこの人だろうと予想はつきますよね。

そう、怖い先輩です。

三歩は事あるごとに「コラッ!」と先輩に怒られ、時にはチョップもされるので心の中で怖い先輩と読んでいるのです。

ただ、怖いというのは僕からしたら語弊があって、しっかり後輩のために注意したり指導をしてあげるのは優しさだと思うし、一つの魅力だと思います。

こんな麗しき大人のレディが自分の上司だったら
「こらっ!ちゃんと仕事しろ!」
って言われたいがためにわざとだらけちゃう説までありますよ。

しかも怖いと言われているのにお昼休憩では「トマト苦手だからあげる」って三歩に話しかけてるの可愛すぎませんか???

もし僕が怖い先輩と同棲してたら
「ねぇ、トマトいらないからあげる」
「ありがとー」
と言いながらトマトを受けるお皿を探してるとトマトを手でつまんで
「ん、はい」
と少し素っ気ないながらもあ〜んチャンスがあるってことですよね。


やばい、興奮してきた。



もちろん魅力はこれだけじゃない。

三歩がブルボンのお菓子をスーパーで買い漁ってるところに怖い先輩と鉢合わせて、怖い先輩宅でご馳走になるお話「麦本三歩はブルボンが好き」で、僕は結婚を意識し始めるほど魅了されました。

この回では仕事でのビシッとした姿以外の先輩が描かれています。

手始めに三歩が休日にスーパーで鉢合わせをして怖い先輩宅でご馳走になることが決まった後のシーンをご覧ください。

「じゃあ、もう一品くらい作ろうかな。三歩、何か食べたいものある?」
「せ、先輩の作るものならなんでも」
 可愛い後輩彼女かっ、と三歩は心中自分でツッコむ。
「マジか。えー、ていうか初めて料理食べてもらうの緊張すんな」
 にかりと照れ笑いを浮かべながら生鮮食品売り場の方に歩き出す先輩。普段とは違う台詞と表情の可愛さに撃ち抜かれた三歩は、あれこの人が私の彼女だったっけ?と錯乱しながら後を追う。

.........

...ハッ!!!!
あまりの尊さに意識を失っていました。

普段仕事では叱ってくる先輩がプライベートだと優しくて家庭的な女性になるんですよ?


エッッッッッッッッッッッ!!!!!!!


なんなんだこの破壊力。。。
照れてるのもきゅんとするし、さりげなく初めてをアピールしてくるところも可愛いし、家庭的な一面が垣間見えるのもポイント高いし...

だめだ...やられた......


そしてトドメの一撃となったシーンを紹介します。

怖い先輩の家で楽しく過ごして、三歩はブルボンのお菓子が好きと知った次の日の職場での出来事です。
※刺激が強すぎるので一度心臓の方を強く叩いてから読み進めてください。

 まだ怒り足りないのだろうか、半分辟易として怖い先輩のお言葉を待っていると、先輩は控室の端っこ、流し台を指さした。
「補充しといた」
 何故だか照れくさそうに言って、怖い先輩は受付カウンターに出ていってしまった。一体何だろうと、三歩は先輩が指さした方に近づいてみる。そうして、「うおっ」と小さく声をあげた。
 流し台に置かれたお菓子用のバスケット、そこには、今までに見たことないくらいたくさんのバームロールが入っていた。

怖い先輩半端ないってもぉー!!
普段怖いのに後輩の大好きなお菓子めっちゃ用意するもん...
そんなんできひんやん普通、そんなんできる?
言っといてや、できるんやったら…


怖い先輩ともし付き合っているとしたら好きな食べ物トークをするじゃないですか。
そしたらいつか訪れるおうちデートでは僕の大好きな筑前煮が用意されてるってことですよね。
そんなんされたら三ヶ月分のなんとやらを差し出して愛の台詞放っちゃいますよね?

あと、「補充しといた」なんて照れくさく言うのめっちゃ可愛くないですか?
いや、めっちゃしつこいですけど普段うるさいくらいに叱ってくる先輩が照れてるんですよ。可愛いすぎます。あー、可愛すぎる。
ほんと、女性の照れてる顔って可愛いですよね。

学生の時好きだった女の子の照れた顔を見たくてほんの少しだけキザな台詞を言ったら「は?」って顔されたので、それ以来僕は女性を照れさせようとしたことはないんですけどね。



終わりに。

怖い先輩の魅力伝わりました?
なんかすごく語彙力が低くなってしまった気がしますが、全部怖い先輩のせいです。

まさかタイトルを背負ってる主人公の三歩を差し置いて、名前すら出てきていない怖い先輩にここまで夢中になるとは思いませんでした。

もちろん、三歩や怖い先輩だけではなく、他の登場人物もみんなものすごく魅力的でとても読み応えのある作品だったと思います。
今回全く触れなかった麗しき友人とのお話も素敵でした。

余談ですが、著者 住野よるさんのTwitterは三歩愛で溢れており、見ていて幸せになれるのでもしよかったら見てみてください。


今回紹介できなかった怖い先輩の魅力はもっともっとたくさんあるので、ぜひ本作品を手にとって怖い先輩の底なし沼にハマってください。

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