2021/07/25 日記

・仕事のためにバルザックの小説に目を通してる。

・『金色の眼の娘』:最初20頁くらい、口上として、パリの現実とはこうですよ、綺麗なものではないですよ、と、自然主義っぽい描写で書かれる部分が続く。物語の本筋はその口上が一通り終わってからいきなり始まる。
 物語の舞台は貴族社会なんだけど、上流階級を舞台にするからといって、パリの街を延々と描写するだけの前置き必要だったんかな……と思った。雑誌だか新聞だかの連載で文字数が必要だったのかもしれないし、また作者の意図として「現実」(と彼が考えるもの)と物語は違うんですよ、と読者に示し(というか、ひょっとすると教示し)たかったのかもしれないんだけど、今の時代にいながら読むと「物語が現実と違うってこと、読者の皆さんはわかってないだろ?」とも読めそうな内容を、わざわざ20ページぐらい使って宣言する意味が不明なんだよな。
 その当時の風潮として「なんか理想が強い雰囲気」があって、それに抗いたい、と考えて書いたのかもしれないけど。でもそういう場合って、大概は自分が勝手に風潮を意識しすぎてることも多いような気がしたりしなかったり。

・物語が始まってみるとつまんなくなさそうなので、別にそこから始めるのでよかったんじゃないですか大先生……。と思う。とりあえず全部読まんとなあ。

・その他に読んだ話。ちょっと前に読んでから本を売っちゃったので、タイトルを忘れてしまった。舞台は海辺の町、若い恋人たちが主人公。その町には、海辺を見渡す崖に洞窟があって、ある男が住んでいるという噂がある……みたいな話だった気がするんだけど。

・映画
 特集上映のおかげで岡本忠成の名前が挙がってくるようになったみたい。うれし。アニメーション枠を飛び越えて、邦画史の中に位置づけられてほしい。岡本忠成の映画は、物語の語り口が群を抜いてる気がする。

・明日からもがんばってお金を稼ぐぞ。そんなにはがんばらないけど。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?