新規感染者数をどう見るか

このところ3日続けて国内新規感染者数が1000人を越えていると騒ぎになっている。首都圏、地方都市、北の方を中心に増加傾向は顕著であるけれども、注意すべきは1日ごとの発表に一喜一憂しないことだ。

毎日データに注目していればわかることだけれども、発表される感染者数は曜日ごとに明らかに増減の傾向がある。
まずは保健所や役所などの開業日との関係で、日曜と月曜に(祝日の後にも)それまでとは打って変わって一気に数が減少する。しかしこれは収束を意味するものではなく、単に調査や集計が公的機関の休業によって行われなかったり遅れたりしただけのことだ。
そして、火曜日以降、少しずつ様子を見ながら数値は加算されていき、一般的に金曜や土曜は数値が増える傾向がある。

今のこの状況で今日の数値がどう出るか、気になっているんだけれども、いつもの調子からすれば今日明日はいったん減るんじゃないかと思う。もし、日曜、月曜でも数値が多いままだったとしたら、実際のこの週末の感染者はさらに大変なことになっているはずで、来週以降はますます数字が跳ね上がるだろう。

各自治体の感染者数報告は定時に行われるものではなく、日によってまちまちだ。昨日の北海道のようにずいぶん早く、もう午前中から見込みが漏れてくることもあれば、夕方まで音沙汰なくしれっと発表されていることもある。
基本的にはまずい事態になっている時には早めに情報が出てくることが多い。早い時点で数を締めないと、どんどん加算が進み、さらに大変な事態になっているという印象を世間に与えてしまうからだろう。

マスコミは感染者数を報道する際、「〇〇日ぶりに××人台を上回った」とか「××人台を下回るのは〇〇日ぶり」という言い方をするから、それと合わせて印象を調整できるよう、役所の発表は、曜日&恣意的なデータ締め時間のトリックでコントロールされているように見える。数値が100の桁を跨ぐ時の出し方にも傾向がありそうだ。昨日の都内の数値のようにぎりぎり300を超えないよう290台などぎりぎりのところまで、あるいは後半まで詰め込むというのもよく見る。


私は「正しく怖がる」にはきちんと現実を認めて対応をしないといけないと思うけれども、政治的にイデオロジックに使われる「正しく怖がる」は実質「怖がるな」の意味なので、そう叫ばれる時、大事になっている現状は往々にして煙に巻かれることになる。

欧州をはじめ、世界中でこれだけ状況が深刻になっている中、どれだけの人が批判的思考でもって適切に事実を判断し、行動できるかに今後がかかっている。

厳しい冬は始まったばかりだ。

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