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我々は何を軸に「シゴト」を考えるのか

この記事は「2023年 ジンジニア アドベントカレンダー Advent Calendar 2023」の6日目の記事となります。

はじめに

こんにちは。「なーねこ」というアカウントで活動しております。
ジンジニアアドベントカレンダーという事で、人事を行っていたときに、はじめて「実感」した事を記していきたいと思います。

気づいたらあっという間に刻が経ってしまいました。
遅くなってしまいましたが、せっかく頂いた枠ですので、時間を確保してなんとか書かせて頂きました。よろしくお願い致します。

意識したこと、ありますか?

皆さん、しっかり意識したことはありますでしょうか。
法律や、業界のルール、会社の方針など、私達の周りには複数の枠組みが存在します。

いろんな枠のイメージ

ワードとして目視したり、誰かの口から聞いたときは、「そんなのアタリマエでしょう」となりませんか?

分かると出来るの違いを実感

「知っている」「やったことがある」「できる」などの状態遷移の考え方、整理は色々文献があるようで、ここでは割愛します。
良く言われている「分かると出来るの違い」というものを実感した経験をご紹介していこうと思います。

分かると出来るの違いを実感

エンジニア時代

  • 枠組みがある事を知っているつもり、意識しているつもりで働いていた

  • 実際の自分の意思決定は枠組みの中だけで行われ、与えられるプロジェクトを遂行しているだけだった

自分が現役でエンジニアをやっていたのは15年以上前の事になりますが、自分が開発しているタスク粒度や、リーダーシップを発揮するプロジェクトにおいても、せいぜい「会社の方針」に沿ったものを開発しているだけでした。また、過去のエンジニアの働き方、意識の持ち方だけでは、この枠から飛び出す事は出来なかったかもしれません。

人事領域の時代

  • 法律、規制が変わる情報を察知し、対策を打つ必要があった

  • 作り出すもの(開発するお題)を与えられるわけではなく、常に自分たちで取り組みの仮説を立て、起案し、進めなくてはならない

人事チームを立ち上げたときの上司がとても印象深く。彼も自分も人事領域は未経験でした。
普段の業務は、発生する運用項目をこなしているだけでも会社は回る状態で、自分は運用フローの効率化、自動化を考えたり、エンジニアの経験から価値を発揮できる事がないか考える日々でした。

今となっては自分の未熟さが恥ずかしいのですが、上司の仕事の進め方が「本質を射抜いている」と感じる以下のような働き方、事象がありました。

  • 日々、法律や規制の変化情報を追っている

  • 収集した情報から、会社のプラスになる事、リスクになる事を考え、経営へ(上長へ)報告・提案をできる準備をしている

  • 他社がやっている方法だからと流されず、自社のバリューに沿った考え方と照らし合わせが方針をとる

(事例)
<法定雇用率への対応について>
従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障がい者・精神障がい者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。
(厚生労働省のホームページより)

・当時、障がい者の雇用数を確保するために、「法定雇用率」を達成する事が目的となった委託事業のようなものがあり、一般的にはこの事業を利用するのが解決策になっていました。
・しかし、当日の上司は本質的に本社で障がい者を受け入れなければ、社会的な課題の解決や、自社の成長、働いている人の理解の醸成に繋がらないとして、社内への障がい者雇用に関する理解教習、受け入れチームの育成、就業可能な業務の洗い出し、雇用まで人事で実施する事を決断しました

この考え方と、物事の進め方に非常に感動し、これが仕事の進め方の本質ではないかと、今でも定期的に想いかえしています。


文章として書いていると、本当にアタリマエだと思ってしまうのですが、これが日々忙しい中で、しかも開発組織の中で発生する業務だけをこなしていた自分には、目から鱗の進め方でした。

もしかしたら、ビジネスを作り出す人達も、この感覚を日々鍛えられているのかな?と考えています。
エンジニア組織の中で、ビジネスの理解をせず、開発している機能が何のために使われ、どんな背景のもと依頼がきたのか。
これらを意識、理解しないで日々過ごしていると、気づいた頃にはビジネス職との「物事の遂行力」における能力差が、ものすごい事になっていそうだと、本気で焦った記憶があります。


何が異なり、何を得たのか

今となって思い返すと、いつも言っている事になってしまいますが、「視座の高さ」。これに尽きるなと考えました。

自分の経験上は、プロダクト開発をしているだけではたどり着けませんでしたし、新しい役割、職種を経験したからこそ実感した事でした。

ここで得た経験が、次に担当する「情報システム」領域でも役に立つことになります。
会社全体のITのあり方、戦略を考える上で、どこまで高い視座で、会社の方針を理解し、会社のビジネスを理解した上での提案・意思決定を行っていくか。

出来ている人からすると、そんなの当たり前でしょ?という事も、分からない状態の人は、実感するまで分からない。
逆に考えると、視座の高さや、分かっている事を腹落ちさせていくには、適切なフィードバックと、適切な体験をさせる事が重要なのかもしれないと感じました。

最後に

現在は、エンジニアのマネジメントに特化した仕事、スタートアップのITアドバイザーとして活動しておりますので、ここで気づいた事をより昇華させ、良い気づき、良い体験をしていただく方法を模索していこうと思っております。
引き続き勉強を進めて行ければと思います。
皆さんのご意見、アドバイスもよかったら頂けると幸いです。





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