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「親ガチャ」の遺伝的要因を超えるもの

 読書の習慣は、小さいうちから付けた方が継続しやすいと言われていますが、とはいえ、大人になってからでも遅くはありません。

 私は、周りの人に、読書はした方がいいよ、と繰り返し言っています(ただ、それにより、読書習慣が身に付いたという話は残念ながらあまり聞きませんが…。)。

 今の世の中は、複雑過ぎて、ただ勉強もせず、ぼんやりと過ごしていて、どうにかなるような代物ではないことは、みなさんもうすうすお気付きでしょう。

 若い人で、もし、月に1万円貯金できる人がいたとするじゃないですか。

 もちろん、貯金も大切なのですが、貯金を月5千円に減らしてもいいので、残った5千円で、本を買って読んだらいいと思います。

 だいたい、単行本が1,500円、新書が900円、文庫が700円位ですから、5千円あれば、月に5冊位は読めます。

 月5冊の本を読めば、日本人の上位1~2割位の知識を蓄えることができるでしょう。

 今、「親ガチャ」というあんまりうれしくない言葉がはやっています。

 つまり、親の知能の遺伝的要因や、金銭的富裕度の子どもに与える影響が大きく、もはや、子ども自身の努力だけでは乗り越えられないというあきらめの表れです。

 「逆境が人を育てる」とも言いますが、実は、逆境そのものには何の力もありません。

 そこで、その人がどう感じ、どう行動したかにかかっていますから、逆境をバネに頑張った人もいる反面、当然のように、逆境でダメになった人もいるのです(世の中は、後者の方が多いはずです。)。

 反対に、順境だからこそ、成功した人も多いはずです(もちろん、慢心してダメになる人もいるはずです。)。

 「親ガチャ」と言いますが、実は、親の知能面における遺伝的要因は、50%程度と言われており、逆に言うと、残りの50%は、家庭環境など共有環境によると言われます。

 とりわけ、言語性知能の場合、遺伝的要因は15%程度と小さい反面、家庭環境など共有環境の影響が60%弱と非常に大きくなっていると言われています。

 つまり、環境要因を適切に管理すれば、遺伝的要因を上回る子どもが出現することがあるわけです。
 ※知能水準から予想される学力を示さない子を「アンダーアチーバー」、知能水準から予想される以上の学力を示す子を「オーバーアチーバー」と言いますが、このような子がいること自体、「親ガチャ」による遺伝的要因を上回る子がいることの証拠です。

 子どもの学習能力に影響を与えるものを、いろいろと調査した結果、わかったのは、「蔵書数の多い家庭の子どもほど学力が高い」と言うことです。

 蔵書数が多いということは、単純に、親がたくさん本を読んでいるということです。

 親がたくさん本を読んでいると、子どもは自然とそれを真似し、本に親しむようになるということなのです。
 ※読書はしないけど、カッコだけ付けて、蔵書数を増やしましたはダメですよ(笑)。

 そして、本に親しむ結果、言語性知能が上昇し、学力が向上するのです。
 ※全ての学力の基本は、言語性知能にもとづきます。数学の問題も、日本語で書かれています。この日本語の読解ができない子どもがかなりいるのです(実は大人もです。)。

 この蔵書数による環境要因は、遺伝的要因を超えると言われており、悪いことは言いませんから、子どもに与える影響も考慮して、大人になってからでもいいので、読書習慣を身に付けた方がいいです(!)。

 「親ガチャ」を超える家庭環境などの環境要因、蔵書数! さぁ、読書しましょうよ。

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