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きく「ふるあめりか」岡本文弥(テイチク 1992)

【新内節】

 作詞・作曲 岡本文弥(1895/ 1/ 1 - 1996/10/ 6)

   浄瑠璃 岡本文弥、三味線 岡本宮染、上調子 岡本宮之助

 安政六年(1859)六月に開港した横浜は日ましに繁盛、活気一ぱい、遊郭には外国商人も居続けという始末。
中でも岩亀楼の客アメリカ商人は遊女亀遊を金に任せて独占しようとする。楼主は金に負けて承諾する。亀遊は絶対イヤだと頑張る。その日が来て亀遊は書きおきを残して自殺する。日本女性の美談として今も横浜に残るけれど亀遊という女が実際にいたかどうかの疑いもある。事実無根としても戦後万事アメリカ一ぺんとうの日本女性に対してこんな話をぶつけてみたい。相手が原爆張本人の国だから一そう血が湧くのです。1935年の作だけれど何度も手直しをしてこの形におちつきました。

『ふるあめりか』解説 岡本文弥