バルト三国へ:バーニーティスに乗りに(リーガ~グルベネ~アルークスネ~リーガ日帰り旅)

今回のバルト三国滞在の大きな楽しみの一つに、現存している狭軌鉄道バーニーティスを(に)見る&乗るというものがありました。

元々、電車や鉄道旅は好きなのですが、特にローカル線、鈍行が好きなので、限られた区間を、自転車とそれほど変わらない速度でゆっくりゆっくり、1日にたった2往復だけしている電車があると、ガイドブックで読んだとき、これは是非とも見なければならない!と妙な使命感のようなものが湧き上がったのです。

しかし、問題は、そこへのアクセスと実現可能性です。
私は、予め宿を手配してから現地に飛ぶので、タルトゥを出た後はリーガの宿を連泊で押さえていました。
バーニーティスが走るのはグルベネ~アルークスネ間なのですが、アルークスネはエストニアとの国境近くに位置しており、何とかエストニアから入ってバーニーティスに乗った後にリーガに行けないかと考えていたのですが、どうも、公共交通機関では難しそうなのです。
当然のように、電車は国境越えで使えるものは見当たりませんし、頼みの綱のバスも、色々調べてみましたが、エストニアからラトビアへはリーガ方面へ行くものが主で、アルークスネまで行けるものはなさそうでした。

そのため、結局、遠回りになってしまったのですが、一度リーガまで行ってからグルベネまで行き、バーニーティスでアルークスネまで行って帰ってくる、というルートをとることにしました。

しかし、次の問題は、それが日帰りで可能か、ということでした。
バーニーティスに関しては、英語のサイトがあり、タイムテーブルが出ていたので、時間の検討がつきました。
けれども、グルベネまでのバスの時間が調べ切れなかったので、バーニーティスの運行時間までにグルベネに行けるのか、また、バーニーティスに乗った後、その日のうちにリーガまで戻ってこられるのかが分かりません。

困ったので、リーガの観光案内所で、”日帰りで”まずはグルベネまで行き、バーニーティスに乗って戻ってきたい旨を伝え、係の方に交通について調べていただきました。
結果、お姉さんは「(移動ばかりになってしまうから)おすすめはしないけど…」と言いながらも、「朝7時にグルベネまで行くバスがあり、そうすれば、グルベネからアルークスネのバーニーティスに乗れる。そのまま折り返しのバーニーティスで帰ってくれば、グルベネからリーガまで戻ってくるバスもある。」と教えてくださいました。

移動ばかりということについては、過去にほぼ1日電車に乗りっぱなしのままノルウェー北部からストックホルムまで行くということもしていたので、それに比べればまあ楽だろうということと、何より、せっかくだからバーニーティスに乗りたいという気持ちが強く、翌日に早速出かけることにしました。

頑張って早起きをして何とか7時のバスに乗りました。ホテルには早く出るため朝食が食べられないんだけど…と相談していたら、お弁当(?)を用意してもらえました。優しい。
バスは長距離便ですが、車内にトイレはありません。3時間ほどは乗るので心配になって、運転手さんに聞いてみたら、途中でトイレ休憩があるよと教えてもらえました。

無事にグルベネ駅に到着しました。気を付けなければならないのは、グルベネの中心街で降りてしまうと、バーニーティスの駅まではかなり歩かなければならなくなってしまうことです。(リーガから向かうと、中心街に停まった後にバーニーティスの駅に停まります。)
私は、グルベネ何とかというバス停で、降りるべきなのか心配になったので、「バーニーティス?」とバスの運転手さんに聞いたら、「まだだよ、次だよ」と教えてもらえました。優しい方で良かった!

さて、10時過ぎに到着をして、バーニーティスの発車は13時ごろ、ということで、めちゃくちゃ時間が余ってしまったのですが、正直、グルベネ駅、そしてその周辺には何もありません。人もいません。

(駅の外にはお目当てのバーニーティス。かわいい。)

(周りには他にも色々な車体が停まっています。)

(バーニーティスについての紹介もありました。駅舎の中にも展示があります。)

駅の中や周辺を色々探検してみたのですが、まだまだ時間があります。。

そして、お手洗いにも行きたくなってきたのですが、駅にあるのは、何と!個室なし(ドアなし)!!のトイレのみ(当然トイレットペーパーもありません)でした。
手持ちのティッシュペーパーはありましたが、潤沢には無かったので不安になり、何よりドアなしのものを使うには勇気がなかなか出なかったので…地図もなく方向感覚もないまま、バスで通ってきた記憶を頼りに、中心街のほうまで戻ってみることにしました。

辺りを歩いてみると(だいぶ時間の感覚もマヒしていましたので、正確ではないかもしれませんが)、駅からは最寄の店(ホームセンターみたいなもの?)まで15分くらい、そこから街中まで15分くらい、という感じだったと思います。道は基本的にシンプルなので、迷うことはないと思いますが、何しろ人気がほとんどないので、不安になると思います。のどかなところなんですけどね。
グルベネ駅へ行くときは、ティッシュペーパーや飲食料品を事前に忘れずに用意しておくことを強くお勧めします。

(街中に出る前にはいい感じの森もありました。精神的な余裕がなく、散歩できなかったのが残念。)

そんなこんなで、無駄にうろうろして街中まで行ったり、無事に普通のお手洗いに入れたりしているうちに、発車時刻が近づいてきたので、駅まで戻りました。

(さすがに人が増えてきました。安心した。)

(ディーゼルが来て連結。はまなすみたいだった。)

バーニーティスの車内はこんな感じです。運賃は、乗車後に回ってきた係の人に渡します。現金onlyです。

電車はこんな感じののどかな風景の中をゆっくりゆっくり走ります。

アルークスネ着。降りる前に別の車両も見に行ってみました。前のおじいちゃん達も鉄道好きらしく、車内を観察していました。笑

アルークスネからは、バーニーティスに乗って帰るか、バスで帰るか迷っていました。というのも、乗ってきたバーニーティスで帰るには、1時間しか滞在時間がありません。

せっかく新しい街へ来たのに、という気持ちもあったので、まずは観光案内所まで行って、帰りのバスの時間などを聞いて、それが妥当なものでない場合は駅まで戻ってバーニーティスに乗ろうと決め、とりあえず、中心街を目指して、地図もないまま歩き出しました。

が。やはり問題が。。

案内板によると、観光案内所までは2kmほどで、急げば何とか1時間でも往復できるかな、と、思っていたのですが…
だいぶ市街地まで近づいてきた頃、観光案内所を指す案内板の方向がよくわからなくなり、辺りをうろうろしているうちに、駅まで戻るのが困難な時間になってしまいました。。

そのため、これはもう仕方ない!と腹を決め、(ちゃんと日帰りできるものがあるかはわからないけど)バスで帰ろうと、少し街を見てまわることにしました。

(バスターミナル近くの公園。湖があっていい感じです。)

結局、何とか見つけた観光案内所は、バスターミナルから数分のところで、とても小さなものでした。写真の教会のふもと(?)にあります。観光案内所の隣(同じ建物内)には、小さな聖書博物館もありました。訪れた方が寄贈なさったという日本語の聖書もありました。

観光案内所でバスの時刻を確認し、何とかその日のうちにリーガまで戻れるということが分かったので、出発まで、近くをお散歩することにしました。湖がたくさんあるお散歩の楽しい街でした。上の写真はお城(中は博物館)とその近くの公園にいたカモ達。

バスターミナルの近くから歩いていける島もありました。これは昔の城壁かな?

リーガに着くのは10時頃だったので、少し早めだけれどもアルークスネで食事をとることにしました。country porkのプレート。これで6ユーロちょっとでした。(やっぱりリーガよりも地方のほうが物価が安い気がした。)

リーガ行きのバスです。乗る人がたくさんいました。

バスに乗った後は、(降りるのは終点だし、というのもあり)疲れて爆睡してしまいました。笑

なかなかハードだったけれども、バーニーティスにも乗れて楽しい1日でした!

リーガからは、かなり強硬スケジュールになりますが、日帰りでバーニーティスに乗って帰ってくることは可能です!!

この投稿がこれから行く方の参考になれば幸いです。

ただ、バスやバーニーティスの運行スケジュールなどは変更になる可能性もあるので、必ず事前にご自身でご確認の上、お出かけくださいね。

-----
参考URL(バーニーティスの時刻表や運賃などは以下で確認できます。)
http://www.banitis.lv/eng/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?