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バブル時代の風景の一つ、たばこの凋落

 2007年に公開された映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」では、バブル後の経済悪化に苦しむ日本から、ヒロインの主人公が、1990年のバブル絶頂期に、ドラム式洗濯機型のタイムマシンで送り込まれるという話です。

 その映画をテレビで観て、1990年と言えば、私が社会人になった時じゃんと思い、興味深く思ったものです。

 バブル崩壊の原因は、当時の大蔵省(財務省の前身)の行った「総量規制」にあったというのが、大筋の話の流れでした。

 しかしながら、私はそういう話の本筋よりも、“バブル時代あるある”の小ネタが面白かったのです。

 公開の2007年からも、すでに15年以上経ちましたが、この現在の日本は、景気が回復途上にあると言って良いのでしょうか、「ありそで、うっふん♡、なさそで、うっふん♡」ってな感じでしょうか(1959年のスリー・キャッツによる「黄色いさくらんぼ」。ふ、古い…。私も生まれる前の歌です。)。

 それはともかく、映画の男性主人公の大蔵省キャリア官僚が、そこらへんで、やたらバクバクたばこを吸うのです。

 確かに、私が社会人になった1990年の頃は、会社の机に灰皿が置いてある人が結構いて、周辺も気にせず、机でバクバクたばこを吸っていました。

「どうせなら、周りだって、香りのいいたばこがいいだろ」と、両切りのピースを吸っている格好いい先輩もいたものです。
 ※仮面ライダーの変身前の姿のようなやや長髪のハンサムなお兄さんでした。女性社員には超モテモテでした。

 年末、大掃除で、キャビネットなどをぞうきん掛けすると、黄色いヤニが取れて、ずいぶん汚れていたんだなと思ったものでした。

 私は、就職活動で、「日本た○こ」というたばこ会社を受けて、結局は行かなかったのですが、当時の就職のペーパー試験の会場には、なんと灰皿が置いてあったのですから、今思うと、びっくり仰天の風景です。

 その会社が出していた最も売れ筋の「マイルド・セブン」というたばこは、「マイルド」という言葉が不適切だということで、いつの間にか、「メビウス」に名称変更させられてしまいました。

 私は、高校時代に読んだD・カーネギー著の『道は開ける』という本の影響で、「たばこは身体に悪い」というのを、成人前から強烈に知っていましたから、無理に勧められて、何本か吸ってみたことはありましたが、それ以上は、決して踏み込みませんでした。
 ※じゃぁ、なんで「日本た○こ」を受験するんだという話ですが、大学の先輩リクルーターとの話の流れに乗っただけでした。結局、縁はありませんでしたけど…。

令和の現在、たばこを吸っている人は、何を思って吸っているのか、正直、頭では理解はできません。

 たばこには精神をリラックスさせる効果があるのはわかっているようですし、そのためか、たばこを吸う人の自殺率は、吸わない人に比べて有意に低いというのもわかっています。

 また、たばこと同じ嗜好品であるお酒は、飲み過ぎると人を廃人にしますが、たばこはそこまでには至りません。

 たばこは、身体には、はっきりと有害ですが、直接的に廃人にはせず、“ゆっくりと死に至らしめる”効果までにとどまります。

 ストレスの多い社会ですから、リラックス効果のある嗜好品であるたばこを吸うのは、止むを得ない面もあるのかもしれませんが、肺がんなどになる恐れも強いのですから、両天秤にかけたら、止めた方がいいって、本人もわかっているのではないかと思いますよ。

 バブル後、はっきりと世の中は「嫌煙化」が進んでいます。その中で、敢えて吸う意味を、よ~く考えてみた方がいいですよ(>_<)。

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