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240723:ラムラム王に会いに行く

諏訪のイルフ童画館は私が大好きな美術館のひとつ。武井武雄という大正〜昭和時代にかけて活躍したアーティスト(武井武雄は多才すぎて、画家とも絵本作家ともいいたくない感じ…ただ日本の「子どもと大人のための美術」の先駆者、と言えばいいのかな…)の記念館なのだが、そちら方面の知人の別荘を訪ねるついでに、久しぶりに行こうかなと思ってホームページを見てみたら、今年は武井武雄の生誕130年という記念の年の巡回展のため、作品はお留守ということがわかった。というか、諏訪までいかなくても武井武雄が東京で見られるじゃん!ということがわかった。

別荘訪問のほうは、スケジュールがうまく合わずに流れてしまったのだけど、せっかく武井武雄が東京まできてくれていることに気づけたのだから、これは運命だ!と思って、(駅から遠い目黒区美術館だけど)頑張って行こうと決めて、猛暑日だったけど、山手線に乗ってでかけてきた。

今回の展示では童画作品のほかに刊本作品と呼ばれる希少本も多く展示されていて、螺鈿、セロファン、陶器などおよそ思いつかないような素材をつかった美しいオリジナル絵本は、見とれてしまってしばしぼうっとするほどだった。部数限定のこの刊本作品を購入するには会員権が必要で、会員権の空きを待つ「我慢の会」なるものもあったのだとか。

戦後のもののない時代に娘にねだられて、ハガキの裏紙でつくったというトランプのセットも素晴らしかったな…世界でひとつきりのトランプセット。娘さんが羨ましくなった。

大好きな鳥シリーズの作品も見られたし、クレヨンと水彩で描かれるタブローも小さな銅版画も隅々まで堪能した。小さな美術館なのでサラッと見たら一時間くらいかもしれないけど、二時間半ぐらいは見たかなぁ。

途中、小学校低学年ぐらいの子たちが学芸員さんの説明を受けながら見学していくグループと一緒になった。子どもたちは絵じゃなくて、会場の湿度管理の機械に興味を持って質問したりしてて、なんかいいなって思った。大人は「ガイドツアーの主旨に沿ってない質問していいのかな…」とか、すぐに遠慮しちゃうものね。

ヘッダの写真は武井武雄より少し若い世代で目黒区ゆかりの画家、秋岡芳夫の童画。これは写真撮影OKだったので。

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