18きっぷと三江線の旅:三江線(三次→江津)
さて、いよいよ今回の旅のメインがやってまいりました。
この日は始発の三次発の三江線で終点の江津まで行き、そこから次の宿をとった出雲市に移動しつつ、その途中で石見銀山へ寄るという、またまた無茶なスケジュールを立てていました。
本当の鉄の方であれば、三江線全駅下車にチャレンジしたりするのでしょうが、私はただの電車好きなので、移動手段としてフルに三江線を活用して、そのまま次の目的地へ向かおうというわけです。笑
早朝の三次駅。外に人影はありませんが・・・
駅の中には既にたくさんの人が。
こんな感じで、車内は大賑わいでした。私は何とかぎりぎり席を得ることができましたが、立っている人もいました。ただ、来る前に恐れていた満員でぎゅうぎゅうということはありませんでした。(それは始発だったからなのかもしれませんが。)乗っていたのは、ほぼ三江線乗車目当ての観光客だったと思います。10代くらいの子から年配の方まで幅広い年齢層の方がいらっしゃいました。
ひとまず席につけて一安心、と思っていたら、18きっぷユーザーに向けてアナウンスが。(駅でスタンプを押してもらえなかったのでどうするんだろうと思っていたのですが)途中の駅で長い停車があるときに車掌さんのところへ来てくださいとのことでした。
そんなこんなでいざ出発!
動いている時&窓越しだったのでぶれぶれですが、どこかの駅に掲げられていた「さよなら三江線」の看板。切ない・・・
川と遠くに見えるトンネル。
どこかの橋。
車窓に広がる山と川。
まったり景色を楽しんでいると、電車が停まりました。向かいのホームにも電車が控えていて、何だか長く停まりそうです。先程アナウンスがあった、18きっぷにスタンプをもらうところかな?と思っていたら、正解。
三次からの三江線始発は口羽駅で30分ほど停車します。18きっぷの手続きをしてから電車を降りました。
前日も車窓から見て記憶に残っていた「地域ぐるみで応援しよう三江線!!」という看板。
電車が駅に入ってきたときに、てぬぐいを掲げて外に立っている方がいらしたので、何だろう?と思っていたのですが、駅外で小さなマルシェが開催されていました。地元の作物を使ったお菓子や三江線関連書籍、ポストカード、てぬぐいなどが扱われていました。
聞くと、県庁の職員さんが(おそらく職務外で)三江線のためにと、三次からの始発便が停車するこの30分間、駅に立っているとのことでした。何とか電車を残そうと色々動いている間に廃線が決まってしまったと、とても悔しそうでした。廃線決定がなされてしまってはもうどうしようもないけれども、それでも何かしないと気がすまないと、市に立ち続けているそうです。
9月からは近くの宇都井駅で民泊も開設されたとのこと。本当に、地元の方が、何とか三江線を残そうと色々策を練っていたんだなあ、それでも現実は変わらないんだなあ、と、切なくなりました。
せっかくなので、焼きドーナツを二つ買いました。
後ろに写っているのは、「もう増刷されることはないんです」と言って職員さんが下さった三江線エリアの観光マップや冊子。言葉の端々に滲む悔しさに切なくなりました。
まだまだ時間があるので、駅の外に出てみます。
口羽駅舎。
写真は撮り忘れましたが、駅の外にはおそらく最近作られたであろう新しくきれいな公衆トイレがありました。せっかくこういう整備をしていたのに、廃線になってしまったら・・・と考えると、また切なくなりました。
三江線全通記念碑。せっかくやっとつないだのにね。涙
近くにトンネルがあった。
時間が迫ってきたので電車に戻ります。
マルシェで「自分にできることが無くて申し訳ないけれども、ただ、職員さんの気持ちは応援しています。」と伝えて、その場を去りました。
焼きドーナツを食べながら再出発。(焼きドーナツ、しっとりしていておいしかったです。)
橋。
美しい風景。そりゃあこんなところを走っていれば、天候トラブルなどの影響をよく受けるだろうしメンテも大変だろうなあ、などと思う。
風景が変わってきた。
何だかかわいい小屋。
そしてついて着いてしまった。
まだまだ名残惜しいけれども、すぐに乗り換えなくてはいけない。
後ろ髪を引かれながらも、出雲市行き電車のホームに移動しました。
ありがとう、三江線。そしてさようなら。お疲れ様。
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