見出し画像

世界遺産のグヌン・ムル国立公園 01/05 

秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊) 

2000年、ボルネオ島マレーシアのお隣のサバ州の東南アジア最高峰のキナバル山と共に、ここサラワク州のムル国立公園が、マレーシア初の世界遺産として、一度に2箇所選ばれました。

ムル国立公園は、熱帯雨林の多様な生態系を有するだけでなく、石灰岩層の部分が非常に厚く、巨大洞窟や、非常に長い洞窟などで有名ですが、一方で、未だ全体の40%位しか洞窟調査がされていないので、未知の部分が多い場所です。

ムル国立公園は、ブルネイとの国境に位置し、今でも車で行くには、非常に困難で、幾つか、大きな川を超えなければならないのですが、ムルには、この国立公園のアクセス・ポイントとして、小さな空港があります。

空港が出来る前の交通手段は、川のみに限られており、ミリから、バラム川という川を上流へ高速艇で4~5時間程で、ロングテラワンという先住民族ブラワン族の村へ辿り着き、その後、村人たち所有のロングボートで、支流のトトゥ川から、更に支流のメリナウ川に入り、村から約3時間掛かり、総計8時間以上掛かる道のりでやっと辿り着ける場所でした。今でもこのルートで行く人はいますが・・・。

ムル空港が出来てからは、最初は、19名乗りの飛行機、2003年以降は、50名乗りの飛行機で、今では、少し増えて、72名乗り、ミリ空港から約30分位、クチンから1時間30分、コタキナバルから1時間のフライトで、簡単に行ける様になり、国内外の幅広い観光客が訪れる事ができる様になりました。

一般的には、国立公園内の、4つの整備された洞窟(通称、4SHOW CAVEと呼ばれる)が、メインの観光地です。当然、街というものはありません。ここにあるのは、ムル空港、ムル・マリオット・リゾートという5つ星のホテル、国立公園の事務所及び宿泊所、近隣の旅行会社運営のロッジ、ブラワン族の村と、プナン族の村、これしかありません。
観光地と言いましても、自然が中心になりますので、トレッキングをする必要があるのですが、非常に整備されているので、年配の方でも、意外と苦も無く行けます。

その4つの洞窟の内2つは、ボートで行ける(無理すれば、歩いても行けますが)、東南アジアで最も長く、世界でも9番目(現在)に長い洞窟経路として、全長を合わせて、約236Kmとなるクリアーウォーター・ケイブと、それと繋がっている、別の入口のウィンド・ケイブ。
と言っても、その全部を観光するのではなく、そのメインの迫力ある所を見学します。ウィンド・ケイブは、2箇所強い風が吹き抜ける事からこの名が付き、その中にある、キングス・チャンバーと言う箇所は、鍾乳石が発達した幻想的な空間もあります。
一方で、クリアーウォーター・ケイブは、何トンもの水が通り抜けると言われている地底川の迫力は、見た人にしか分からないと思います。

もう2つは、公園事務所から徒歩で、約3km程、整備された木道を歩いていくと、巨大な絶壁に大きな穴があいています。
これが、ディア・ケイブと呼ばれる、世界最大級の洞窟で、全長、1.8km程、最も高い所で120m、最も幅の広い所で180m、平均直径が120mと、通路の大きさでは、世界最大です。

ここに、推定約200~300万匹のコウモリが棲んでおり、夕方になると、餌を求めて、飛び立っていきます。その小さなコウモリの群れが移動していく様は、竜が舞っている様に見えます。長い時では、約一時間位続きます。一応、念の為に、200~300万匹とかいてますが、誤字ではありません。
本当に万匹です。私は、何度もこれを見てますが、見る度に、自然の力を感じざるをえません。テレビ等で放映されてますが、これだけは、この迫力だけは、コウモリの群れの真下で見ないと、味合えません。

このディア・ケイブは、洞窟としてもでかいです。先に述べた数値では、きっと想像出来ない大きさがあります。

もう一つ、ラング・ケイブというのがありますが、これは、鍾乳石の造形美に興味がある方は、この洞窟が楽しめます。
鍾乳石の形成や侵食などの様子が良く分かります。

と、4つの洞窟を紹介しましたが、それ以外にも、ジャンボジェット機が40機ほど入るサラワク・チャンバー、方々から吹く風の影響で鍾乳石がうねっているドランクン・フォレスト・ケイブ、標高1200mの位置に聳え立つ、約40m程の石灰岩のとげとげのピナクル等があります。

すみません、観光記になってます。私が何を言いたいかと申しますと、非常にディープな森だという事を理解して頂いて、この後の話を読んでください。

(02/05)に続く。。。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?