「特殊能力」の平板さ

以下の動画で面白いのは、Haruna氏が語る特殊能力とはある種の発達障害を指すと考えられるが(視覚だと、風景の細部の総体を瞬時で捉える例があるように)、それは私の問題意識では音楽・美術にかかわらず、その本質が「平板」だということ。

加藤 豪@_5925263769112·19時間
「楽譜の読み方はただ音を読むだけじゃない。」

「イタリアの音楽院では試験は一般公開。」

「初見で暗譜ができてしまう特殊能力の人は、何でもその場で弾けてしまうが、それ以上どうやって深めたら良いか分からず、途中でパタっと止まってしまう。」

【ピアノのレッスン】優等生ほど、陥りやすい罠がある!
https://www.youtube.com/watch?v=IFbL6zHmkSc&t=350s
(8:15~)
https://twitter.com/_592526376.../status/1646036049930620928

それを芸術において「天才」だと往々にして早計してしまうことが現代において顕著。それに加担している文化人も多い。同時に芸術の衰退・劣化が(そのような文化人には気づかれることなく)一方で嘆かれる。こういう図式ではないか。

Haruna氏はこのような特殊能力の主体を「優等生」と呼ぶ。ここが面白いし、頽落しそれに居直り悪どい場合には賛美さえする現代(の文化人)への鋭い批評にもなっている。

ミケランジェリは、そういう主体(=文化人にとっての対象)ではなかったということ。

加藤 豪@_5925263769112·19時間
ミケランジェリ自身の試験の記録が残っているそうだが、初見の点数は低かったという。
【ミケランジェリのピアノ科卒業試験の成績公開!アレが…合格ギリギリ点?!】
https://youtube.com/watch?v=5-xz29Ha7Wc
https://twitter.com/_592526376.../status/1646036429674549249

(註)Haruna氏はミケランジェリの孫弟子。直接の師はイェルク・デームス。
https://en.wikipedia.org/wiki/Jörg_Demus

参照。Haruna氏、ショート動画集。
https://www.youtube.com/@HarunaPianist/shorts

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