見出し画像

2018年7月 王道の立山黒部旅②

2018年7月に実施した立山黒部の旅。今回は2日目後半の記録です。
前回はこちらです。↓


室堂を散策

 日本一と言われる黒部のV字谷を見た後に、室堂平から弥陀ヶ原にかけて広がる平らな地形と山々を見ると、あまりの違いに別世界へ迷い込んでしまったのではないかと錯覚するほどです。
 この室堂平は火山の噴火により溶岩が流れてできた地形ではありますが、取り囲む山々は氷河によって削られたU字谷のようなものが多く存在し、室堂平にも氷河によって流されてきた迷子石が転がっているので、火山地形と氷河地形がミックスになっている珍しい場所と言えると思います。
※ヨーロッパのアルプス山脈はプレート活動により隆起した山で火山はありません。立山連峰は火山とプレート活動による東西圧縮の両方になります。

迷子石と氷河によって削られた山

 室堂平には地獄谷と呼ばれる火山ガス噴出エリアやカルデラ湖であるみくりが池があるので、やはり火山であることが実感できます。

地獄谷だと思います
みくりが池はカルデラ湖
奥にはみくりが池温泉もありましたが今回は立ち寄らず

 また、立山は日本三霊山(立山・富士山・白山)の一つであり、山岳信仰が盛んでした。山岳信仰の拠点となっていた場所(山小屋)があったため室堂と名付けられたそうです。

室堂の名前の由来になった日本最古の木造山小屋
みどりが池
クルマユリ
かわいいイワヒバリ達
サウンドオブミュージックの世界
朝扇沢駅で購入した笹寿司をいただきました

室堂→美女平→立山駅

 室堂を満喫しましたので立山高原バスに乗車して富山方面へ下りていきます。室堂から美女平までの標高差は約1,500m。50分ほどの乗車です。

弥陀ヶ原
落差日本一の称名滝
※那智の滝は一段滝としては日本一

 途中下車して散策したいものですが、こういう場所のバスは途中下車して再度乗車しようとすると混雑で乗れないリスクがあるので難しいですね。

室堂から続く平坦な尾根筋もここ(美女平駅)でおしまい
常願寺川の深い谷へケーブルカーで一気に降りていきます
スーパー地形カシミール3Dより引用

 今回の立山黒部アルペンルートの最後の乗り物である立山ケーブルカーは、標高500m差を7分かけて上り下りします。立山トロリーバスと同じ立山黒部貫光が運営している路線だそうです。

場所が場所だけに荷物運搬用の車両もついています。

富山地方鉄道を乗り鉄

立山駅からはいつも通りの鉄道旅。富山地方鉄道を乗りつぶします。
翌日は黒部渓谷鉄道を目指すのでこの日は立山線と不二越・上滝線に乗車します。

13時39分発・立山→14時50着・電鉄富山

立山13:39発
はじめは常願寺川に沿って走ります

 常願寺川は明治時代にオランダからのお雇い外国人「ヨハネス・デ・レーケ」の技術指導により大規模な治水工事が進められました。日本各地の暴れ川を治水し人々の生活を守った偉大なデ・レーケ技師が常願寺川を視察した際、「これは川ではなく滝だ」と言ったと伝えられています。※諸説あり
オランダを流れる穏やかな川と比較したら、常願寺川は確かに滝かもしれませんね。常願寺川は長さ56㎞ですが、平野(扇状地)の部分はわずか18㎞しかないそうです。

 平野に下りたら眠くなってしまい富山駅まで爆睡してしまいました。
(流石に朝早すぎました)

電鉄富山駅に到着

立山線は完全乗車しましたので、次は不二越・上滝線に乗車します。
この路線の終点は立山線の岩峅寺なので、また戻るかたちになりました。

15時19分発・電鉄富山→15:51着・岩峅寺(いわくらじ)

立山からずっと同じ車両(元京阪)でした
立山線の離合風景
西武の現役時代は知りません。
長編成のレッドアローはかっこよかったのでしょうね。
いい駅舎です。来てよかった。(大正10年頃築らしいです)

富山地方鉄道は古い車両もさることながら、レトロな駅舎、特にプラットホーム上屋が古いものが多く、非常にいい雰囲気の場所が多いです。かつて北陸や東北にたくさんあった私鉄の電気鉄道がそのままの形で残っているのが富山地方鉄道です。

このまま不二越・上滝線で折り返すのはもったいないので、常願寺川を渡って大川寺駅まで一駅散歩することにしました。

この時の乗りつぶし経路です。
赤→青→黄(徒歩)→緑→赤紫(市内電車)と乗りました。

雄山神社

常願寺川方面へ歩くと雄山神社(越中国一之宮)がありました。立山とは山々の総称のことで、雄山はそのうちのひとつ、3,003mの山になります。雄山神社はその雄山をご神体とする神社で、こちらは一番平野側にある前立社壇とのことです。
アルペンルートの無事の通過に感謝しお参りしていきました。

撮り鉄素人なのでいい構図が思い浮かばず退散

大川寺駅

常願寺川を渡りやってきたのは大川寺だいせんじ駅。ホームがロックシェードに覆われているこの駅は、別の意味で独特な雰囲気を放っていました。調べてみると昔大川寺遊園地というものがあり賑わっていたそうです。

駅舎
木造レトロの地鉄のイメージを吹き飛ばすコンクリートの要塞と重厚な鉄橋
ホームの下は常願寺川関連の用水が激しく流れています
ちょうどこのあたりが扇状地の先端(扇端)となり、これらの用水が富山市の農業を支えます。
富山へ戻る電車がやってきました。(同じ車両)

岩峅寺駅での折り返し時間が30分であったため、結果的に同じ車両に乗ることになりました。一駅散歩おすすめです。

16時23分発・大川寺→16:44着・南富山

南富山で市内電車に乗り換え、南富山→富山駅、富山駅→大学前、大学前→丸の内、丸の内→(環状線)→地鉄ビル前と市内電車を乗り潰しました。
この時は北側の富山ライトレールには乗りませんでした。

富山地方鉄道市内電車の環状線(丸の内-西町間)は2009年に開業した新しい路線です。※厳密には似たようなルートを走っていた路線が1972年に廃止になっているため、改良復活という感じでしょうか。
都市の路面電車の見直しは富山(ライトレールも含め)から始まり、札幌でも環状線が開業、宇都宮でもLRTが新規開業予定と明るい話題が多いですね。
なお個人的に路面電車が残っていたらよかったと思う都市は金沢ですね。

南富山電停にて 7000形
大学前電停にて 8000形
丸の内電停にて
右が大学前方面、左は新規開業の環状線で単線の一方通行路線です。

2020年3月に富山の北側を走る旧JR富山港線を改良したライトレールは地鉄と合併し、JR富山駅の高架化完了により南北の路面電車が接続されました。富山のコンパクトシティ構想(都市機能の集約し公共交通機関で各地を結ぶ)におけるインフラ面はほぼ完成とのことです。富山は興味深い街です。

夕飯は少し奮発してしまいました

このまま富山に宿泊し2日目は終了です。
読んでいただきありがとうございました。
3日目に続きます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?